別冊ぼくの推理小説(ミステリ)な日常

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ぼくの推理小説(ミステリ)な日常

 

目次

『オリエンタル急行殺人事件』座談会・・・・・・・・P3

 

 

『オリエンタル急行殺人事件』座談会

 

アガサ=クリスティの名作「オリエント急行殺人事件」について、熱く語るため(というかそれを肴に酒を飲むため)田嶋屋宅に集まったのはなんとか五人。さまざまな事情により開始が深夜の一時になったのは、ご愛嬌?

使用上の注意 当然の事ながら、オリエント急行殺人事件のネタばらしがあります。読んでない人はご遠慮ください。

また、「そして誰もいなくなった」、その映画版(サファリ殺人事件)についてもかなり語られています、ネタばれはしてないはずですが未読の方は注意してお読みください。

その他のミステリ作品についても熱く語られています。ネタばれは有りませんので安心してお読みください。

基本的に語っている五人にはアルコールが入っています。記憶違いや多少の暴言には目を瞑って読むことをお勧めします。

参加者 にのまえ(以下 に):シャーロキアンにしてクイーンファン。新本格では法月倫太郎。ミステリは、内容以外にも細かいところにこだわり有り。オリエントを読んだのはネタばれ後。

ふなのはし(以下 ふ): オリエントは映画でネタばれ。今回、座談会中に初読。ジャンルにこだわらず幅広い読書をする。

えふ(以下 え):安孫子武丸にかける情熱は誰にも負けない?古典、新本格第一世代が得意分野。最近は西澤保彦がお気に入り。オリエントは小学生のときネタを知らずに読む。

嵯峨(以下 嵯):新本格がお好み。特に森博嗣、京極夏彦、篠田真由美などがお気に入り。オリエントは今回座談会のために読むまでネタを知らなかった最大の幸せ者。

田嶋屋(以下 田):読書量だけは誰にも負けない。ただ最大の欠点はあまり覚えていないこと。好きな分野はクローズドサークル、青春ミステリ。オリエント読書はネタばれ後。

田:それじゃあ夜もふけてまいりました。みんなちゃんと飲み物持った?それじゃあにのまえさん乾杯の音頭を。

に:はい。オリエント急行に。

一同:かんぱーい。

その後みんな思い思いのお酒をしばし飲む。

田:さて、オリエント急行殺人事件ですが。ネタを知らずに読めた人?

え&嵯:はーい。

田:俺らは知ってたもんね。

え:どんな感じでネタばらしされたの?

に:僕の場合は確か、NHKのアガサ=クリスティ特集なんたらって言う番組でアクロイド殺しと一緒にネタをばらされて。 僕の知り合いはNHKに抗議の電話を掛けるっていきまいてた。

え:掛けたんですか?

に:どうだったかな。掛けたって言ってたかな?よく覚えてないんだけど。

嵯:それは掛けなきゃ。

え:でもNHKじゃ(抗議の電話掛けても)番組テレカとかお詫びにもらえませんね。

に:あるいは・・・昔読んだなんかの評論でばらされてたかもしれない。昔は評論はネタばらしが常套手段だったから。ちなみに「Yの悲劇」もそれでばらされました。

え:それは痛いですね。

に:痛かった。ほんとに。

え:ほんとに痛いですよ。(おもしろさが)半減以下じゃないですか。

田:じゃあ次は・・・ふなのはしさんは?

ふ:ふなのはしはですね・・・小学校の頃に・・・。

え:どこまでばらされた?

ふ:全部見たんですよ。ドラマで。

嵯:ああ、あったあった。

ふ:小説を読む前にドラマで見ちゃって、それ以来オリエント急行には熱い憧れを抱き・・・。あれはすごい良かった。

に:それはどこのドラマ?

ふ:NHKの、ポアロが、

嵯:髪の毛がある?

ふ:そう、あの。

に:あー有名なやつだね。映画でしょ?

ふ:映画のやつです。

え:だから今回その映画を見ながらとかできたら良かったのに。

一同:そうだね。

え:「そして誰もいなくなった」とかもやれば良かったんだよ。

ふ:「そして誰もいなくなった」も金曜ロードショーでネタばらしされた。

に:僕もそう。「サファリ殺人事件」ってやつでしょ?

田:あの砂漠の真ん中で、みたいなやつですか?

え:そう。ピラミッドみたいなのが見えるやつ。

田:俺はあれは(「そして誰もいなくなった」を)読んだ直後ぐらいにテレビでちょうどやって、

え:ああラッキーだね。

田:いやいや、見ていきなり設定全然違うからむかついて見るのをやめたって言う・・・

え:あれ最後も確か違うんですよね。

に:うん、確か。

田:人数も違わなかった?

