一台の車がやってきた。
運転手は止まっている車に座って自分を見ている少女を目で追う。
ふと前を見ると男の子が目の前に飛び出していた。
よけることが出来ず、
そのままその子は帰らぬ身となってしまった。
両親は嘆き悲しんだ。
裁判を行うこととなった。
運転手は多額の賠償金を払うことになった。
悲しみにくれていた家族にもまた男の赤ちゃんが生まれた。
歩けるくらいになった頃また再びあの事故があった場所へと出かけた。
少し大きくなった姉は車のボンネットに腰掛け道の向こうを見ていた。
父は幼い弟をあやしていた。
弟はうれしくてどこまでも走っていった。
そこへ一台の車がやってきた。
父は道の手前で弟を捕まえた。
運転手は止まっている車に座って自分を見ている少女を目で追う。
少女は微笑み、父に言った。
「今よ!」
車は急に飛び出してきた男の子をよけることは出来なかった。