言葉の障害


〜おりりんの体験から〜







人間は、左脳に障害をきたすと右手と言語に支障をきたします。

私は始めてこの事実を知ったときに「なんて、残酷な事だろう!」と思いました。
右手と言語を失うと言う事はどういうことなのか??
右手・・・多くの人が利き手としている方の手、ほとんどの作業のメインはこちらの手で行っている。右利きの人の場合、この右手を失うということは、いかに苦しみであるか。

試しに、右手を休ませて左手でコーヒーを飲んでみてください。字を書いてみてください。本をめくってみてください。(利き手逆の方は逆の手で)もどかしいでしょう?つらいでしょう?この不自由さがよく理解できると思います。

それに加えて言葉が出ないのです。
左脳では、口から出る言葉のうちの「音」しか出ません。右脳にその音を伝え、右脳がそれを言葉にして(詳しい仕組みは、詳しい医学書でも読みましょう・・・)口から「言葉」が出る仕組みになっているからです。右脳に障害をきたすと右脳は働きができず、結局言葉らしき言葉は出なくなってしまうのです。



私の職場にも、そんなお年寄りが少なくありません。脳梗塞、脳卒中の後遺症などでそう言う障害を持たれた方です。

以前勤務したフロア−のYさんの言葉は、すべて「ののの・・・」です。ジェスチャーと表情は大胆に表現してくださるのですが、言葉は「ののの・・・」
新人の私は、最初どうしても彼女の言っていることがわかってあげられず彼女を落胆させてしまいました。そして自分自身も「私は、なんて力がないんだろう」「なんで、彼女を理解してあげられないんだろう」と、大ショックでした。

ところが彼女と付き合う時間が長くなるにつれてわかってきたのです。{付き合う時間が長くなればなるほど、彼女の言葉が理解できるようになるということ}
やはり、複雑な要求は理解できない事もありましたが、彼女と付き合った4年間のうち、最後の半年くらいは彼女の言っていることのほとんどがわかるようになってきたのでした。

新しいフロア−で、同じ状態のYさんやHさん、Sさんにも出会いましたが、私はYさんの時と同じように、時間をかけて彼女たちの言葉が聞き取れるようになってきました。



人は心が通じ合うのです。言葉はそれはそれは大切な伝達手段だけど、心で伝えられる言葉もあるのです。
「以心伝心」・・・心から心に伝わる事福祉を考える上で、重要な事かもしれません。基本的な事かもしれません。








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