10月の歌  我のみやあはれと思はむきりぎりす
なくゆふかげのやまとなでしこ 素性法師
素性法師は古今和歌集に37種もの歌を残していますが、どれもこれも目立ち過ぎず、繊細な良さがあります。。
この歌の意味は、きりぎりすの鳴く秋の夕暮にひっそりと可憐な撫子が咲いている。。
こんな情景を自分だけで眺めているのはなんとも惜しいなぁ。。というものです。
しみじみとした秋の夕暮れを歌った歌ですね。。
撫子というのは薄紅の背丈も膝くらいのさほど目立たない草花です。。
そんな花に目をとめる素性法師という人はなんとも優しい、なんとも素晴らしい感性を持った人だと思いませんか?
秋の物悲しい、寂しげな情景、その中でこの可憐な撫子がほんのりとした優しさを分かち合いたい、そんなふうに私には思えます。。
もう一つ素性法師の素敵な秋を歌った歌を紹介しましょう。。
もみぢばのながれてとまるみなとには
紅深き波や立つらむ 素性法師
これは古今集の下巻におさめられた歌ですが、いいですねぇ。。。
歌の意味は読んでごとく、水面に散ったもみじの葉が流れ流れて止まった先にひときわ濃い紅の波がたっている。。というものです。。
やはり素性法師という人は人が見逃してしまいそうな美なるものを繊細に感じとって歌ってしまう。。そういう良さにたけた人だと思います。。
こんな男性と恋をしてみたい。。
さぞかし素敵な心を打つ恋文をいただけるのでしょうねぇ。。。。
この歌は実は実景を歌った歌ではなく、二条の后の東宮のみやす所にある屏風に書かれた竜田川に流れる紅葉を見て歌を詠んで。。と言う詞書に基づいて作られた歌です。。
この時に作られた違う人の歌を紹介しましょう。。
ちはやぶる神代もきかず竜田川
唐紅に水くくるとは 在原業平
うふふ。。。私の好きな業平の歌を紹介しちゃいます。。
同じ情景を見て、業平ならこんなふうに歌う訳です。。
歌の意味は、神代の時代(ちはやぶる:神の枕言葉)には様々の人知では計り知る事の出来ないような不思議な現象があったものだけど、そういう神代にあってさえもこの竜田川が唐紅に水をくくり染め(絞り染めの事)にするなんていうことは聞いた事もない、というものです。。
素性法師に比べても、なんとも強引な持っていき方ですね。。
しかし、この強引さが、また、業平らしいのです。。
詞書にあった二条の后というのは、藤原長良の娘、高子のことで、清和天皇の女御になって陽成天皇を産んだ人ですが、業平と恋愛関係にあったものの、強引に引き裂かれた。。という記述が伊勢物語にもあります。。
つまり業平は昔の恋人の家に飾られている屏風の為に歌っているわけです。。
しかし、同じ屏風を見ても、これだけ違う歌になるのですね。。
繊細な感性の持ち主で優しい素性法師、猛々しい情熱と力強さを持った遊び上手な業平。。
私としては、両方とも捨てがたい。。
う〜〜ん。。どっちか一人、なんて、決められませんわぁ〜〜♪
オパール物語 
オパールと一口にいうと、どちらを想像するだろう。。
通常、オパールと云うと、白色に七色の輝きのある種類(プレシャス・オパール)と青系に七色の輝きのあるブラックオパールと思われがちだが、実は、種類がとても豊富にあるのだ。
他にはガラスのような、ウォーター・オパール、普段は白濁しているが水につけると透明になるハイドロ・オパール、黄色、オレンジ、赤の種類のあるファイアーオパール、他にも、ボールダー・オパール、ボッチ・オパールなどがある。。
主な産出国としては、ブラック・オパールはオーストラリアで、オパールの中でも、価値の高い方に属し、通常、カボションカットが施される。。
私はこのブラックオパールが大好きで、父がオーストラリアに行った時には是非、と云うことで、指輪を買ってきてもらった。。
プレシャスオパール、ファイアー・オパールは中米が原産で、メキシコのオパールは有名である。。
通常、オパールはカボションカットにされるのだが、ファイアーオパールはブリリアントカット、又は、ステップカット(長方形のエメラルドなどに用いられるカット法)にされる。。
オパールの光沢は一種独特のものがあって、人気も時代によってことなり、不運の印とされていた時代もあった。。
激しい、温度変化やショックに弱く、破損し易い事などよるからだろう。。
オパールを扱う時は特に、丁寧に扱ってほしい。。
10月の唱歌 
[ 野菊 ]
遠い山から 吹いてくる
こ寒い風に 揺れながら
気高く清く 匂う花
綺麗な野菊 薄紫よ
秋の日差しを 浴びて飛ぶ
とんぼをかろく 休ませて
静かに咲いた 野辺の花
優しい野菊 薄紫よ
霜がおりても 負けないで
野原や山に 群れて咲き
秋の名残りを 惜しむ花
明るい野菊 薄紫よ
[ もみじ ]
秋の夕陽に 照る山もみじ
濃いも薄いも 数ある中に
松を彩る かえでやつたは
山の麓の 裾模様
谷の流れに 散り浮くもみじ
波に揺られて 離れて寄って
赤や黄色の 色様々に
水の上にも おる錦
10月の懐しい歌 
[ 冬が来る前に ]
坂の細い道を 夏の雨にうたれ
言葉探し続け 別れた二人
小麦色に焼けた肌は 色もあせて
黄昏私一人 海を見るの
冬が来る前に もう一度
あの人と めぐり逢いたい
秋の風が吹いて 街はコスモス色
あなたからの便り 風に聞くの
落ち葉積もる道は 夏の思い出道
今日も私一人 バスを待つの
冬が来る前に もう一度
あの人と めぐり逢いたい
[ 誰もいない海 ]
今はもう秋 誰もいない海
知らん顔して 人が行き過ぎても
私は忘れない 海に約束したから
つらくても つらくても 死にはしないと
今はもう秋 誰もいない海
たった一つの 夢が破れても
私は忘れない 砂に約束したから
淋しくても 淋しくても 死にはしないと
今はもう秋 誰もいない海
いとしい面影 帰らなくても
私は忘れない 空に約束したから
一人でも 一人でも 死にはしないと |