ふ:あれ?ラストは海の小瓶でしょ?

に:ラストは、それが不可能だから・・・いいよねこれ言っちゃっても?(一同の顔を見まわす)ハッピーエンドで終わるっていう・・・

え:助けに来てもらえるんでしたよね。

に:そう、最後に残った女の人が悪い奴も倒して、一人になって、自殺しようとしたときにその人の恋人が・・・

え:「待てー」って。

に:そう。「待てっ」て。

嵯:ありがちだー。

一同:(笑)

え:ありがちでしょー?

ふ:なんか、某綾辻行人が思い出されたんですけど。読んだ人もいると思うけど「殺人鬼」。

に:「サファリ殺人事件」は、中学のときだったかな? え:すごい衝撃的だった。って話が脱線しちゃった。ごめんなさい。

田:でも、こういう風に雑談でいいと思うよ。どんどん連想して話を広げていけば。

え:で、オリエントはどうだったの?

田:俺は、ミステリの分類わけ、みたいなのを読んだときに、

に:ああ、あるね。そういうやつ。

田:で、分類の一つとして、オリエント急行型っていう、

に:なるほど(笑)。

嵯:型って・・・(笑)。

田:他がもう出来ませんからね。確かに。それでばらされたのがたぶん初めだったと。

え:他は?

田:他にばらされたのは・・・たぶんX(の悲劇)とかもそうだったと思う。

に:「Xの悲劇」かー。それも辛いね。

え:「モルグ街(の殺人)」とかは?

田:モルグ街は読んでたから。ジュブナイルみたいなやつで。

え:私はばらされたなあ。

嵯:授業中にばらされましたー。

田:で、まあばらされたミステリってのはいくつもありますけど、たとえば、密室が実は密室じゃなかった型とかなら、いくつもあるわけじゃないですか。

に:うん。そうだね。

田:で、そうなるとやっぱり記憶の残り方が違うじゃないですか?オリエントの場合と。だってオリエント急行型ですから、何しろ。

一同:(笑)

嵯峨さんに電話がかかってくる。

嵯:どこ、どこ?

電話を見つけ話し始める嵯峨さん。

田:後、俺一時期推理クイズみたいなのにはまってて、ああいうのって有名なトリックとか勝手に使っちゃってるじゃないですか。それで、「黄色い部屋の謎」とかもばらされちゃったっていう(笑)。

え:黄色い部屋は多いよね。 で、ばらされた上で、(「オリエント急行殺人事件」は)どうでした?(にのまえさんに向かって聞く)

しばしの沈黙

に:あっ、ああ僕?(気が付いて慌てて)えーと、もはや初読したときの感想みたいなのはほとんど残ってないからなんとも言えないんだけど。まあ一応クリスティだからそんなに不満は無かった、っていうかまあ一応(読み物として楽しく)読めたなっていう感じだけど。まあ、「これがあの有名な」って感じかな。その後僕はレンタルビデオで借りて見たんだよ。だから、今僕はもしかしたらビデオで見た印象の方が強く残ってるかもしれない。 実際アスピリンのおばさん(グレタ=オールソン)とかは、 そっちの方が印象に残ってる。

え:そうですよね。顔がぱっと出て来ますし。

ふ:今私は現在進行形で、読んでるんですが。

一同:笑

え:どう?

ふ:(読み物として楽しく)読めますね。

え:ドラマと比べてどう?印象とか。

ふ:ドラマのときも淡々と進んでてこれ(小説)も淡々と進んでるんですけど、おもしろい。 かぎ括弧がずっと長いのって、なんか手抜きされてるみたいであんまり好きじゃないんですけどうーん・・・おもしろい。かぎ括弧でちゃんと。実家に帰ったときに有栖川(有栖)の「朱色の研究」を読んできたんですけどあれにもかぎ括弧の羅列があって、そこの部分については特には何も言いたくは無いんですけど、その程度の差が出てる。

嵯:え、どこ?

ふ:あのー、二人で海岸歩いてて、犯人追及しようかどうしようかって話してるとこ。

嵯:忘れちゃった(笑)。

田:俺も忘れたなー。

え:読んでない。

に:僕も読んでない。

ふ:だから、あんまりかぎ括弧の羅列があっても読むのが辛くないっていうのはすごいなーと。それは、本文が良いからね。本文が。訳が良いとは言わない(笑)。

田:やっぱり、クリスティーはすごいよねっていうとこに、

ふ:落ち着いちゃう(笑)。

田:俺もネタを知ってて読んで、それでも楽しめたし。最後の(解決)はポアロが、容認しちゃって、最初に上げた仮説(外部犯説)を採用しちゃうじゃないですか。あの穴だらけの説を。 知らずに読んでたらそこ(外部犯説を否定して全員犯人説を上げたところ)で驚けたんですけど、まあその驚きを味わえなかったのだけが残念だったな、と。単にネタだけを知ってて読んだって言うのにしては、ポアロがぱっと解決するんじゃなくてっていうあの解決は好きでしたね。

嵯:きれいだったね。

ふ:うんきれいだった。

に:で、ネタ知らないで読んだ人は衝撃を受けました?

