第1章 はじまり
「じゃあ行ってくるよ。元気でな」
最後の抵抗と思って加代は玄関口で濃厚なキスをしようとした。
「悪い。時間もないからもう行かなきゃ。電話するからな」
そういって、加代の体から離れていってしまった。
「あなた…」
加代はその場に崩れてしばらく何もする気も起きなかった。外で同僚が迎えに来ていたのだろう。車が走り出す音が聞こえた。
夫とは大学時代に出会い、卒業と同時に結婚した。収入も良いし、何不自由なく生活させてくれる夫に加代は満足していたはずだった。しかし、いつの頃からか夫は自分のことを抱いてくれなくなっていた。夫は浮気しているのかもしれない。そう気づいたのは1年前であった。その頃から夫婦の会話は途絶えもはやそこには形式上の夫婦でしかなかった。事実、夫が仕事で帰れなくなった言う次の日には必ず同じ香水の香りがした。確信したのは携帯に掛かってくる電話だった。夫の声は明らかにうわずり、そして受話器からは女の声が漏れていた。今回の単身赴任でも私は家で留守番。どうせあの女とでも行っているんだろう…そう思っていた。
加代は悶々とする気分の中、立ちあがると居間のテーブルの上に置いてあった携帯を手に取った。特になんの当てもない。ふと朝刊の週刊誌の広告に「出会い系サイトにはまる人妻達!!」というのが載っていたのを思い出した。
(ふん。あほくさ!そんなことあるわけないじゃない。)
特に期待をするわけでもなく、加代は暇つぶしに出会い系サイトを探索することにした…
いつもはこんなことしないのに…。
出会い系の掲示板を次々と探しながら頭の中でその男のことを想像していた。
(広告に載っていたのはこのことだったのか…。これははまる人がいても不思議はないわね…)
加代は冷めた様子で次々にサイトを見ていった。おもしろ半分に何件かにメールを送ってみたりした。
10個ぐらいのサイトを覗いた頃だろうか、加代は掲示板の中に
「雌奴隷求む
http://〜〜
このサイトを見てメール下さい けん」
というものを発見した。
これが加代にとって初めてSMというものに触れた瞬間だった。加代は胸の鼓動を止めることができなくなってきていた。
(なんでだろう…別に会うわけでもないのにすごく緊張する…。)
震える手で、HPを開き、すべてのページを読んだ。加代は好奇心でいっぱいになりメールしようとした次の瞬間、携帯がけたたましく鳴った。夫からの着信だった。
「もしもし」
加代は動揺を隠しながら電話に出た。
「あ、俺だけど、空港着いたから。それとさっきはごめんな…」
加代は内心ほっとしていた。
(夫はまだ自分のことを愛してくれている。)
「ううん。私の方が悪かったの。気をつけて行ってきてね。」
電話を切ってからしばらく夫に申し訳ない気持ちになった。夫は愛してくれているのに私は何をやっているんだろうか…。危なかった。夫からの電話があと1分でも遅れたらメールしてしまっていただろう。
今日も一日がんばろう、という気になって掃除洗濯を済ませて買い物に出かけ、いつもと同じ生活をすることにした。ただ一つ夫が帰って来ないと言うだけであとは変化のない一日を過ごした。
(そろそろ寝ようかしら…。)
加代はいつも着ている薄いピンクのネグリジェに身を包んでベットに滑り込んだ。明日からなにをしようかと考えながら、寝るつもりだったが夫のいないダブルベットに一人で寝るのはやはり苦痛だった。ゴロゴロしているうちに今日はなかなか寝れないことに気付いて、居間にあるウイスキーを飲むことにした。
