長男、耳鼻科初体験!


長男が気管支炎になって数日後、耳が痛いと言いだした
痛いと言っても、泣くほど痛がっていたわけでもなく、昼寝の前や、夜寝る前に痛いと言ってただけだったので、まさかとは思いつつ、気管支炎でかかっている小児科の先生に、診察のついでに相談してみた

小児科だけど大丈夫かな?なんて思いながら話してみたのに、診察する道具らしき、懐中電灯のようなものを、机の上に並べられた中から選んで、長男の耳を診始めた
すると先生は、「耳垢がたまっているので半分くらいしか見えませんけど、耳の中の色が悪いので、風邪からくる中耳炎の疑いがあるので、一度耳鼻科に行って下さい」と言った

耳鼻科・・・ 私にとって一番恐れていた響き・・・
長男は耳掃除が大嫌いで、どんなに熟睡していても、耳をさわらせようともしない
しつこくさわっていると起きてしまうほどだ
以前は嫌がっていた小児科だって、やっと平気で行くようになったけど、未だにのどを見せるときは、舌を押さえようとする先生の手を払いのける程だ
そんな長男が耳鼻科なんて・・・
でも連れていかないわけにはいかないので、長男には、「今度は耳のお医者さんに行ってみようか」 なんて明るく伝えた

幼稚園に入るまでの長男は、ほとんど病気をしたことがなく、熱が出てもたいてい一晩で下がってしまうので、様子を見ているあいだに治ってしまうことが多かった
だから、長男にとって病院は、予防注射をするところだと思っていたらしい
長男の嫌がり方はとても激しく、病院の駐車場についたところから始まり、車から降りようとしない
だから長女を診てもらうから付いてきてねと嘘を言ってなんとか病院内に入れるということがいつものことだった

ところがそんな長男も、幼稚園に入ってから次々と病院のお世話になるようになって、注射をするところではないんだとわかってきたらしい
最近では、ひとりで椅子に座って診察を受けられるようにもなった
ただし、のどを診られるのだけは嫌らしいけどね
そう言えば私も、中学ぐらいまで、のどを診てもらう度に、「おえっ」 ってなってたっけ(笑)

話がそれてしまったけど、ここのところの病院通いが功を奏したのか、その日のうちに長男を耳鼻科に連れて行くことにした
診察はなんとかひとりで椅子に座り、先生の手を払いのけようとする手は、看護婦さんに押さえつけられながらなんとか終えた
先生は一通り診て、次の患者さんを呼び、長男は、看護婦さんに別の椅子に座らされて、機械の前でなにかさせられていた
させられたと言ってもじっとしているだけで、何かデータでもとっているのだろうか、画面には緑色の線が動いているのがチラッっと見えた
画面を興味深そうにのぞいて、じっとしている長男を見ながら私は、「この子も病院で言われたと通りに出来る子になったのね」 なんて感心していた
それが終わるとしばらく診察室内の長椅子で待たされた

実は私自身、耳鼻科にかかったことがない
学校の耳鼻科健診ぐらいでしかお世話になったことはない
だから一体何をされるのか、もう診察は終わったのか? ここでこうして待っていていいものなのか? 一体これから何が始まるのか全くわからないまま、でも長男に不安を感じさせないように気を使った

数人の診察が終わった後、名前が呼ばれた
長男はベットに寝かされ、手に何か装置をつけられ、耳には黄色の液体を流し込まれた
2,3分なら長男もじっとしていられるだろうと思っていたのに、なかなか終わらない
パパが仕事を終わるのを待って、診察時間が終わる20分前ぐらいに耳鼻科についたので、長男がベットに寝かされている間に、最後の患者さんの診察も終わり、6時を知らせる時計がなった
先生も看護婦さんも一言も話さず、静まり返った診察室で、私は長男に付き添っていた
そのうち長男は小さな声で、「パパの所に行きたい」と言いだした
とても不安そうに・・・
パパはその頃、待合室で眠っている長女を抱いていた
つまり、長男は「もうやめたい」と言いたかったのだろう
私だってこんな静けさ耐えられないよ

やっとのことで終わったのは10分ほどたっていただろうか
看護婦さんが、「じゃあ、お母さんがお子さんを抱っこして座って下さい」 と言った
ん? イヤな予感・・・
私だってちゃんと育児書で、中耳炎のことは調べてきた
鼓膜を破ってその奥に溜まっている膿を出す・・・
私が体を押さえ、看護婦さんが頭を固定するように押さえ、そしてもう一人看護婦さんが両手を押さえ・・・
子供ってじっとさせられるのが一番嫌いだ
そして長男は、私が今まで聞いたこともないようなうめき声とともに、「痛い」と叫ぶ、先生が持っているのは針? そりゃ痛いよ 私だってやだよ
後は膿を吸い出せば・・・ 最後に長男はうめきながら、「離してぇぇぇ」 
長く感じた数分間が終わった
終わってもしばはらくの間、長男は「痛いよぉ」と泣き叫んでいた
先生の「また明日来て下さい」 という言葉に、「はい」と答えたものの、絶対もう来たがらない長男をどう説得したらいいのか、憂鬱になった母であった

次の日は、やっぱり行くのを嫌がり、朝から耳の話になると無口になる長男をなんとか説得し、連れていくことが出来た
幸い、その日は詰めてあった綿を取り、中の膿を吸い出しただけだったので痛くなかったようだ

ほんの2ヶ月前の長男なら、泣き叫んで診察どころじゃなかっただろう
成長しているんだなぁなんて思いながら、家路についた
まだ通院はしなければならないけど、この分だと大丈夫だろう

んっ? まてよ?
たしか耳はふたつある・・・  でもまだ片方しか治療してないよ?
次の日の診察で先生に聞くと、もう片方はもう少し様子を見て、このまま腫れがひけばあの痛い思いはしなくていいらしい
でももし・・・ 考えただけでも恐ろしいよ・・・
どうか治療せずに済みますように・・・

そう願って一週間、様子を見ながらの数回の通院で、無事完治した
初めての耳鼻科通いは、こうして幕を閉じた
思っていたより長男がよく言うことを聞いてくれて、頑張ったと思う
しかし、長男はもう二度と、「耳が痛い」 と言わないかもしれない
よほど痛くなるまで多分言わないだろう
耳のお医者さんに行きたくない一心で・・・