Cさん、お部屋で待っていますね。


〜「自尊心」を傷つけない介護をするために〜







以前勤務したフロア―は、お元気な方も多くおむつ使用も昼間なら3分の1ほどと言った感じでした。

お元気な入所者を見るのはうれしいことでしたが、そんな元気な方々にレベル低下が見られるようになると、職員はとまどいを感じるのでした。



Cさんの場合もまさしくそうでした
Cさんは車椅子を使用。
当初は不自由な半身をうまくかばってトイレで排泄されていました。
ちょっと危なげな感じではありましたが、こちらが手を出そうものなら舌打ちされ、言語障害で言葉少なな状態であるのに「やあ〜〜〜」と思いっきり嫌そうな態度をとられるのでした。
職員である私たちは、Cさんをずっと暗黙のまま見守りました。
私たちに手をかけられないことだけが、Cさんにとって唯一のがんばりだったようです。



そんなCさんも歳を重ねられ、排泄失敗が目立つようになりました。
最初、失禁したらパンツを交換するという行為が見られたのですが、だんだんぬれたパンツを交換することすらされなくなりました
Cさんの中で「尿意」が感じられなくなってきていたのかもしれません。
スタッフ間の話し合いで、Cさんにはもうトイレでの排泄は難しく、尿意さえも感じなくなってきているため「おむつ」使用を進めて見ようかという話になりました。
私たちの長い期間の見守りももう限界だったのです。



しかし、いざCさんのおむつを勧める段階になって私たちは戸惑いました
職員に身体に触れられることすら嫌がられるCさんが、果たしておむつを受け入れられるだろうか??と。
先輩寮母がCさんにおむつ使用の話をしました。
最初抵抗されていたCさんは、なんとか納得されおむつ使用が始まりました。
その後、おむつ交換のたびに私たちは苦労しました。
おむつ交換というメインの仕事をするまでに、毎回毎回「Cさん、おむつを替えさせてもらえますか?」という説得から始まるのです。
Cさんの自尊心を傷つけずにおむつ交換をする方法を職員は頭をひねって考え、失敗も繰り返して職員間の情報交換も続けました。
日中はほとんど車椅子に座られ、食堂の隅でTVを見られるのが趣味のCさん。
そのCさんにさりげなく声をかけ、居室に帰っていただきベッドに横になっておむつ交換のできる状態になっていただくために、私も頭をひねって考えました。
その中で私なりにあみだした方法はこうでした
おむつ交換よりも、少し早めの時間に話をするのです。
「Cさん、ちょっとだけおむつを見せてもらってもいいですか?先に行ってお部屋で待っていますね」
Cさんはかなりせっかちな方でしたので、こちらの対応が遅れるとへそを曲げられるのです。できるだけすばやい対応をとることが、Cさんには大切なことのようでした。私は先回りしてCさんの居室でCさんの到着を待ち、できるだけ早くCさんのおむつ交換を終えました。
もちろん、この方法でも何度でも失敗はしました。(Cさんの機嫌が原因だったり、私の訪室ののタイミングが悪かったり)



自尊心を傷つけずに介護をするというのは、本当に難しいことです。
「自尊心」というのはちょっとしたことでも傷つけてしまうものだし、傷つけてしまうとすべてに関して否定されるような思いを抱かれる入所者も少なくないと思うのです。
ともすると、ただ走りまわっているようにしか見えない「介護」の仕事をしている私たち。
精神面の披露も想像以上に大きいのです。
やはりこの仕事は好きではないとできない仕事のようです。








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