いつも眠れない夜はそうやって酔ってから眠るのが加代の日課になっていた。ウイスキーグラスに氷を入れ、ウイスキーをいつもと同じぐらい注いだ。口に含み、胃に注ぎ込んだ。食道が燃えるように熱くなる。そして一呼吸おいてから大きく息を吐いた。
(世間の夫婦は今ごろ何をしているんだろう…。)
セックスはもとより加代には夫婦の会話さえいとおしくなってきていた。
(もうあなたはロスに着いているんでしょうね。私はいつもと同じ生活を過ごしているわ。ただ違うのはあなたが横にいないだけ…。さっきの電話は本当にうれしかったわ。あの時私はいけないことをするところだった…。)
加代はグラスを置いて携帯を見つめた。そしてさっきの掲示板を思い出していた。
(あの小説みたいなことを私にされたら…。)
加代は突然胸の中が熱くなるのを感じた。縛られて、いたぶられ、快楽と痛みに耐えている自分の姿が頭の中で回っていた。
(されたい…。)
酒のせいか気がつくと加代は大胆になっていた。
自然と胸に手をやった。
「あふっ…」
乳首を自分の指でつまんだ瞬間思わず声が出てしまった。
(いけない…)
加代は誰かに聞かれてはいないか心配になって、すぐに誰も家の中には誰もいないことに気がついた。
右手をパンツの中に押し進めた。
(私…もう濡れてる…。)
指先がクリ○リスに触れた瞬間、快感が体中をめぐった。
もう1年近くセックスをしていないんだから無理もない。
「あぁ…いい…」
誰もいない部屋で加代の声が反響する。
「はぁ…あぁ…イクゥ」
クリ○リスを軽く数回擦っただけで、加代は達してしまった。
加代はしばらく身動きが取れなくなった。そしてなんともいえない寂しさと空虚感が加代を襲った。
(私…実は…Mなのかもしれない…)
そう思った時には自然と手が携帯に伸びていた。
初めまして
加代と申します
自分がMなような気がしてきました
でも会うのは怖いので初めはEメールで調教してもらえませんでしょうか?
震える手で書いたメールを送信した後、加代は少し後悔の念にとらわれた。
(私は何をしているんだろう…。これじゃあの広告に載っていた淫乱人妻と一緒じゃない…)
加代は氷で薄まったウイスキーを再び口に含んだ。今度はすんなりと胃の中に流れていった。
メールを送ってどれくらい経ったのだろうか携帯のメール受信音が部屋中を響き渡った。心臓が破裂しそうなくらいドキドキする。震える手で携帯を開いた。
初めまして
メールをありがとう
けんです
パソコンのメールじゃなかなかすぐにはメールできないので携帯の方にメールして下さい
……@〜〜
ここにどうして自分がMだと思ったのかを報告しなさい!
意外と普通のメールだった。しかし、酒と性欲に一度溺れた加代にはもはや判断する力は残っていなかった…
(もう後戻りはできないわ…)
加代は携帯のアドレスにメールを書き始めた。
メールありがとうございました
掲示板であなたの投稿を見てさらにホームページを見ていていいかなと思いましたが、
自分はMじゃないと思いメールしませんでした。
でも…
でも気がついたらあなたに縛られて厭らしい事をされている自分を想像していました。
そしていつのまにかオナニーをしてしまいました。
私をあなたの牝犬にして下さい。
お願いします。
酒のせいか、それとも加代が本当は最初からそうだったのか、いつのまにか加代はとても大胆になっていた。今度は携帯にメールしたため、返事も早かった。
それならば怖がる必要はないよ。
俺をご主人様だと慕うことできるね?
まず洗濯バサミを用意しなさい!
用意できたら洗面台の鏡の前で全裸になりなさい。
全裸になったら洗濯バサミを乳首につけてごらん。
痛いかな?
