残影の街で:西方浄土

 
 



 
砂漠を歩く人は、星を目印に一歩一歩すすむという。
この街のやりきれなさは、砂漠の空虚さにとてもよく似ている。
誰しもがいつかは歩かなくてはならない、自分の砂漠。
ゆっくりでも、まわり道をしてでも、地を踏みしめて一歩一歩自分もすすんでいくつもりだった。
いつかこの背に翼のはえる日を胸に、坂をのぼり谷をくだり、いつかすべてがかわるその日まで。
地図もなければ星もない日々、それでもなにかを信じて歩きつづけ、この砂漠を一人西をめざし、気がつくと自分さえもが乾いた砂になっていた。
 
 
 

fin. 99/01/31