嵯:どこで?

に:いや、あのオチで。

嵯:あーそうなんだーって。

に:いつ読んだの?

嵯:この間。こう言うこと(座談会)やるって知ってから。

え:知らずによく来れたよね。

に:それは僕もそう思う。

嵯:避けてるから。読まずにいるのは。

ふ:絶対ネタは聞かないってやつ?

嵯:うん。だからモルグだけ、やられたのは。

え:モルグはね。

田:モルグは俺、モルグだと気付かないままに読んでましたから。

嵯:結局読んでない。

ふ:私は子供向けので読んだ。

田:俺もそんなやつでモルグだとか思わずに読んで、後でモルグ街の殺人って言うやつが推理小説の初めだって聞いて それは読まなきゃって。そう思ってちゃんとしたので読んでたら、あれ?この展開わかるぞって(笑)。結構俺の記憶力あやふやですから。そんな感じでこの前の黄色い部屋も。

に:黄色も読んでないなあ。ガストン=ルルウでしょ?

田:黄色は面白いですよ。

嵯:黄色い部屋も読んだような気がするけど、覚えてないね(笑)。

田:BOXにあるから気軽に・・・。

嵯:いや私の部屋にもあるんだよー。

田:あれ?

に:あっうちにもある。

田:あれあれ?

一同:笑

田:黄色い部屋はおもしろいですよ。意外な犯人モノとしても。

え:そうだね。

田:まあもちろん密室モノとしてもおもしろいですけど。犯人の意外さっていうのがまあ、古い作品にしてみたら、

え:斬新だなっていう。

田:そう。まあ今にして見りゃそれも一つのパターンみたいになってますけど。

沈黙が続く。

田:いい!(急に感慨深げに)

一同:は?

田:いや、十角館の殺人の座談会にも参加したんですけど、そん時は、あんまりミステリ読んでない人間も参加してて・・・。たとえば、新本格は結構読んでても、

ふ:古典を読んでない。

田:そう。たとえば十角館について話すときに、クリスティの「そして誰もいなくなった」とかが欲しいところなのに誰も読んでないとか。有栖川の「月光(ゲーム)」と比較したくてもそれがわからないとか・・・。それはそれで、新鮮な意見も出て良かったんですけど。 やっぱり辛いじゃないですか。

ふ:ねたばれとかしちゃうからね。

田:そうねたばれしちゃうからあんまり細かいこと言えなかったりとか。だからこうやって他の話しても全員がちゃんと参加できるってのがいいです。

に:そうだね。

嵯:でもオリエントさあ、私清涼院(流水)のほうが先じゃん。だから読んだとき「あれ」くせーって。

え:ああ、あれね。

ふ:清涼院は一個も読んでないから。

嵯:最初のやつ。なんだっけ?

え:なんだったっけ?名前思い出すのもいやなんだけど。

みんなしばらく考える

ふ:コズミック!

嵯&え:そうそう、それそれ。

え:なんとかックだってとこまでは出てたんだけど。

ふ:あんなに皆ぼろくそに言ってたのにもう名前も出てこない。

え:名前も忘れないとやって行けない。

嵯:あれは面白くなかったね。真ん中は読まないほうが良い。

え:最初と最後だけで十分よねあんなの。

ふ:それで前、ニッキさん(SF研OB)が最後だけ読んですごく面白かったって。

嵯:最後だけなら面白いかも。

ふ:でも最後だけ読んで評価するってどう言うことですか?って。

え:でも九十九さんの話とかほんとにむかついてくるよ。焼いたろかーって感じ。借り物なのに(笑)。

嵯:そんなん有りですかーって。

ふ:段々オリエントから話が。

田:大丈夫大丈夫こんなのの方が面白い。最初の注意書きのところに途中で出てきた本のタイトル上げて、これのねたばれの恐れ有りみたいにしとけば被害者を増やさないで済む。

に:そうだね。

田:でもそうすると、最悪俺らしか読まないって言う恐れが(笑)。

に:確かに。

一同:(笑)

田:でもまあ定期的にやりたいっすね。

え:そうだね。

嵯:こんだけぼろくそに言っといてなんだけど、 清涼院のファンってうちのサークルいなかったっけ?