もし耐えることが出来なかったら奴隷失格だからもうメールしなくて良いよ
加代は言われた通り洗濯バサミを用意して洗面台の前に立った。いつも見ている裸なのにけんに見られているような気がしてものすごく恥ずかしくなっていた。
(はぁ…私…どうしてこんなに…恥ずかしい…)
ネグリジェを思いきって脱いだ加代は恥ずかしさのあまり体全体が赤くなっていた。ブラのホックを外し、ゆっくりと脱いだ。結婚当初は夫がよく愛してくれたたわわな乳房だったが、今の加代には夫のことを考えている余裕はなかった。
(はぁぁ…もう…)
洗面台の前で加代は体中を差恥感で真っ赤にしながら立っていた。
露わになった乳首に洗濯バサミを軽く当ててみた。今の加代にはなんでも感じるのであろう。
「あぁ…」
声がいつのまにか出ていた。
(これを付けたら痛いに決まっている…。)
しかし加代の体はさらなる快感を求めていた。それが痛みであっても…
勇気を出して片方の乳首に洗濯バサミをつけた。猛烈な痛みとともに体の奥底が痺れるような感じを受けた。
(痛いけど…なんだか…不思議な感じ…)
痛みと快感が交叉する。これを加代は求めていたのかもしれない。もう加代のそこは後から後から液体が溢れ出していた。
もう片方の乳首にも洗濯バサミを付ける。不思議と今度はあまり痛みを感じない。
加代は再び携帯を手に取った。
言われた通り洗面台の前で全裸になって両方の乳首に洗濯バサミを付けました。
痛いけどご主人様のご命令と思って我慢しております。
次は何をすればよろしいでしょうか?
返事はすぐに返ってきた。
良く出来たな!
でも感想をもっと克明に書きなさい。
俺が欲情するような文章でな。
次は洗面台の上に両方の足を全開にして座りなさい!
鏡に自分のオマ○コをうつして様子を報告しなさい。
まだ触ることは許さないからそのままの格好で次の命令を待ちなさい。
加代は命令通り洗面台に登った…全裸で洗面台に座るなんて加代には今まで経験のないものであった。恥ずかしさがこみ上げてくる。
そっと両方の足を少しずつ広げてみた。鏡にはオマ○コがあられもない姿をしていた。洪水のように溢れ出しているのである。
加代は夫に対する背徳感とこれからに対する好奇心が入り混じった状態でメールを打ち始めた。
加代です。
鏡の前で大股開きになっています。
オマ○コはもうすでにぐちょぐちょになっています。
色はピンクです。
早く触りたいです。
ご主人様ご命令をお待ちしております。
今までこんなメールを書いたことは加代にはなかった。それなのにいくらでもいやらしい言葉がメールを打つ指を勝手に動かす感じがした。
(なんか…はまりそうな気が…する…)
不思議なことに加代は、自宅の洗面台の上で両方の乳首に洗濯バサミを付け、大股開きになっている自分をかわいいと思った。どうしてだか分からない。こんないやらしいことをしているのにたまらなく自分がいとおしい。
再びメールの受信音が誰もいない部屋に響く。
よくできた。
オマ○コがすごく濡れていそうだがまだ触らせない。
次はいつも顔を洗っているその洗面台で小便をしなさい。
嫌ならしなくていい。
その代わり奴隷失格だからな。
メールを見て加代はドキッとした。夫も毎日顔を洗い、歯を磨いていた所である。そこにけんはおしっこをしろと言う。
(それは…できない…でも…ご主人様に見捨てられるのは…)
加代は洗面台の上で大股開きでおしっこをすることを命令されていた。しかし加代は罪悪感にさいなまれていた。
(毎日顔を洗うところでそんなこと…)
しかし今の加代にはその罪悪感よりも好奇心の方が上位にあった。
加代は次の瞬間、意を決して下腹部に力をこめた。
じょーっという音が部屋中に響き渡る。酒を飲んでたせいか尿量は多く、なかなか止まらない。加代はその罪悪感と恥ずかしさで目を開けられなかった。しかし、その行為が余計けんに見られている気がしてもうどうしようもない気分になっていた。
(落ちるところまで落ちたわ…)
加代はそう感じていた。
ようやく尿意もおさまり加代は目を開けた。
鏡の前には大股開きになっている自分がいた。下腹部の薄い毛も尿のせいで濡れていた。洗面台から跳ね返ってきたのであろう雫が大腿部をつたっていた。
しばらく放心状態のあと、加代はご主人様に報告しなければいけないことを悟った。
加代です
ご命令通り鏡の前で大股開きになり、おしっこをしました。
恥ずかしさで目を開けることが出来ませんでした。
これでもう心まで奴隷になったような気がしました。
次は何をすればよろしいでしょうか?
