セイシュン・フイルム。
【Cut 4】
結局、名前はつけた。
名前なんかつけたところでどうってことないとは思ったんだけど、・・・先輩のせいだ。
イリューシャ。
「なにそれ。ガイジンの名前?」
代替わり以降、「部長」という肩書きまで増えたユーフォニウム兼ベース弾きの都築が言った。
「うん。・・・つーかさ、本当はイリューシンにしたかったんだけど」
「それ、飛行機の名前じゃないのか」
「そう。けど、それだとなんかこーマニアっぽいっていうか」
イリューシン。
アエロフロート製の機体で、どこかのエアバスなんかとくらべればよっぽどスリムで見た目がいい。最近でこそ墜落しちゃったりもするが、前は優秀なパイロットの腕と相俟ってけっこう安全な飛行機だった。(と、自分では思っている)
都築はため息とともにこう言った。
「お前さ、そんな名前を思いついた時点ですでにマニアなんじゃないの」
なにー。
イリューシンと聞いてすぐに飛行機の名前だとわかるお前も同類じゃないの?
この間うちに遊びに来て「ドイツ装甲部隊全史」、3冊とも持ってっちゃったの、どこの誰だよ!
[ top ]
[ bookshelf's top ]
【5】