お人形さんを通して見る「母性」


「抱き人形」を抱くお年寄りのこと







(この仕事につく前に)実習や見学で訪れた老人ホームで、よくお気に入りの人形を抱くお年寄りに出会いました。
それはほとんどが女性で(私の知る限りでは)いとおしそうに、まるで我が子のように人形を抱くその姿が、可愛らしくも見え少々不思議な感じにも受取れました。

今,私の職場にも2人、人形を抱いている女性がいます。
IさんとOさん(どちらも80代)
Iさんは私が今のフロア−に来た時にすでに「まなちゃん」と称する抱き人形を大事にされていました。
お人形の「まなちゃん」はIさんの娘さんそのものでした。
いつもIさんと一緒です。
いつか職員が
「一緒にお風呂に入る?」
と誘ったところうれしそうに返事をされ、2人仲良く「機会入浴」をされたと聞きました。
食事の時には、まなちゃんに口移しで食事を与えられることがあって、まなちゃんの小さな口に食べ物がつまっていることも珍しくありません。

いつもいつもいとおしそうにまなちゃんを抱くIさんの姿はまさに「母」そのもの。(実際、Iさんは結婚歴、出産歴もありません)
夜,巡視でIさんのところを訪れると、Iさんのとなりにまなちゃんも気持ちよさそうに眠っています。
絵本を読み聞かせたり、頬ずりをしたりとIさんの「母親ぶり」はとどまるところを知りません。
それはそれは相当なものなのです。



一方、Oさんは最近人形を買ってもらったばかりで、まだ新人(?)ママなのですが、お人形さんを持つようになってそれまで見られた「暴力行為」も多少減り、情緒もおだやかになってきたともっぱらの噂です。

Iさんと同室のKさんも最近Iさんのお人形をたまに借りてだっこするようになり、やはりお人形に夢中です。

お人形のあどけない顔を見ていると、子育てしていた頃の自分なんかをふっと思い出すのでしょうか?
「母性」がよみがえってきて優しい気持ちになれるのでしょうか?
夜通しお人形に語りかけるお年寄りの姿を見ていると,考えさせられてしまいます。
「子育て第2弾」ってとこでしょうか?



はっきりとしたことはわかりませんが、女性はいつになっても女性であり「母」であるのだと感じ取れる1シーンなのでした。。








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