部分


 これが冬の空の色。晴れても曇っても。 ぼやけたような空の色。

 田舎の家に行くと山茶花が葉よりも豊かに花を広げていた。 バナナは少し枯れてその下にまた濃い黄みがかった緑色の大きな葉が見えた。

 占有率の低下。だからそうやって平気になったような気になる。 多分それが本当のこと。考える時間が少なくても大丈夫になる。 ふと思い出してもあんまりつらいと思わなくなる。

 まったくつらいと思わなくなるのは、いつになるのかわからない。 それは気持ちの深さとかそのときの自分の状況によって それぞれ違ったことになってしまっているから。

 わがままの言い方を忘れた、と言っても。 わがままを言える相手には普通に言っていたのだから。 ただ、自分がどうしようもなく好きな相手にはそこの部分が出せなかっただけ。 感情的になると自分が負けるのが分かっているから。 そうしたらどうしても何かが終わってしまうから。

 昔、泣きながら伝えたこと。 あのときに向けられた背中の冷たさをいまだに忘れられないでいる。 触れると温かいのに。絶望的な温度が周りにあった。 楽しくないことばかり思い出す。 私も気持ちの置き方はそんなに違っていたのだろうか。

 私の陳腐な芝居は見透かされていそう。

 でも、そんなこと言われたらちょっと試してみたくなったり。 悪い癖。でも矢印の先はちゃんと向こうを指していた気がする。

 そんなに長い間好きだった人、といえば聞こえはいいが。 不健全な片想いだった。

 探り合い。その部分だけは敢えて見ない。 見せたくないところは隠しておく。 動悸が少し、速くなる言葉を目でなぞる。

 ケーキもらった。

最近の一枚:GRAPEVINE / Everyman, everywhere




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手紙 BBS




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