笑っていいとも《テレフォンショッキング》―1988年12月19日―
(S:千里くん T:タモリさん)
この日千里くんは白いTシャツに白地に黒のチェックのシャツ、その上にVネックのオリーブグリーンのセーター
S「今日結構朝早くから来てたんですけどね、あの、下がすごかったんで電話を入れて『北の家族』の前からね、電話を入れたんですけどね」
T「あ、こっちに来たのは来たの」
S「来たんですよ」
T「すごかったろう、今日は」
S「えぇ、すごい人だったんで」
T「ものすごいんだよ。俺が車を降りようと思ったらウワーッて寄ってきて、すごいなぁって思ったら、パッて開けたらスッていったの」
S「わははは。そんなことはないでしょう」
T「開いた、開いた。通りやすい、通りやすい。俺が進むにつれて列が開くんだよ、バーって。それで、ここ入れなくて」
S「でもね、『北の家族』が5軒くらいあるらしくて、どの『北の家族』かわかんないって、いつまでたっても来てくれないんですよね」
T「で、『北の家族から』来た?。ここに。ははは。で、迎えにいって、ようやく入った」
S「はい、そうですね」
T「今、レコーディングの最中なの」
S「そうです。来年の春くらいにでるんですけど、ベストアルバムが」
T「あ、ベストアルバム」
S「えぇ、トラックダウンを今やってて」
T「へぇ、いつぐらいまで?今年いっぱいには終わりそうなの?」
S「そうですね。今年いっぱいぐらいで、完成します」
T「それで、年内はそれで仕事終わり」
S「31日まで、大阪でコンサートがあります」
T「31日?」
S「えぇ」
T「自分のコンサート?」
S「そうです。明日、明後日札幌でそのあと横浜に行って、で、大阪。ずっと年内」
T「まだそんなにやるの?仕事」
S「やるんですよ、31日まで」
T「大変だなぁ。札幌?」
S「電話いただいてから、あのあと風邪ひいちゃったんですよね」
T「そうなの」
S「えぇ」
T「土日と」
S「土日ずーっと寝てましたね」
T「熱でた?あぁ、今。俺もね、風邪が抜けないんだよね」
S「肩にきますよね、こう肩。痛い(と首筋あたりに手をやる)」
T「肩にくる?」
S「えぇ。背中」(って、あんたそれは関節が痛くなるとかそんなんじゃないの?)
T「かっ、肩?」
S「腰痛い」
T「腰痛い…風邪?」
S「風邪です」
T「背中にまわっちゃう、風邪が」(と肩甲骨の後ろあたりに手をまわす)
S「えぇ」
T「歌手は辛いね、しかしあの風邪をひくと」
S「咽喉がこるんですよね」
T「咽喉が…咽喉もこっちゃう!」
S「コンサートが終わったりすると、あの、咽喉がこるんですよ。ここらへんがもう太ーくなっちゃうんですよ」(と、首周りに手をやる)
T「あ、そう」
S「えぇ」
T「あのこれ、こない?これ」(と千里くんの首の左側のリンパ腺のあたりを引っ張る)
S「ここきますねぇ。えぇ」
T「これ。これがね」(って千里くんの首の皮引っ張りっぱなし/笑)
S「あ、これこれ」(と自分で引っ張る)
T「これね。そうなんだ。声使う仕事はこれくるんだ。気持ちいいでしょ、これ」(と、まだ引っ張りっぱなし/笑)
S「気持ちいいです。あとここらへんを」(と肘に近いツボをさす)
T「これだ、これ。これ、これ。ここくるでしょ、これ」(とツボを探して押さえる)
S「はぁ」
T「これとこれ。これ。これ」(と首とさっき探りあてたところを押してる)
S「昇天しそうになる」
T「昇天しそうになる(笑)マッサージの人なんかあの、地方に行くとよくわかるね」
S「毎回だからコンサート終わると、マッサージかかるんですよ」
T「このへんずっと触って『首がこるんですけど』『あぁあなた、声使う商売やってるんでしょ』すぐわかるんだよね。でね」
S「顔わかんないんですよね。顔見てもね」
T「そう、そう、そう。俺(髪を)ばらばらにして、眼鏡はずして、お願いしますなんか言ってもね『あぁ声使う商売してますね』『よくわかりますね』ってホントに。ここがこるらしいんだよ、こっち側もくるんだよね。でね、これ喋るってことはね、目もすごく使ってるんだってね」
S「あぁ。視神経」
T「うん、常に、特に俺たちなんかほら、反応を見ながら喋ってるらしいんだよ、こうやって。受けてんのかなぁって。必死にこう見てるんだって。で、面白い話を目をつぶってやれって言われてもちっとも面白くないらしいんだよ。だからね、両方神経使ってこうくる。地方行ったら必ずマッサージとる?」
S「マッサージとります」
