『部屋』その1


....気づくと、そこは全てが「白い」部屋だった...。

「天井」も「壁」も「床」も何もかもが雪のように「真っ白」だった。
...空気が重い。少し肌寒い...。本来は吐く息もこの寒さなら見えるはずなんだろうけど、

全てが白い部屋では全く見えない。


...今日が何月何日か分からない。いったい自分がどこで・どうしてこの部屋に

たどり着いたのかすら分からない。境界線の無い、全てが真っ白な世界は、

どんどん私に圧迫感を与える...。


...どのくらい時間がたったんだろう。やっとの思いでこの部屋の「壁」を見つけて、

その壁に寄りかかりながら座り、ポカンと口を開けたまま白い「天井」を眺めた.....。

その天井はどこにも傷らしいものも一切見当たらず、つなぎ目も全く無い白い天井...。


『どうやったらこの部屋から出れるんだろう?』


その問いかけも、この白い空間は何も語りかけず、冷たく静寂を保っている。



どのくらいの時間がたったんだろう...。朝も昼も夜もない、この白い空間。目を閉じても

真っ白な残像がまぶたの裏に残る...。静寂だけど、耳の奥底でこの空間に耐えられず、

悲鳴を上げている...。


少し考え方を変えてみた。

私は常日頃から、現実社会から抜け出したかった。毎日同じ時間、同じ仕事、同じ上司といるのが

どうしても耐えれなかった。いつか、こんな世界から逃げ出したいと思っていたのかもしれない,,,。

.......だから、いつのまにかこの部屋にたどり着いたのかもしれない。

ずっと思っていた。ごみごみした社会から、ガヤガヤうるさいこの街から、付き合いきれない大人たちから...。



........心の奥底で、全てなにもない、この白い部屋に着たかったのかもしれない...。


私はこれからもずっとこの部屋にいるのだろうか...。もう現実世界に戻らなくていいのだろうか...。

...でも、一つだけ思う。


「私がここで生きる理由はあるのだろうか?」


......................。