「僕/Part3」


天気がいい昼下がり お日様がここぞとばかりに
あたり一面に光を照らしている。


ただ僕は その柵の外に出たかっただけなんだ。

一人で外にいて 野原で見つけたモンシロチョウを
追いかけたかっただけなんだ。

あの小さくて かわいく飛び回るモンシロチョウを
追いかけたかっただけなんだ。

どんどん追いかけていくと 目の前に柵があり
トゲトゲした鉄の線が張り詰めていた。

モンシロチョウはその柵をするりと抜け
何もなかったかのように飛び続ける。

僕はどうしても追いかけたくて
その柵を這い上がろうとした。

「そこの子供!止まりなさい!」

どこからか知らない人の声が聞こえた。
でも僕はモンシロチョウを追いかけたかったから
聞く耳持たないでその柵に手をかけた。

「いてっ!」

僕の手にトゲトゲした鉄の線が刺さり
紅く夕日のような液体が刺さった傷口から
ドクドク流れ出した。

・・・・熱い。

でも気にせず僕は追いかけた。

「誰か奴を止めろ!!!」

その声はどんどん大きくなり 複数になり 途中まで柵を登った僕を
大人が大勢で引きずり落とそうとする。

『邪魔するなよ!僕はあのモンシロチョウを追いかけたいだけなんだ!』

その声は大人達に届かないのか 僕の身体を地べたに叩きつけ
両手と両足を太い紐で縛り口にはグルグル巻いた布を押し当てられた。
そして紐に棒を潜らせ 大人4人が僕を担ぐ。

「ダメじゃないか!こいつは大事な食糧なんだ。いいか!明日はこいつの番だからな!」

僕は次の日のお日様を見ることは出来なかった。