加代は精一杯のことをメールに書いたつもりだった。しかし、けんからの回答は冷たかった。
失格だな!
おまえには失望したよ。
目を閉じていいなんて誰が言ったんだ?
おまえはまだ自分の立場が分かっていないようだな。
俺に分かるように報告するのが奴隷の役目だろう?
(…どうしよう…ご主人様が怒ってらっしゃる…)
加代は混乱した。もう連絡が来ないかもしれない。そう思った時、加代は意外な行動に出た。
(もう一回しよう…)
酒のせいか加代は自分でも信じられないほど淫靡になっていた。
(もう一回すればご主人様も許してくれるかもしれない…)
今度は目を大きく見開いて挑戦してみた。再び淫靡な音が部屋中に響き渡る。しかし今度は尿量が少ない。勢いが弱くてほとんどが加代の大腿部に流れてしまった。
鏡にそのすべてが映る。
加代はあまりの恥ずかしさに再び目を閉じそうになった。
(いけない…ちゃんとすべてを見なきゃ…)
尿口から黄金色をした液体が勢いは弱いながらも後から後からこぼれてくる。
そして部屋は静寂を取り戻した。
加代です
申し訳ありませんでした。
ご主人様のメールの後、反省してもう一度挑戦しました。
今度はしっかり目を開けてしました。
オマ○コの前の方から黄色い尿がふとももをつたっていきました。
今度はしっかり出来たと思います。
ご主人様、どうか加代を見捨てないで下さい。
お願いしますご主人様お許し下さい。
加代は、自分でもなんでこんなにけんに懇願しているのかが分からなかった。たかがメール。そう言う気持ちも確かに加代の中にはあった。少し醒めた自分と、もっとして欲しいという欲求の中、加代は不思議とメールが来るのを少し心待ちにしていた。
しかし今度は待てども暮らせど返事は来なかった。加代は涙が出そうであった。
(ご主人様はもう私を捨ててしまった…。私はこんな格好をして鏡の前にいるのに…)
加代はどうしようもない不安感と絶望感でそこから降りることさえ忘れていた。そしていつのまにか加代の頬には涙がこぼれていた。
すべてが終わりを告げたと思ったその瞬間、受信音が響き渡った。
加代は心臓が飛び出しそうなくらい緊張して携帯に手を伸ばした。
加代!
反省はしたかな?
加代には俺だけの従順なメス犬になって欲しい。
出来るかな?
もし加代ができると思うのであったらまたメールしてくれ。
メールは紛れもなくけんからであった。加代は喜んだ。けんのメールの駆け引きに完全にはまってしまったのである。この空白の時間の間、加代は本気でけんの奴隷になりたいと思ってしまった。
加代は喜びのメールを打った。
加代です
ご主人様先ほどは失礼致しました。
もう加代はご主人様なしでは生きて行けません。
どうかもう一度チャンスを下さい。
お願いします。
従順な奴隷になります。
なんでも致しますから…
ご主人様、どうか加代を見捨てないで下さい。
お願いしますご主人様お許し下さい。
加代は精一杯嘆願した。
返事は意外と早く来た。
安心したよ
もう余計なことは考えないでくれよ
オマ○コを両手でめいっぱい開いて様子を報告しなさい。
加代は命令通り両方のひだを思いっきり開いた。
赤く充血した粘膜が鏡を通じて見ることが出来た。
(私はなんていやらしい事をしているのだろう…)
加代はメールを精一杯の言葉を使って打った。
加代です。
加代のオマ○コは真っ赤に充血してます。
後から後から汁がこぼれてきます。
洗面台にも滴り落ちています。
ご主人様に早く触って欲しそうに蠢いています。
次は何をすればよろしいでしょうか?
受信音がすぐになる。
今日は特別にオマ○コを好きなだけ触らせてやる。
指を三本入れてこねくり回し、今までないぐらいに激しく擦りなさい。
イクときはご主人様イカせて頂きますと声に出して言いなさい。
加代は命令通りに実行して果てた…
これが加代の奴隷生活の“はじまり”になると言うことも知らずに…