残影の街で:西方浄土
砂漠を歩く人は、星を目印に一歩一歩すすむという。 この街のやりきれなさは、砂漠の空虚さにとてもよく似ている。 誰しもがいつかは歩かなくてはならない、自分の砂漠。 ゆっくりでも、まわり道をしてでも、地を踏みしめて一歩一歩自分もすすんでいくつもりだった。 いつかこの背に翼のはえる日を胸に、坂をのぼり谷をくだり、いつかすべてがかわるその日まで。 地図もなければ星もない日々、それでもなにかを信じて歩きつづけ、この砂漠を一人西をめざし、気がつくと自分さえもが乾いた砂になっていた。