T「上手い人って頼む?」
S「うん、それでね、大体『あ、歌手の人でしょ』ってわかるんですよ」
T「そうなの」
S「えぇ。それで『演歌歌手でしょ』って。まぁ心にしみるっちゅう意味では演歌歌手かな、なんつって」(笑)
T「ちゅう意味では(笑)マッサージも面白い人、俺、最近地方行かないけど昔はたくさんいたけどね、最近」
S「最近ね、面白い、あのおばさんなんですけどね、5、60歳くらいなんですよ。『いやぁ効きますよ』『ホント?ラッキー』ってその人」
T「おばさんが?わははは。すごい人」
S「かわいいんですよ。『じゃあ、あんたも歌歌ってるんだったら、あたしも演歌、今歌習ってるんで聴いてもらえますか』っつって。1曲歌ったんですよ」
T「歌った?マッサージしながら?」
S「えぇ」
T「それ、聴くのも…何歌ったの?そのおばさん」
S「えーとね、なんかよくわかんない、中国の民謡みたいなやつなんですけど」
T「中国の民謡?なぁー」(と声を張り上げるタモリさん。笑)
S「そういうやつ」
T「すごいなぁ。俺もいろんな人あったよ。俺、寝ちゃうんだよね。前に話したけど、寝ちゃうんで、先にお金渡して『あの、すいません。寝ちゃったらもういいですから。お金渡しておくから、いいですよ、あの』って。『そうですか、じゃあどうぞおやすみになってくださいって』大体地方行くと疲れるから。それに気持ちいいんだよなぁ、こう思いながら。で、ぐーっていびきかいてるんだよ。あー寝ちゃった、俺寝ちゃった〜って。薄っすら意識はあるんだよ。俺いびきかいてるなぁホントに、あー俺疲れてるんだなぁ。あっまたいびきかいちゃった〜。うっ、はっ、ずずずっと覚めるじゃない。あーまたかいちゃったなぁって。俺と違うリズムのいびきがもう1つ聞こえてくるんだよ。おかしいなぁと思ってふっと目を開けたら、俺の後ろでマッサージさんがぐーって寝ちゃって。で、この野郎かなんか(笑)で、ばれる?」
S「うーん、いや、ばれないです」
T「ばれない」
S「ほとんどわかんない」
T「ほとんどわかんない」
S「えぇ。大江千里って言っても、あの、漫才師ですか?とかね」
T「海原千里、万里とまちがえてる。あの本名じゃないでしょ、大江千里って」
S「いや、本名です」
T「本名なの?」
S「本名です」
T「えー」
S「妹もマリっていうんですよ」
T「万里って書いて?」
S「万里って書いて。嘘みたいなホントの話で」
T「ホントに?」
S「えぇ」
T「じゃ、2人揃うとホントに漫才だねぇ。大江千里、万里っていうの。あらぁ、兄妹2人?」
S「えぇ、兄妹2人です」
T「へぇ。妹さん何やってるの、音楽関係じゃないの?」
S「商社に」
T「え?」
S「アパレル関係の商社に」
T「勤めてるの。へぇ。誰が、お父さんがつけたの?大江千里って」
S「多分そうだと思うんですけどね」
T「お父さんは何ていうの?大江」
S「親父はトキオっていうんです」(トキオのイントネーションはTOKIOって感じで)
T「かっこいいね」
S「時間に男って書いて」
T「TOKIOって感じだねぇ。ナウい一家だねぇ。TOKIO、大江TOKIOかなんか。時男っつったらだめよ。間が抜けるから。時男ちゃんです、じゃない。TOKIO。息子の千里です。かっこいいねぇ。娘の万里です。まんりって書きます。ってんなことは言わない。お母さんは何ていうの?」
S「ミヨコっていいます」(ミヨコのイントネーションが関西なまり)
T「あっ、ミヨコ?大江ミヨコ…平凡だねぇ。ミヨコでしょ」(とイントネーションを正す)
S「そうですね」
T「ミヨコって、ありゃヒヨコ」(と同じイントネーションでしゃべってるというツッコミ)
S「あ、そうですね」(爆笑)
T「関西かぁ」
S「関西なんです」
T「関西だったらそうなるんだよね。チェッカーズなんかも家族紹介するときは全然違う、発音が違うっちゅうからね。あ、そんな時間?じゃお友だちを紹介して…(会場からのエーッって声に対して、おねえ言葉で)あんたたちが騒ぐから長引くんじゃないの。この時間の半分はあんたたちが『えー』とか『わー』とか『欲しい』とか言ってるから私腹をたてて、あんたたちと喋って、半分の責任はあんたにあるの。私は司会もまずい」(タモリさん絶好調/笑)
S「タモリさん」(と、タモリさんの背中に手をやって、一応止める)
T「そりゃ確かに進行もまずいところもある」
S「タモリさん、タモリさん(と、もう一度止める)それで数少ない友達の中からTMネットワークを」