え:いや、もういなくなったでしょ。

嵯:大丈夫かね?

え:こんだけぼろくそに言われて大丈夫な人が清涼院のファンだよ。

に:まあ清涼院て言う人はぼろくそに言われるからねえ。

え:あの人はデビューした直後から叩かれてましたから。

田:大丈夫だよ。清涼院が好きって書いてた人は、去年いたんですけど、いじめたらいなくなりましたから。

 

田:って静かになられるとほんとみたいじゃないですか。いや、敬語が使えなかったからとかで大人として優しくアドバイスしてあげたって言うだけで、まあそのことといなくなったことに関係は有りませんよ。

一同:怖い怖い(笑)。

に:そうか、クリスティだったらって話を戻すけど、持って来れば良かった。早川ミステリマガジンのクリスティ特集で、クリスティ生誕100年のやつ持ってるんだけど。さっき言ってたサファリ殺人事件とか映画版のオリエントの評価とかも載ってたんだよ。実はまだサファリは公開される前で、?だったんだけど、評価はものすごい高かった。その前に2つぐらいそして誰もいなくなったの映画はあって、それよりももっと、今度は舞台も何ももっと違ってって言うのを見て、それでサファリを見て、これより違ったら駄目だろうって(笑)。

ふ:これ以上違ったら作品として(笑)。

え:私も父親に「これは、そして誰もいなくなったのやつだから見とけ」って。見たら後悔しましたよ。

ふ:じゃあそしたら私が見たやつは違うやつかもしれない。ちゃんと海から小瓶流れてきましたから。

に&え:じゃあ違うかもしれない。

ふ:判事さんヅラだった?

に:でもあれはどれでもヅラでしょ。

ふ:記憶がごっちゃになってるのかな、本と。

に:でもあれは小説で読むほうが面白いでしょ。映像化すると・・・。あれに関しては。

ふ:歌が、インディアンの歌とかじゃなくて、家族の中で、3代目まであってっていう・・・父親とかお兄ちゃんが死んで行くっていうネタを下敷きにして、もっと狭い範囲でっていう・・・そういうのを小学校のときに見ました。

田:(思い出したように)あ、まだチーズありました。どうぞ。

嵯&え:やった(笑)。

ふ:そして現在進行形で呼んでいるコレ(小説版)。かぎ括弧がとっても多いからこれ結構ドラマに向いてるなって。でも本で読んでると私の持ってた憧れのオリエント急行が見えてこない。チャッチャッチャッチャーン♪のあの音楽が聞こえてこない(笑)。

え:あ、あの食堂車の感じとかが良いんだよね、あそこでずっと取調べとかしてて。ドアの感じとか。

ふ:そうそう。

に:オリエントって確かクリスティ生誕百年のときにあの例の、えーとグラナダじゃなくてグラナダじゃなくて・・・あのはげポアロの有名な、「ヘイスティングス(独特のイントネーションで)」って言う、

ふ:デビット=スーシェ?

に:そうそう。そのスーシェバージョンでも映像化されてたよね?

え:あー、あった気がします。見たような気が。

嵯:禿げバージョン?

え:そう。

に:「ABC(殺人事件)」とかもやったんだよ、でビックリして。

ふ:ABCってポアロ?

に:うんポアロだよ。

え:じゃあ結構(色々)やったんですね。

に:そう、で後は、「雲をつかむ死」、マイナーなの。 でも俺はクリスティで最初に読んだのそれなんだけど。

ふ:まだ(未読)だから。

に:大丈夫、もう俺ネタ覚えてないから。

田:ABCも俺読んでないなあ、持ってるけど。 あれは一つ一つの殺害方法じゃなくて、被害者間の関係、ミッシングリンクが謎なんですよね。

に:そう。なぜ殺害されたか?だね。

ふ:殺害法自体は誰にでも出来るような、

に:あれは、アレキサンダー、ボナパルト、カスト、だね。なんか覚えちゃった。

ふ:冷静に考えるとあのAの場所でAの人とって言うのは・・・あのAの人をAのところにどうやって連れて行くの?なんで(行くのが)分かるの?っていうそこが分からない。

に:あれ(あの場所に)必然性有るんだっけ?

