ーご主人様に初めて直接…
加代は目覚めてからそわそわしていた。会うと約束した日。それが今日に当たる。実は昨晩はあまりよく寝れなかった。ちょうど遠足の前の小学生のように緊張と好奇心で頭の中を次の日のことで一杯にしていた。
テーブルに座っていつもと同じ朝食をとる。しかし、食べ物がうまくのどを通らない。無理して食べると吐きそうな感じさえする。トーストを二、三回かじった後、皿に置く。熱いコーヒーを口に含み、胃の中のものが逆流しないように押し込む。
(こんなに緊張することならやめておけばよかったのかも知れない…。)
加代は朝食をそこそこにシャワーを浴びようと立ち上がった。初めて会う人に肌を見せるわけだから、綺麗にしておきたい。昨晩も念入りに体の手入れをしたつもりであったが、それでもやはり不安だった。どうせ会うなら気に入ってもらいたい。加代はそんなことを考えながら、脱衣所に向かった。
今日はひどく寒く感じる。気温が低くないとすれば緊張から来たものであろうか…。寒さに身を震わせながら、加代は全裸になった。いつもと同じことをしているだけなのに今日はまるで誰かにのぞかれているような感さえある。浴室に入ると余計寒く感じ、鳥肌が立っているのが分かる。毎日そうだが、シャワーが温まるまでの時間が一番寒く感じる。冷たい水が壁に跳ね返ってきて加代の寒さを増進させる。
湯が程よく温まった所で加代は頭からお湯をかぶった。自慢のストレートの黒髪を流し、顔をぬぐう。
(後でホテルでもう一度シャワーを浴びるのかな…)
加代がシャワーを浴びている同時刻、けんこと谷野健二はようやく目覚めた。谷野は緊張を少しも見せずに朝食のテーブルに向かった。今日は念願の人妻とのプレイだ…。今日のプランはどうしようかとそればかりを考えながら朝食をとった…。
©Chris
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