はっぱくんは
立派な樫の木に生えた
はっぱたちのひとつでした
そんなはっぱくんに
いつかやってくるはずだった
散ってしまう日が
やっぱり
やってきたある日のことです
もう枝からはなれるのも
間近と言うとき
はっぱくんをじっとみている
ひとりの男の人がいました
男の人がじっと見ていたそのとき
はっぱくんは枝を離れました
男の人はそれに一瞬驚いた後
涙を浮かべました ゆっくりと舞うはっぱくんをみながら
「どうして泣いているんだい」
「いやなんでもないよ」
「僕が散っていくのに泣いてくれているのかい」
「いやそれに自分を重ね合わせて 自分に同情して泣いているだけだから 気にしなくていいよ」
「そうなの」
「うんだから君は僕のことなんか気にしないで 勝手に散って土の養分になって 生態系の一環となってくれたまえ」
「うん わかった」
「僕は僕君は君で何の関係もないのだから 君のために何か泣くわけがないじゃないか」
「うん わかった でも僕は僕のために泣いて欲しかった じゃあね」
「じゃあね」
はっぱくんは散りました
男の人は去りました
そしてはっぱくんは土の養分に
そしてしばらくしてからその男の人も
おなじ土の養分になりましたとさ
ちゃんちゃん