ふ:あれは一応必然性はある程度有るんですよ。ある程度あるんですけどその必然性を出すために、そこまでやる必要があるか?って。ああなんか伏字で喋ってる気分だ(笑)。

嵯:ピーがピーしてっていう(笑)。

田:ごめん、読んでないから(笑)。持ってるけどボックスに置いてある。一遍に30冊とか買ったときのだから読んでない。クリスティも何冊か読んで、疲れたから他の人のを読もうって。

に:結局僕も(エラリー=)クイーンと張り合わせたらクイーン取っちゃう。叙述は圧倒的にクリスティだと思うんだけど。

田:文章の面白さはクリスティですけど。

ふ:にのまえさんには悪いんですけど読んでる最中面白いのはクリスティかな。

に:でしょ?分かる分かる。僕もそうだもん。

ふ:たぶん創元(東京創元社)の訳が悪いんだと思うんですけど。

に:そう、早川(早川書房)、早川で読もう。

嵯:クイーン0、クリスティ3しか読んでない。

に:(早川訳の)「お父さん」って言うのが。(*創元では親父さん)いっつも言ってるけど。(*にのまえ氏の細かいこだわりその1)

田:それは、もう、(有栖川有栖の学生編に)マリアが出てこなきゃって言ってるのと同じでしょ(笑)。(*にのまえ氏の細かいこだわりその2)

ふ:そう、いつも言ってる二人が絡んでなきゃって言う(笑)。

に:駄目だよコレ。伏字で。カットカット(笑)。

ふ:翻訳モノはそれがあるからね。訳の問題。

田::下手な訳は読んでて辛いよね。英文が分かるような。本当に教科書どおりに訳しました、みたいな(笑)。

え:そうそう「〜するところの」とかって(笑)。

ふ:受身を日本語で書くなーって(笑)。

に:だからクリスティは早川で田村隆一さんとかが、あの人この間死んじゃったんだよなー。

え:そうでしたね。ちょっと悲しかった。

に:うん悲しかった。

ふ:訳で名前違うのが辛い。ハーバートがハッバートって。

え:って言うかルパンよルパン。なんでリュパンって。

に:いやそれ言うと俺「エラリー」が許せない。「エラリイ」じゃないと。(*にのまえ氏の細かいこだわりその3)

田:あの十角館でもノベルスと文庫で名前違うからね。ノベルス版だと「エラリィ」、「ルルゥ」が文庫版で「エラリイ」、「ルルウ」って大きい字に。

え:あれは何でだっけ?

田:いや、もう好みだって後書きにあった。

え:なつかしいなあ。

に:本格の話はなつかしい気がする。古典の、昔なつかしのって気が。

田:クリスティってやっぱりすごいですよ。ネタ知っててそれでも読ますっていう。それ改めて思いました。

え:皆さん「カーテン」読んでくださいよ。

に:読んだ。ポアロ最後の事件でしょ?

え:そう、私もネタ知ってて読んで、でも面白かった。

ふ:話自体は知らないけど最後のシーンは知ってる。

田:ネタ知ってる、読んでない。

嵯:読んでない。

田:(えふさんに向かって)あれ?ネタ教えてくれなかった?

え:うん。教えた。

田:ね!ひどいやね。

え:待って、聞いたら(教えても)良いって言ってたじゃん。

嵯:ポアロさあテレビでやってるのたまに見るけど・・・題名わかんない。

に:マイナーなやつやってるからなあ。

え:そう。だからたぶんこれからも読まないようなやつやってるから大丈夫。

田:あれはあれで雰囲気違うし。

に:でもあれとかホームズもね。

ふ:ホームズとかポアロはドラマ化の成功例だと思います。すごいちゃんと出来てて、いかにもっていう。

に:ホームズはホームズで、シャーロキアン(ホームズファンのこと。ちなみにワトソンファンはワトソニアン)の中にジェレミリアンていうジェレミー=ブレッド(ホームズ役の役者)至上主義者がいて。ホームズの短編とかはほんと短くて、もう30ページくらいで それだけだと45分持たないから。増やした部分が面白いっていう、

ふ:いくつかの短編を混ぜててっていうのもあるらしいよ。

え:エピソードとかはね。

ふ:いや、話し自体も。

田:でもそれはうまく言ってるから評価されるんであって、たとえば小学校のとき読んだような、ルパンとか乱歩と一緒にあるやつは、付け足した部分が多くて、原作のどこにこんなのあったよ?っていう言われ方を。

に:ああ、まあね。

田:まあ同じ小説っていう形式をとってるからいわれる、みたいなものもあると思うんだけど。基本的に俺は映像化に反対ですね。

ふ:映像だとそのイメージがやっぱり頭に残っちゃって、それがオリエントみたいに成功してれば良いんだけど。

田:(小説読んだときに)先にイメージ持っちゃうじゃないですか、それが崩されるのが辛い。 で、見なかったんですよ、サファリ殺人事件は。なんで砂漠にいるの君達?って。

え:だって暑そうだったもんね。

に:あれはイメージ壊れた。

ふ:島にいろよ島に(笑)。

え:私の読んだのじゃないなって。

に:なんか、あの風刺歌だけ好きだった。なんだっけ?「真昼間から働くのは狂犬とイギリス人」みたいな歌が流れてて、ずっと。あれだけは。

に:ホームズはもうあの役者さんが水戸黄門扱いで。あの役者さんは死んじゃったけど、 街で会ったとき僕らが西村晃さんに街で会って「あっ黄門さまだ」って思うみたいな感じで、「あっホームズだ」って。 え:確かにイメージ強いですからね。 ふ:あれ以外の役やってるの見たことないですし。

田:やっぱり松平健と同じで。

ふ:ちょんまげ結ってない松平健なんてって。

田:いや、ちょんまで結ってても。大河ドラマに出てても。

に:あれびっくりでしょ?

