++ なつかしい++
-ボタンを押すおじさん-
それは今年に入ってからの出来事だった。
正月に実家に帰った私は、久方ぶりに家族と一緒に買い物に出かけた。
買い物に行くときは、いつも車で街まで出る。そして駐車場に車を停めてお店まで歩いていく。
街の駐車場は、どこもそうだと思うが大体が立体駐車場になっている。
だから、車を駐車場に停めてからはエレベーターで移動をしなければならない。
そう、事件はこのときに起きたのである。
買い物を済ませた私たちは車の置いてあるところまで戻ろうと思い、1階のエレベータの前でドアが開くのを待っていた。
少しするとドアが開き、上階から乗ってきた人たちが中から降りてきた。
入れ違いに私たちの横に立っていたおじさんがすっと中に入っていった。
私たちもそのおじさんに続いて中に入ろうとした。・・・が!!!
ドアが閉まる。
何故だ!?!
開いたばかりのエレベーターのドアって、こんなに早く閉まったっけ?と思わんばかりの速さで閉まる。
手でドアを抑えながら無理やり入った。後から続いて入ってくる人も、ドアを手でこじ開けながら入ってくる。
何故だ???
何故なんだっ!!
何故こんなに早くドアが閉まるんだっ!!!
・・・と。
私は気づいてしまった。
一番初めにエレベーターに乗り込んだおじさんの行動にだ。
親切心からだろうか。
そのおじさんは『ドアが閉まらないよう』にボタンを押してくれている。
閉のボタンを。
'02.2.25.MON