・・・・ザザザザ・・・・ザザザザ・・・・
『・・・波、の音?』
シェリアが浅いまどろみから目を覚ますと、視界一面に緑の光が飛び込んできた。 頭を降って身を起こすと、そこは深い森の中だった。
・・・・ザザザザ・・・・ザザザザ・・・・
風が吹くと林冠部で葉が擦れ合い、波の様な音を立てる。
『ああ、さっきの音はこれだったんだ』
シェリアは立ち上がる。
シェリア:「綺麗な森・・・」
素直にそう呟いて、歩き出した。
シェリア:「どこに行けば良いのかな。まあ、いいや、歩いていれば何か見つかるかもしれないもんね」
カッ!
『!?』
突然、目の前に矢が突き立った。
?:「動くな!」
声が聞こえると同時に、後ろに誰かが降り立つ気配、そしてそのままナイフの様な刃物が喉元に突きつけられた。
?:「動くな! 人間の斥候め」
シェリアは声も出せずに、その声の主に後ろ手に縛られてしまった。 そこで初めて声の主の姿を確認できた。 そこにいたのは、皮の鎧に身を包んだ美しい女戦士・・・だが、彼女の耳は人間のそれとは違い、兎を思わせる様な大きな耳が長い髪の間から突き出ていた。
シェリア:「・・・エルフ・・・?」
エルフ:「何を今更白々しい・・・、小賢しい人間め」
シェリア:「あの、いったいこれは・・・?」
エルフ:「我らの村に毒でもばらまこうとでも思ったか? 人間は狡くて卑怯だからな」
シェリア:「あの、わたし、違います、そんな事・・・」
エルフ:「ほら、歩け! 我らが長の所まで連行する」
シェリア:「えっ? いったい、何が・・・」
エルフ:「まだ分からないか? お前は捕虜となったのだ」
シェリア:「っ!?」
シェリアはこの状況で逆えるわけも無く、エルフの女戦士にエルフの村へ連れられていった。