田:絶対暴れる。この人絶対暴れるって。後何分だ、後何分かで持ってる刀カチッて鳴らして持ち替えて、最後に「成敗」って言うんだって(笑)。

に:全然話し違うけど、元禄繚乱は安達由美になんであんな色っぽくさせたいのかって。

田:ジャニーズをあんなに出すのもどうかと。

ふ:○○君が駄目だろ?(検閲により削除)

田:いや俺は△△が。(検閲により削除)俺は木曜の怪談の時の情けなかったイメージしかないから。すげー自分勝手だ(笑)。○○もあの時は好きだったのに今は自信持ちすぎてるから駄目だ、ってなんの話してるんですか?まあ前回(十角館)のときはもっとひどかったですけど。こういうのもあるから面白いんですよ。

ふ:(読みながら)あーどんな関係か分かって来ました。アームストロング家との。メモする?

え:もう誰もその話してないから。

田:今回のだと人の話しないからね。オリエントに関して言えば、一人の人に思い入れとかはないでしょ?十角館のときはそれなりにあったけど。オルツィ最初に殺すのは優しさか?とか。

ふ:あれは優しさでしょ。って十角館でやる?(笑)

嵯:結局殺したんじゃん。

田:あれは、途中で失敗する可能性もあるのに、一番罪のない彼女から殺すのはって言う捉え方も出来るじゃないですか。

に:なるほど。そうだよね、確かにそうだ。

田:と、まあこんな話をここで蒸し返すのも・・・

に:すげえ根本的な質問だけど、(オリエントは)動機が別々にあったんだっけ?

ふ:いや、みんな最終的には一つ。アームストロングさんとこを不幸にしてて言うところに、

に:そうだっけ?

ふ:なんでそれを列車に閉じ込められたポアロがつかめたんだっけ?

え:いや、アームストロング家の話は有名で。

田:で、ラチェットのところに脅迫の手紙が2種類来てて、

に:ああ、思い出した。

田:で、一つは擬装用で、 嵯:もう一通は燃やしてて、 田:そう。そのなんで狙われたのか書いてあるほうが燃え残っててそれでアームストロング家っていうのが読めて。

ふ:あれ?じゃあ、そこ読み飛ばしたかな?

田:だから最初からラチェットはカセッティとして扱われてて、

え:そう、で、最後はあの人達がどこでアームストロング家と繋がるのかって言うところに。いろんな人がいて人種も違って関係なさそうなのにっていう。

田:みんな使用人とか。身分高くない人とかは。で、大佐もとぼけるんだけど、結局は戦友だった。

ふ:「ポアロ2つの解決を示す」まで来ました。

田:二つの解決はね。

ふ:そこらへんは、金田一(耕助)とか、「双頭の悪魔」でも。

え:黙っときましょう、みたいな。

ふ:このまま自殺させてあげましょうって。

田:今の作品でそれをやられると、困るって言うか・・・

に:時代が違うからね。ホームズの逃がすこと逃がすこと。

え:逃がしますね。

田:でも実際、金田一少年が逃がすのは許せませんけどね。

え&ふ:現代社会で?

田:うん。しかも高校生のお前が裁く裁かないを決めるのは、って。

に:何をってのが確かにあるね。

ふ:警察が主人公のだと、そう言うのが絶対無くて、絶対追求する。逃がしちゃうと物語に限界出るし。

嵯:はぐれ刑事とかは、結局犯人いい人ばっかりでビックリ。

に:そうだ、JSH(日本シャーロック=ホームズ協会)の集会に出たとき、議題に出たことがある。「なんであんなに逃がすのか?」って。あそこから、調べると彼の人間像が見えてくるって。逃がすときのセリフとかから彼の宗教観とかが見えてくる。「良心が法だ」って彼は言うんだよね。

