すかっ!?本


C・D・B・ブライアン著『UFO誘拐事件の真相』中央公論新社、1999年

 突然ですが、アンケートにお答え下さい。
@幽霊を目撃する。
A自分の体を離れたような気がする。
BUFOを見る。
C目覚めてみると体が麻痺しており、部屋の中に奇妙な人あるいは何ものかの存在を感じる。
D理由も方法もわからないが、宙を舞っているような気持ちがする。
ETRONDANTという言葉が聞こえる、あるいは見える。この言葉にには自分にとって秘密の意味が有ると思う。
F一時間以上の時間が消えてしまったようだ。なぜなのか、どこに行っていたのかわからない。
G特異な光や、光の球体を部屋の中で見る。原因も、光の出所もわからない。
H体に不思議な痣があるのが見つかる。どうやってできたのか、自分にも他人にも覚えがない。
I子どものころ、あるいは大人になってから寝室やクローゼットで、怪物、魔女、悪魔、そのほか悪者らしき恐ろしい人影を見る。
JUFOの出てくる生々しい夢を見る。

 どうでした?
 この質問のCDFGHの内、一つでも「ハイ」と答えたあなた!すぐに催眠術カウンセラーのところに行ってください!UFOに誘拐されている危険があります(註1)
 因みに、わたしはCFHが「ハイ」でした(・o・)!
 絶対、さらわれてます!
 どなたか、催眠術カウンセラーを紹介してください。
 アメリカで行われた、このアンケートの結果、ナンと370万人もの人がUFOに誘拐されている可能性があるんだって!
 だ、けんど、この370万人って数は、「異星人が、さらった人1人につき1時間の人体実験をするとして、不眠不休で延べ422年もかかる」って指摘がある(註2)


 こんなコトは良いとして、今回、紹介する本の“オビ”には、「アメリカだけでも数十万人のUFO誘拐体験者がいる。もし、彼らの身に起きたと言っていることが本当でないとしたら、いったい何が起こっているのか?」って、煽っている。
 まっ、“煽る”のが“オビ”の宿命だから良いんだけど、でも、一寸、コレはヒドイ。コンなふうに書かれたら、これは“懐疑的な”本だと思うじゃない!
 わたしは、この“オビ”を「アメリカだけでも数十万人のUFO誘拐体験者がいると言われている。もし、彼らの身に起きたことが嘘だとしたら、いったい何が起こっているのか?」って解釈したんです。
 でも、コレって、「本当でない」ってのが「起きたと言っていること」にかかっているのネ…。ハハハ。やられた!
 それに、表紙の「MITからの報告」の文字!
 こうか書れたら、MIT(マサツュセッツ州工科大学)で、研究・発表されたモノだと思うじゃない!違うかッ!エッ、おい!
 でも実は、ただ単に発表の会場がMITであっただけ…。
 引っかかったわたしが悪いんです。反省します。わたしが権威に弱い人間だってことが判りました。そうだよな、清家さん(UFOを作ろうとしている人)も、早稲田で公演したコトあるんだっけ…。


 でね、ココが難しいトコなんだけど、“すかっ!本”か“すかっ?本”かって判断。 懐疑主義者の方にとっては間違い無く“すかっ?”。でも、“ビリーバーを笑うモノ”のわたしにとっては、“すかっ!”なんです。だが、しかぁ〜し!“オビ”が減点の対象になるんだよナァ。騙された(?)わたしにとっては、素直に“すかっ!”が付けられない!
 “オビ”を消し去ってしまえばコレほど笑える人達が出てくるのもなかなかない。読みながら、「そりゃ錯覚」だとか、「その証拠は既に嘘だってことが証明されている」とか色んな突っ込みが出来ます。
 しかも、著者のC・D・B・ブライアンって人は『友軍の砲撃』(思草社、1981年)っての書いてるノンフィクション・ライターだから(註3)、きっと“第三者的”に冷静に“現代アメリカの病巣UFO誘拐”って感じで書いてくれるかと思ったら、たら、たら、たら、イッてしまいました!
 人が、いかにビリーバーに落ちて行くかのドキュメントとして読むと最高に面白いです。なんたって、最後にはUFO見ちゃうんだから!


 んで、この本を快適に、しかも、イッちゃわないようにするための命綱として、カーティス・ピーブルズ著『人類はなぜUFOと遭遇するのか』(ダイヤモンド社,1999年)を読んでおくコトをお勧めします。
 これ読んでからにすると、10倍は楽しめます。
 『UFO誘拐〜』で肯定されているコトの殆ど全てのことが、『人類は〜』で検証・否定されています。
 “タネ”を知っている手品を見るのって楽しいじゃない!
 その手品が大掛かりで派手であればあるほど…。
 通販で、“あの”ビデオが欲しくてたまらないHALがお送りしました。


註1.この本では「UFO誘拐事件」、「UFO誘拐経験者」となっているが、前者は“(UFO)アブダクション”、後者は“アブダクティー”とツウ(?)の間では呼ばれている。
 凄く、うがった見方をすると、「UFO誘拐事件」とするコトで、“ツウ”の胡散臭さを表に出さないようにしたのでは…。
 わたしもタイトルが『UFOアブダクションの真相』だったならば、眉を唾でベトベトにして買っただろうナ。って、結局、買うんかい!

註2.と学会著『トンデモ超常現象99の真相』洋泉社、1997年、61頁〜。
 今回紹介の本を“すかっ!”と読むために必要なお金は、『人類はなぜUFOと遭遇するのか』が¥2900、『UFO誘拐事件の真相』が上下で¥6400の合計、¥9300+税(驚愕)!
 それを少しでも押さえるために、『トンデモ超常現象99の真相』(¥1500+税)を買っても可。

註3.C・D・B・ブライアンは日本では『偉大なるデリフ』が有名だから、“小説家”だと思っている人が多いのでは?
   


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