餃子屋のその後

2000年12月初旬,ほぼ1年ぶり、正確には一四ヶ月ぶりに麗江に行った。

社長のお供で行った。

黒龍潭公園(玉泉公園)の側の餃子屋にまた行った。

素朴ないい味を出していたじいちゃんとばあちゃんに会いたくて。

 

え〜っと、確かぁ…、黒龍潭公園に行く手前、この道を左に入って…、

右手の並びの数軒目の…,餃子しかない店…(記憶を頼りに店を探す)

 

あれ?

 

見つからない?確かにここなんだけど…

とりあえず、「北方餃子」の看板のある店に入る。他の二軒に、餃子はない。

間口や家の作りは同じだけど、テーブルの高さも同じだけど…

黄色い下司なテーブルクロスがかかっている。メニューがやけに多い。

店を切り盛りしてるは若い夫婦。じいちゃんもばあちゃんもいない。

餃子を頼んだら、まず、キャベツの漬物と唐辛子の漬物がお通しで出てきた。

店の隅には、食器消毒用の電気の入ってないガラスのケース。

この店構え、この餃子の味、確かに去年と同じ場所にいるのに、同じ店じゃない。

 

私  :この店、去年はおじいちゃんとおばあちゃんがやってたよね?

店の人:そうよ

私  :おじいちゃんとおばあちゃんはお元気?

店の人:不知道(知らないわ)

 

知らない?とするとこの2人はおじいちゃん達の娘、息子夫婦じゃないの?

この餃子の味は、確かに去年と同じものなのに…。

おじいちゃんとおばあちゃんはどこに行ってしまったんだろう?

店の隅に詰まれた、現役を引退したガスコンロのように、

世の中から忘れ去られてしまったのだろうか。

それとも、納西古樂隊の創設当初のメンバーのように,

黒ブチの額に入れられ、遺影だけが残っているのだろうか?

 

私  :ビールちょうだい。麗江ビールね。麗江ビールだよ。

女将さんが、隣の店(?)にビールを買いに出る。

戻ってきて、私に告げる。

店の人:お客さん、麗江ビールはもう製造してないだって、どうします?

私  :じゃあ,なんでもいいわ。とにかくビール。(社長の注文なもんで)

 

旦那さんは、幾つも並んだコンロの前で,麗江名物“砂鍋飯”(釜飯)を炊いている。

この“砂鍋飯”一つ6元と、街中より一元高い。

あ、そういえば、この餃子,いくらなんだろう?

値段聞くの忘れた。(中国では、注文する時に値段確認しないといけないのに)

 

私  :お会計、いくら?

店の人:21元です。

私  :えーっと、21元というのは…?

店の人:餃子が5元、それが二つ、ビールも5元、あと“砂鍋飯”が6元。

 

ああ、やっぱり。

餃子が去年より格段に高くなってる。ビールも。

たった1年だけなのに、時の流れを感じた。

去年,餃子を食べたあの店は、もう存在しない。