すかっ!本


長山靖夫著『鴎外のオカルト、漱石の科学』新潮社、1999年

 突然ですが、“カンブリア大爆発”ってご存知でしょうか?
 5億7千万年前のカンブリア紀、生物の爆発的な進化が起こり、生物種の数は飛躍的に増大したときのコトをこう呼ぶそうです。一時、MONOショップで売っていたアノマロカリスとかが生きていた時代です。詳しくは、『ワンダフル・ライフ』(S.グルード著、早川書房)を読んで(見て?)下さい。
 で、その時代の生物ときたら…。先のアノマロカリスはじめ、わたしなんかが見ると、“生きた性具”or“生きた責め具”って感じのヤツらです。最近は、全然、やってないけど、ダイビングしていてコンなヤツらにうっかり遭遇でもした日にゃ、潜水病覚悟で急浮上するだろうな…。本屋に行く暇のない人の為にココにリンク貼っておきます(「化石の話」ってトコに行って下さい)。

 んで、別に今回、御紹介する本は、「鴎外がハルキゲニアを黒魔術によって召喚しようと企んでいたのを、ジャンク遺伝子の解明に成功した漱石が阻止する」なんて、『帝都物語』的お話ではありません!歯医者(歯学博士)さんの書いた、真面目な文学評論です。確かに、わたしがこの本を見つけた棚は、コリン・ウェルソンとかアダムスキーとかサイババとかがずらっと居並ぶ、“ニュー・サイエンス、精神世界”ってトコでしたが(^_^;)…。書店員の過ちでしょう。
 「日本が急速に西洋文明化する中で、西洋文明の“要”である【サイエンス】を漱石と鴎外がどのように消化(昇華)させていったか」って話です。
 この【サイエンス】つぅのは、進化論と、それを正統化の根拠とする覇権主義。
 だもんで、もっと“帯風”にいうと、「洋才にさらされた中、鴎外と漱石はいかに和魂を模索したか?」とでもなるンでしょうか?
 まっ、わたしにコピー・ライターの能力はないので、読んでみてください。今年読んだ本の中で一番面白かったです(^o^)。

 本当は、この本を紹介したく無かったんです。
 だって、これ一冊読んでおくと、昨今の「SFの再定義論争」だの、「○○(適当な作品or作家の名前を入れて下さい)はミステリーか?」だの、「『戦争論』(@小林よしのり)論争」だのの話をするときのネタになるから。
 早い話、「活字表現を巡る、このテの“論争”は明治〜大正期に“決着”がついてるのネ」ってコトを思い知らされます。
 そして、その“決着”のつけ方ってのが……、う〜っ!コレだけは言えない!

 てなワケで、騙されたと思って読んでくださいm(__)m。
 って、もう終わっちゃったョ。
 良い“マクラ”が思い浮かんで、“オチ”も出来ているのに…。それ書くと、“ネタバレ”するし…。
 不完全燃焼であ〜ぁるっ!  


  戻る
目次へ 前回の記事へ