Vol.24 憎っくきアブラムシ

 前回のコラムで、イタリアン・パセリがアブラムシにかなりやられてしまったということは報告した。アブラムシ。こいつはがめつい奴で、やわらかい葉や芽にたかって、養分を吸い取ってしまう。乾燥した天気が続くと、どどどーっと増える。葉の裏や茎にびっしりたかったりしているのを見ると、もうほんとうにゲンナリする。予防策としては、アブラムシがつきやすいパセリやバジルなどは、葉裏にも霧吹きなどでたっぷりと水をやる。多少の被害のときには、倍くらいに薄めた牛乳を吹き付けて窒息死させてからふきとるときれいになる。びっしりついてしまったら・・・。わたしは捨てました。泣く泣く・・・。想像してみてください。買ってきたほうれん草や小松菜に、びっしりとアブラムシがついていたらどうします? 「あら、無農薬の証拠だわ。洗えば落ちるし」・・・とすんなり思えます? 

 ここは団地の4階で、虫の被害は少ない。・・・はずなのに、今年のアブラムシは「異常発生」と言いたいくらいのすごさ。たくさん花を咲かせたパンジーの最後もアブラムシまみれだった。室内で越冬させて花を咲かせてしまったパセリも、種をとる前にアブラムシにやられた。はっと気づいたときには手遅れ・・・という事態に、しばらくは呆然とするしかなかった。一度は、そのビッシリに牛乳攻撃をかけてみたが、どうにもならなかった。パンジーもパセリも、鉢から抜いて広告紙に包んで処分した。土も全部捨てた。いつもは再利用する鉢底石も、今回はそういう気分になれずほとんど捨てた。アブラムシごときに、すっかりやられてしまったというわけだ。

 植物に最初のアブラムシを運ぶのはなんだそうだ。だから、蟻は園芸愛好家の敵ということになる。で、団地の4階だというのに、わたしのベランダにも蟻がチョロチョロしていることがある。サンダルで思いっきり踏みつぶしながら思う。蟻よ、こんなところまで登ってこなければ、死ななくてすんだものを・・・。まったくどこから来るんだ・・・。

 とまあ、さんざんな夏を過ごしたわけだが、とある知り合いから、今年は農家でもアブラムシに頭を悩ませていると聞いた。うーむ。プロの作物までねらっているのだから、今年はやはり異常発生の年なのかもしれない。

 パセリでひどい目にあったので、小さいころのバジルにはずいぶん手間をかけた。おいしい夏を過ごすためには、バジルに全滅されては困るのだ。ある程度育つと、バジルはアブラムシごときには負けないハーブである。多少たかっていても、あの鮮やかな緑を失うことはない。バジルを楽しめるのは一時なので、せっせと摘んで、どんどん食べる。水をためたボウルのなかで振るように洗うと、多少のアブラムシならだいたい取れる。あとは葉を一枚一枚流水で洗う。バジルのためなら・・・である、まさしく。

 今年は、一念発起して、網戸のなかった窓には新しく網戸を設置し、何年かたってしまったものは網を張り替えた。風呂に入っていて巨大な蛾に襲われることもなくなったし、トイレの窓からひっきりなしに侵入してくるハエに悩まされることもなくなった。やれやれと思っていたら、ベランダが虫の猛攻を受けてしまったというわけ。大好きな夏の、唯一の難点、虫。こればっかりは、永遠に繰り返されるのだろう。ハラをくくって、闘いつづけるしかなさそうだ。

(2000年8月)

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