第7話 地獄でDABADA


とうとうこの日がやってきた。
地獄.......通称 HELL。
そこは他とは違い、全てを飲み込みそうな、まさに地獄の入り口である。
幾度となく、この入り口に立ち、後戻りしたことか。
しかし、今日はもう戻らない。

十分に薬を買い込み、万が一のキック攻撃に備えての弓も一つ持った。
RESISTもMAXに近い数値である。
よし、行ける。
大きく息を吸い込み、静かにそのつぶらな瞳を閉じ身を沈めていった..........
いつもよりも、読み込みが長く感じるのは気のせいだろうか。

そこは、地獄絵そのものという光景だった。
血の海、串刺しにされた人たち。
いったい、この先どんな敵に出迎えられるのか、想像もできなかった。

最初のお出迎えは、騎士の様な奴だった。
自分がWARRIORだったら、少し間違えそうな外見である。
そいつの攻撃するときの声は、まるで
 「おりゃおりゃおりゃ〜!!」
と、どつかれているようで、感じ悪い。
やっと、一人目を倒した。
何て死に方の派手な奴なんだ。

そいつらの大群をなんとか倒して、次に遭遇したのはなんと
セクシーな格好をした、女の敵だった。
こっちが弓で攻撃している時の「あ〜あ〜んっ」って声も妙に色っぽい。
恐れていたことが起きてしまった。
6才の長女がそれを聞いて、面白がって真似を始めたのだ。
............教育上良くないかもしれないなぁ............
一瞬だけ母親に戻ったが、今はそんなことを言ってる場合ではない。
少しでも気を抜くと、死にそうな感じだからだ。

命からがらそこを通過し歩いていると、なにやら、壺のような釜のようなものをを発見。
 「?何だろ、これ。LIFEでも回復するのかな。」
クポッ
 「?」
なんだなんだぁ?何が起きたのかさっぱりわからないじゃない。
LIFEは全然回復していない。
んん、何かゲームの進行に関係するのかな?
シングルプレーのクエストと大きな勘違いをして、さわりまくった。
クポックポッ

いくつめを触ったときだったろうか。
持っていたポーションが全て黄色に変わって、初めてクエストには関係ないのかもしれない。
と気付いたが、時すでに遅しであった。

13階をなんとか、終わろうとしていた。
しかし、セクシーお姉さんはともかくとして、あの騎士仮面にはどうも限界を感じた。
囲まれてしまうと、もうベルトの薬を飲みきってしまう程のダメージだ。
しかも2、3個同時に飲んでしまうくらいあわててしまう。
どうしよう....。
14階に下がると、更に敵は強くなるだろう。

だが、怖いもの見たさというか、無謀というか、14階へ降りることに決めた。
降りると階段の近くには、当然敵はいない。
門を曲がる瞬間の緊張が極限に達した。
 「あはははははははは」
もう、笑ってしまうくらい緊張してしまった。
そして、門を曲がり、何色もの光線攻撃と、
それに相当したすさまじい数の敵を目に焼き付けたまま
画面は赤く染まった。

しかし今までの経験でとりあえずTOWN PORTALをだしておいたのだ。
そして町から戻り、TPをまた出しておく。
でもあの敵の中に突っ込んだらアイテムは一つも回収できないかもしれない。
絶望した気持ちの中、なにげなく死んだであろう場所をマウスでくるくる回していたら
自分のばらまいたアイテムが表示されるではないか!
珍しく頭の回転が速くなった

覚えてから一度も実践で使ったことがなく、PHASINGと同じくらい意味のない魔法ではないかと思っていた魔法。
【TELEKINESIS】
な〜んていい魔法なんだぁ〜。
場所的にラッキーなこともあって無傷で装備を取り戻すことができた。
しかしそのまま続ける無謀さと勇気ははさすがになく
15階を前にして引きあげることにした。

最終ボスとの対面。
16階への道はもう少し先の話となった。

第7話 終わり



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