お年寄りの暴力や抵抗(?)の裏にあるもの







夜中、とあるお年寄りの発語があまりにも大きかったため、ベッドサイドに行って声をかけてみようとした。
その方のベッドサイドに立って、今にも声をかけようとしたとたん、「ガツン」という音とともに、鈍い痛みを鼻の周辺に感じて、私は一瞬息が止まりそうになった。
Mさん(男性、80代)は、夜寝ボケてしまうことも手伝ってか、たまに暴力行為が見うけられる。
体格がよく、大きな手で、しかもゲンコツ。
いくら年をとっているとは言え、男の人の力で「ガツン」とやられると相当なものである。
その時も私は、しばらく顔がじ〜んとしてなんともいえない感覚を覚えた。
暗闇で、いきなり、しかも顔を殴られた驚きで、少し涙まで出てきてしまった。
つらかった。



Mさんは、痴呆がある。
これもきっとMさんのせいではなく痴呆の症状から出た行為だと思われる。(明らかではないけど、そう思いたい)
そう信じないとやりきれない。
お互いのためにもそう思った方が楽な気もする・・・。



Oさん(女性80代)も、同じく暴力行為が見られる。
よくいえば自立心旺盛、少し悪く言うと「気のむくまま」といった感じで、こちらから手を出そうとすると(介助しようとすると)たたく、つかむ、つねる、つばを吐く、ひっかく、暴言を吐くなどの行為が見られる。
これまたすごい力なので、負傷した職員数知れず。
彼女と接した職員はよく「又、やられちゃった」と言いながら、彼女の居室から帰ってくる。
彼女も痴呆がある。
よくよくわかっているけれど、本当はこう言う暴力はとてもつらい。
なんとか対処法はないものかと思うけれど、これが又難しい。



オムツ交換や、体位交換(じょくそう予防のために、介護者の力でお年寄りの身体の向きを変えること)中、ベッド柵を離さない方も多い。
これは一種の抵抗のようにも見受けられる。
これらも又、痴呆の方に多い。
しかし、これまたすごい力で柵につかまられてしまうと、こちらが力負けしそうになる。
小指から純に一本づつ離していくのだけど、笑い話みたいに離した指から又、しがみつかれていたりということも珍しくない。
「自分はこれから何をされるんだろう」・・・そういう恐怖が暴力や抵抗に変わって、結果こんなことになっているのだろう。



「介護を始めようとする時は、必ずその対象者に声かけをしなさい」 よく、こう言われる。
理解できる方は、それでOKだけど、やはり、痴呆の方にはそれすら難しかったりする。
私達の態度や表情でわかっていただくのがいいのかなぁ???それも努力してみるけどなかなか難しい。
本当に、介護の仕事の難しさを感じる。
何年たっても、人間のできていない未熟者の私には難しいことが山積みなのである。








このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