『星の王子さま』

“LE PETIT PRINCE”1946

サン=テグジュペリ 作/内藤 櫂 訳/岩波書店

 フランスの飛行士兼作家のサン・テグジュペリが、

第二次世界大戦さなか、22歳年長の友人であるユダヤ人ジャーナリスト、

レオン・ウォルトに贈った物語です。


 子供向けにかかれた童話のようなイメージがありますが、

 作中、バオバブの樹のエピソードをとおして語られているとおり、

 当時の戦争を引き起こした支配者たちへの激しい批判が込められています。

 著者自身、優しさと感受性に富んだ、子供のような心の持ち主ですが、

 反対に、ニーチェやサルトルに深く傾倒する、厳格な人格者として一面も、

 兼ね備えていたそうです。

『星の王子様』以外にも、『夜間飛行』『人間の土地』他、著作多数ありますので

興味のあるかたは、是非、そちらもお読み下さるようおすすめします。


『みどりのゆび』

“TISTOUT LES POUCES VERTS”1957

モーリス・ドリュオン 作/安東 次男 訳/岩波書店

 こちらも、いかにもフランスの物語にふさわしく、

 繊細で、美しく、詩の世界のような作風でかかれています。


 生まれながらに“みどりのゆび”をもつチトは、心優しい天使のような男の子。

 学校の勉強にはなじめませんが、庭師のムスターシュさんにおそわり、

ゆび一本で、町中を花や緑でいっぱいにしていきます。

 学校も、牢獄も、戦車も、全部です。

結末は少しもの悲しいですが、シンプルで、いつまでも心に残るメッセージは、

 大人になってからも忘れたくない、大切ななにかを教えてくれるでしょう。

余談ではありますが、著者ドリュオンも第二次世界大戦のドイツ支配下の祖国で、

自由と平和のために戦った勇敢な人物であったそうです。

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Akira Akaza
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