Long Hair
「長い髪が好きなんだ」
そんな風に言われたら髪を伸ばすしかないじゃない。
だって少しでもアナタ好みの女になりたいんだもの。
人に話すのは照れくさいから誰にも言わずに、伸ばしてみた。
だけど、秋にアナタが選んだアノ子はショートヘアの元気な子。
嘘吐き。
冗談じゃない。
頑張ってきた私の努力は何なのよ?
失礼しちゃう。
なーんて、声をあげて怒れるワケもなく。
かと言って何もせずにいるのも苦しくて。
古風な私は髪を切ろうと思ったけど無理だった。
だって髪を切ったらアナタの方ばかり見ちゃうもの。
でも楽しそうに笑ってる二人を見るのは無理。
だから私は髪を伸ばしつづけた。
少しうつむくだけで、視界に髪が入るように。
そんな気持ちで半年。
冬が過ぎて春が来て
もうすぐ夏がやってくる。
私の髪もかなり伸びてきて
もうすぐアンタが好きだって言ってたロングヘアになるよ。
もうとっくにふっきれた。
あいにく私はそんなに一途じゃなかったみたい。
だけどやっぱ髪は伸ばしつづけようと思う。
でも、今は前を見ないためにじゃない。
風を切って歩きたいから。
今はもううつむいたりしない。
前を向いて、胸を張って歩いてる。
髪は女の命なんかじゃない。
ロングヘアは私のプライド。
風を切って歩くのが
最高に気持ちいいって事、
気づかせてくれたアイツに感謝だわ。