田:そういうときの動機で一番多いのは復讐ですよね。で、復讐だからこそ許すみたいな。

ふ:それは昔のあだ討ちみたいな感じで。

に:うん俺もそう思った。それは四十七士とかが歓迎されるのと同じで。

え:昔ダウンタウンDXの千人アンケートで、許したい犯罪みたいなやつの一位があだ討ちでしたね。

ふ:私も身近な人が殺されたら例え七代呪ってでも殺してやるって。

田:法じゃ裁けない。裁かせないよね、法なんかに。

ふ:社会的に破滅させてやるって。

え:そう言う意味でこの解決が存在するんだろうなって。外国の人も感覚は同じだなって。

に:だから法と良心の倫理って言うのは対峙するからね。

ふ:こう言うときに思うのが、ラチェットさんに家族はいなかったのかな?って。

田:たぶん書いて無かった・・・だから、あえてそれを書かないことで、ポアロが許すって言う方向に持っていくだけの下地みたいなものを作ってるんじゃないかな。

え:だからみんな許すみたいな。

ふ:結局あだ討ちってすごい不毛だと思うんですよね、

え:お互いね。

ふ:こっちがやられて悲しいから向こうを殺したら、今度は相手の家族が悲しいからこっちをって。そう言うのでヨーロッパでどろどろの家族戦争が100年続いてみたりするでしょ、「ロミオとジュリエット」なんかもそうだし。だからみんな頑張って復讐するぐらいなら、法の手に任せちゃっていいんじゃないかなって、

に:実感とは別に?

ふ:そう、実感とは別に。

に:いや、俺すごく法治主義者だから(笑)。 僕は個人的にそういう考えだけど、法は法として遵守しなければって言う、 え:人を人たらしめるのは法であるって言う話も。

ふ:だからもし、私の姉が誰かに殺されたら、私はその人を殺したいとは思うけど、呪い殺すとか、破産させるとか、色々手を考えて、絶対法に触れないように。そんな憎い相手のために自分が警察に捕まるのとかは絶対やだから。

田:そういう風に押しとどめようとするよね。「奴と同じところまで自分を落すこと無い」とかって。でも結局やられたことやり返さないと自分はすっきりしませんけど。

に:まあ実際やられて見なきゃわかんないでしょ。

ふ:「目には目を」っていい法律だと思う。

え:人によってでしょ。そんなくだらない奴のために時間割くのが惜しい、 って自分をだまして納得できる人もいるし、納得できない人もいる。

ふ:それだったら乳母とかならわかるけど、運転手さんとかは・・・運転手だろお前?って。

嵯:すごい天使の様に可愛かったんだよ。

田:みんなに愛されてたんだ。

に:そういうのもあるだろうし、時代背景がまた。そういうのもあると思うよ。後、みんなお偉いさんじゃん。お偉いさん一家でやってるわけだし。

田:忠誠ですよね本当に、使用人は。

に:うん。これいつ頃のだっけ?1930年代だっけ?たぶん35年ぐらいだと思う。エラリィが30年代ぐらいに出てきて、40年はいってないと思う。

ふ:(本を見て)書いてませんね。

嵯:一番むかついてるのはやっぱりミッチェル?

田:ミッチェルって?

嵯:娘さんが疑われて自殺したっていう・・・。

え:あー、うんそうかも。

に:そうだね。

ふ:(本を読みながら)後もう少しで終わります。最後の解決、ポアロ何ページ喋ってるだろ?

え:うん。ずーっと喋ってるよそれ。途切れること無しに。

嵯:うん。途中女優さんがパーっと出てくるぐらいで。

ふ:これドラマで見たとき、赤い着物の女、じゃ無くて、変わった帽子をかぶった・・・って違う、「幻の女」と混ざってる。ドラマは赤い着物じゃなくてもっと派手なキラキラしい着物を来た女だった。

田:視覚面ではやっぱり。

ふ:そう、ドラマとかになると。で、他のところもちょっとずつ違う。

嵯:どうしても襦袢みたいなのを想像しちゃう。赤い着物とかって書かれると。

田:「赤い着物」だとね。

ふ:これだけセリフがあって読ませるんだから、ドラマにするともっといいと思う。

田:視覚効果がね。

ふ:そう。やっぱりポアロがずっと喋ってるより、指摘されてハッとか驚いてる顔とかがあるほうが面白い。絵的に。

田:リアクションが見えるからね。えんえん喋ってる絵に見た目で変化が与えられる。

に:やっぱでも禿げじゃないのが辛い。いや、まあ原作をよむと禿げじゃ無いんだけどね。 ABCかなにかでヘイスティングスが「最近髪の毛がまた濃くなったじゃないですか」って言うと、「こういう養毛剤が出たんだよ」って言うシーンが本当にあるからね。

ふ:怪しいなーそれは。ヅラ疑惑を呼んでます。お前それ養毛剤じゃないだろって(笑)。

に:一時機そう言う議論が好きだった。後、タイトルとかのパロディ。ミステリマガジンに載ってて。あの「なぜエヴァンズに頼まなかったか」ってあるじゃない?あれを、「なぜー、ヴァンスに頼まなかったのさ?」って言うヴァン=ダインファンの恨みってのがあって(笑)。あれが結構好きだった。確かに、って(笑)。

え:「なぜエヴァンズに〜」は、うちにビデオ有りますよ。なつかしいなー。

に:あれ有名な探偵誰も出てこないよね。

え:はい。しょっぼい車に乗ってて・・・。女の人が解決します。これがなかなかじゃじゃ馬娘で・・・。

ふ:あ、読み終わりました。いいのか?

