| 会報2007年5月号(214号)より |
過酷な決断~その後
Tessyu & Winnie 凸凹Brothers
***** 穏やかな日々*****
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先月号では、鉄舟の件で大変ご心配をおかけしました。鉄舟は、もう大丈夫です。
4月9日、三重県の病院の担当医から『病理検査結果が出ました。病名は“複雑性歯芽腫”といい、きれいに切除できたという結果が出ましたので転移はないでしょう。早期に発見し、早目に手術を受けたのが良い結果となったようですね。』と電話報告がありました。
かかりつけ病院の院長からも『口の中の出来物は悪性のものが多く、気がついた時には処置できない場合が多いのですが、良性で切除も完全ということでしたので、まずは安心してよいのではないでしょうか。もうQOLが低下する心配がないわけですから、手術をして本当によかった。』とのメッセージをいただきました。
皮膚面や内臓の摘出などの手術と違い、口先を切除するというのは人間的感覚ではとても残酷な気がしましたが、術前に『犬にとって何の不自由もありません』と奥田先生が言われたように、鉄舟は今まで通りに自分でフードを食べ、お水も自由に飲めるようになりました。大好きな テニスボールも、咥えるときにストッパーとなる下犬歯2本がないので、最初のうちは咥えたつもりが空振りばかりで『なんで咥えられないの!』訴えるように吠えていましたが、今では奥の方でパクッと上手に咥えて運べ、ハグハグして遊ぶようにもなりました。それに下顎先は、マズルと舌先に隠れて殆ど見えないので、散歩時に顔見知りの方と出会っても誰も気がつかないようです。私達も今までと変わらない気持ちで過ごせるのが不思議なほどです。
鉄舟は、胃捻転のときも信じられないくらい多くの幸運に恵まれて生還しましたが、今回も大きな幸運に守られていたような気がします。
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今回の件で検査をしたとき、足が弱って蹴躓く件を担当医に相談していましたので、CT
で背骨の状態も診てもらえました。『年齢の割りに背骨の損傷はなく、足の弱りは加齢によるもの。加齢によるものは治療できないが、ゆっくりでも毎日歩き散歩をすることが一番大切』とのこと。散歩で蹴躓きながら歩かせても大丈夫なのか?と心配でしたが、これからは安心して、鉄舟の大好きな歩き散歩を楽しませてあげられます。暑さに敏感な鉄舟は、日差しが強い日は途中休憩が多くなりますが、一人で2頭一緒の散歩にも慣れた私は、幼児二人連れて散歩しているような愉快な気持ちになり『人間の幼い子だったら、こんなのんびりした気分でのお散歩は無理だよね・・・』なんて考えながら、穏やかなひとときを満喫しています。
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川辺で2頭が伏せて休憩していると、『おとなしくてお利口ですね』『綺麗なワンちゃんですね』『オスとメスですか?』など声をかけてくださる方も多く、あの過酷な手術後に、こんなにも穏やかな時間を過ごせるとは思ってもいませんでした。
手術してもらって本当によかった・・・。
退院直後は、縫った箇所が口の中なので細心の注意が必要でした。
足で耳や頬の辺りを掻いたときに、口に爪が当たる危険がありますし、食後にマットの上で口元をスリスリする子なので、術後10日ほどは口を擦ることは絶対禁止。鉄舟は今まで傷口を気にする子ではないので、去勢や胃捻転の手術後もエリザベスカラーで保護したことはなかったのですが、今回はトイレ出しと散歩時以外は保護カラー使用。10日ほど唾液と一緒に出血があったので、タオルをカラーに挟んで小まめに取り替え、常に患部が汚れないように注意。
食事は、食器の底に患部が擦れると縫った箇所が切れる危険があるので、退院時に担当医が食べさせ方を実演して下さいました。缶詰を1口大のお団子にし、少し上向きにさせて口の奥に転がすように入れて食べさせます。傷口を気にして、なかなか上手に飲んだり食べたりしない子がいるそうで、鉄舟が術後2日目から上手に食べたので担当医も安心しておられました。お椀に口を押し付けてガツガツ食べるウィニーと違い、鉄舟は舌を使って静かに食べる子だったのが幸いしたようです。一口ずつお団子状にして手で食べさせたのは術後10日ほどで、今は普通にフードを殆どこぼさず上手に食べています。
検査時と手術の2回も全身麻酔をして、大きな手術を受けたことは、高齢犬にとって大きな負担だったようです。術後1ヶ月経った頃から、ようやく目に輝きが戻り復活したのを実感しました。
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前号のお散歩記事の中に、ウィニーは鉄舟がいないと弱虫だという話を書きましたが、実は三重の病院に行ったとき、鉄舟が検査室に連れて行かれ、鉄舟の呼んでいる声が奥から聞こえて来た途端、待合室で待っていたウィニーは物凄い勢いでリードを引っ張って奥へ行こうとし、静かにするように宥めると、今度はビックリするほど悲壮な声で『お兄ちゃんが大変だ!』『助けに行かなきゃ!!』と泣き叫び、鉄舟の元へ行こうと大騒ぎ!
待合室にいた他の方たちも大笑いでしたが、うるさくて迷惑なので主人と一緒に車の中で待機。でも、なんと帰る前にトイレをさせたら、ストレス性のひどい下痢便! それに、鉄舟が入院した2日間は自宅で殆ど動かず、いつもなら入れたお水を全部がぶ飲みする子なのに一口も飲まず、1頭飼いはこんなにも静かで楽なの?と思うほど、1日中クッションの上で固まっていました。肥満細胞腫で何度も手術を受けているウィニーも、血液検査とエコー検査をしてもらいましたが、『ウィニーくんの方が甘えん坊ですね』と担当医に言われるほど検査室でも固まって動かず大変だったようです。
検査が終わって待合室で待つ私達の方へ出て来た時は猛ダッシュで、担当医が転びそうな感じで引っ張られ出て来ました。 |
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ウィニーの今回の検査結果では、特に異常はなく『昔は肥満細胞腫になったら長生きできないと言われていましたが、今は、とにかく小さい内に見つけ早期に手術することで、長生きする子も多いです。』と言われました。ウィニーの場合、いつも1~2mmぐらいで見つけて手術しているので、大事になっていないのかもしれません。
『超音波検査は、血液検査では分からないデーターが出るので、超音波検査も毎年受けることをお勧めします。』とも言われました。不安な症状がないと、超音波検査を気軽にして下さる病院は少ないですが、飼い主側から無理にでもお願いして検査した方が良さそうです。どんな小さな異変でも、早めに気づくことができるのは飼い主。痛いとか苦しいとか言えない愛犬の健康を守るためにも、これからもいろいろ気をつけていこうと思います。
穏やかで癒し系の鉄舟と、天真爛漫のパワフル ウィニーとに囲まれて、楽しく過ごせる今を大切に過ごしたいと思います。
元気になった鉄舟の全快祝いを兼ねて、6月のホタルシーズンに和歌山の『パートナーズハウスゆあさ』を予約しました。
鉄舟、元気になってくれて本当にありがとう!
今はこういう気持ちでいっぱいです。
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