え:そういうことなんだよ。

ふ:こう言うことなんだね。何かとっても金田一。あっ耕助のほうね。

田:まー金田一(耕助)シリーズも、最近読んでるけどあれもね。いいのかお前?お前がとろとろやってるからみんな死んじゃったのに、最後にそれでいいのか?って。

ふ:やっぱり手遅れで無いと、警察も探偵も。

田:いやいや、メルカトル(鮎)みたいに長編に向かない探偵だって、長編向きの事件も自分が出ると最初の時点で解決しちゃうからって自分で言ってる奴も。長編に向かなきゃ探偵じゃなくていいよお前は、って(笑)。

ふ:この表紙はいいね、講談社の。この、何がなんだかわかんないとことか。

田:もう一冊(新潮社版)はドラマの写真使ってて。でもこれは本の中で何年製作とか誰が主演とか全然書いてない。写真だけ、ポンと。

に:それは新潮社だっけ?いろんなとこで訳されてるよね。

ふ:今日オリエントだって知ってたら(こちらの連絡ミスで彼女は今日この座談会があることを知らなかった)家から「地球旅行」とか持ってきて、オリエント急行ってのはこんなのだって熱く語れたのに。

田:俺もこの前の十角館のとき地図帳持ってきて、あのS半島のJ崎、でしたっけ?は、何半島の何崎のことで、猫島ってのはこの辺でってやりたかったんですけど。 大学生の誰が地図帳持ってるよって言う(笑)。

え:持ってるよ。

に:俺も。

田:はい。まあそりゃ持ってる人は持ってます。

この後話は脱線し大学の授業に対する愚痴がしばらく続く・・・

ふ:そろそろ話戻そう。

え:どこまで話したっけ?

ふ:何かさっきからずっとクリスティすごいって言ってた気が。

田:すごいんだよやっぱり。会話文だけで読ませるってのは。今俺も自分で(小説を)書いてて、会話文だけだと辛い。

ふ:そう。ポンポン会話が続いてるときはいいけど、それが何ページも続くとつまんなくなる。

この後話はまた脱線し自分で書くときの苦労話が続く・・・

ふ:書き方がうまいって言うか、どっちかって言うとオチはあっさりだったね。あれっ?て言うくらい。

え:オリエントで私が好きなのは、着物の話とか、パイプの話とか、アスピリンの話をポアロが聞き出すところ。 ふ:うん、事情聴取が一番面白かった。

え:その辺で相手が動揺する感じをポアロが見たりとか、最後に一声「次は誰々さんを呼んでください」って言う感じが・・・。私は解決よりもそっちの方が面白いかなって。

嵯:あの辺私はだれてた。

田:って言うかやっぱりネタ知ってるから。お前ら何言っても本当は嘘ついててみんなでやってるんだって、そう言うとこがネタ知ってる側にはあるから。

え:私は知らなかったから・・・。って言うか小学生の頃最初に読んだ時ホラーだと思った。何でだろ?

田:「そして誰もいなくなった」はホラーだと思った。小学校か中学校の時の国語の教科書に本の紹介があって、それ見てジャンルも分からずに面白そうだなーって自分で買って読んだんだよ。で、ミステリーとか知らずにただおもしれーって読んでて、ひたすら怖かった、人がどんどん死んでいくし…。で、最後の告白も俺は手のこんだ後書きだと思って、 でもまあ面白かったから一気に読んじゃえって。で読んでみたらそこで謎が明かされてたっていう(笑)。

ふ:しまったーって?(笑)

田:いや、すげえ新鮮だった。すげえってただ思って。そこが原点でクローズドサークルとかが大好きに。

に:ああ、なるほど。

ふ:ミステリを初めて読んだときはやっぱすげえやっていう、

え:私はただ怖かった。

この後MDが終わってることにも気付かずえんえんと初めて読んだ作品について熱く語る一同。途中誰かがMDが終わってることに気付くがそれでも止まらない。 結局、結論はクリスティってのがすごいって言うところに落ち着くことに。

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