3月1日

『新麻雀放浪記』 阿佐田哲也:著

大学生の頃、麻雀の中毒患者だった。
当時は熱病にうなされていて、何処にひかれたのかわからなかったが
この本を読んでおぼろげながらわかったような気がする。
坊や哲も40を過ぎ、ひよっこという若者に師匠と呼ばれるようになり、
思い出を語っている。
「(ドサ健は)性格破産者だったが、えらい奴だった。ドサ健は、どんな時でも
いつも体を燃やしていた。そうして、もうこれでいい、なんて金輪際思わない
男だった。」
当時の私は、何かに情熱を燃やしたかった。そして、選んだのが麻雀だった。
たかが麻雀と言われるかもしれないが、仕送りやバイトでためた、なけなしの
金(いわばその時の全財産)を賭けているのだから、博打をしている気に
なっていたのだろう。
しかし、情熱だけで勝つ事は難しく、私は負け組みにいた。
弱いから負けるというのはわかるのだが、なぜ弱いのかが
わからなかった。
そして、博打で生きて年老いた坊や哲はさらりという。
「・・・今、捨てられた牌は、今捨てなければならないぎりぎり決着の牌で
なければならない。・・・」
情熱だけではなく、どこか醒めた目で現実を見ろ。
本当に今、必要な事なのか?
本当にそれなのか?
本当にそれでいいのか?
現実の自分を冷静に分析することで、自己を高めていく。
どこかしら禅にも似た心境に達していかないと、博打で勝ち続けることは
難しいんだろうな。
改めて1芸に秀でることの難しさを教えられた本です。

今日の教訓 『たかが麻雀、されど麻雀』


3月2日

『鉄塔武蔵野線』 銀林みのる:著

少年が少年でいられる夏の日。
子分のアキラ君を従えて、愛車の自転車にまたがり、
秘密の鉄塔巡りをするファンタジー。
もしかしたらこの作者は、小学校5年生ぐらいから日記をつけていて
それを読み返しながら書いたのではないか、と思わせるほど
少年の心象を豊かに書き綴っている。
不思議を探究して自分の力で解明したいという欲求、
大人から見ると荒唐無稽な事でも少年は真剣だ。
どういう結末が待っていようとも進んで行く。
とにかく前進することが重要なのだ。
そういう事に真剣になれるのは少年時代だけ、そして、
その時代に真剣になれた少年をうらやましく思い、
羨望のまなざしで読み進んでいた。
読者に「私にもこういう時代があったかもしれない」と
思わせる、心憎い小説である。

文庫化されるにあたって、ラストを書き改められているが、
私は改められる前のを読んでいない。
しかし、この小説のラストはハッピーエンドなので、
個人的に良しとしたい。

今日の教訓 『少年の日々、近いようで遠い空・・』


3月3日

『絶対音感』 最相葉月:著

絶対音感というと私がすぐに思い浮かべるのは
テープを聞きながら五線譜に音符を写していく友人の姿である。
残念ながら私にはそういう才能がなかったので、曲をコピーする
時は、ギター片手に何度も繰り返し聞きながら音を拾っていた。
絶対音感への憧れが根強くあった。
しかし、この本を読むと演奏家全員が持っている才能ではないこと、
音感よりも音楽をどうとらえるか、どう訴えるかが重要なことだとプロの
演奏家が指摘している。
「絶対音感」という音楽の一部分を評しながら、ついには「音楽とは」という
深いテーマにせまっているように思われるノンフィクションだ。
英才教育を受け、若くして世界の演奏家と注目された方々のインタビュー
を読むとそこには、「音感に対する鋭さ」よりも「音楽に対する真剣さ」
を求められる世界が見えてくる。

著者は言う。

「・・・音だから耳と近いものを思ったのでしょうが、僕にとって、
音はここなのです。」
渡部(香津美)はそういうと、右手に胸を当てたのだ。私はそのとき、
ベートーベンの言葉(「心より出ず。願わくば再び心に至らんことを」)を
想起し、そこに至るまでの道のりの遠さに返す言葉を失ったのである。

絶対音感という言葉の持つイメージ、「音楽家の必須アイテム」のような
感じから、「必要だけれどもそれだけで音楽家になれるんじゃないよ。
音楽は心だよ」と演奏家から指摘されている。
こういう場面は何度も出てきており、その度に同じように諭されている。

「音感」というものに科学的に取り組んでいる例や科学者のインタビューが豊富で
なるほどと思わせるが、やはりプロとして演奏している方々の話しや体験談
の方が心に染みてくる。
学生の頃あんなに、憧れていた「絶対音感」というのは技術の1つであって、
才能を補助するだけの道具なんだなと、妙に納得した。

今日の教訓 『道具は使う物、道具に使われないように』


3月4日

『仄暗い水の底から』 鈴木光司:著

 大量の水がある場所、流れ込んでくる場所には、時として余計な物が
潜んでいる。
 それが様々な人々の怨念だったり、執着心だったりしたら・・・
 この短編集は、プロローグから始まり、どこにでも潜んでいそうな、
非現実的な風景が硬質な文体で淡々と語られる。
 あるときは子供の霊だったり、ある時は生者が抱えている怨念であったりする。
そして、最後の短編「海に沈む森」とエピローグで、潜んでいるのは
闇だけではなく、「希望」も潜んでいると著者は語る。
 まるで、パンドラの箱のような短編集だ。
 明るい希望を、力強い希望を読みたい人は、プロローグ、「海に沈む森」
エピローグと拾い読みするといいだろう。
 が、闇と光の相対する効果で、より強く明るい希望を感じたいのなら、
この短編集に収録されている順序で読み進め、たっぷりと闇を堪能してから
力強い希望を読むといいだろう。
 どろどろした海のヘドロの中から、『水』に潜む闇から、小さいが
力強い希望の光を見い出すことが出来る。

今日の教訓 『力強い希望は強い意志から生まれ、闇を照らす』


3月5日

『生と死の幻想』 鈴木光司:著

 普段何気なく自分の住所やら電話番号を書いている。
 写真の現像、レンタルビデオの会員証、アンケート、
 考えてみれば、これは凄い怖いことだ。
 書いているときは、会社や組織に対して書いているつもりで
プライバシーは保護されていると錯覚しているだけ。
 その情報をチェックするのは、赤の他人なのだ。
 その赤の他人が、何かの拍子で個人の情報に興味を持ったら・・・
 ストーカーするのなんて簡単になる。何故なら、ストーカーしたい相手が
自分から情報を書いてくるんだから。

 そんな恐怖を書いている『闇のむこう』などの短編を6つ綴った短編集である。
 そして、この本は著者がまだ小説で売れていない頃のエッセイのような趣も
ある。
 妻が働き、自分は子育てをしながら家庭教師のアルバイトに精を出している
『紙おむつとレーサーレプリカ』などは、著者の昔の姿に大分重なる
のではないだろうか。

 この短編集6編に通じているのは「生きる」ということ。
 生きることを貫くために、主人公となる男性は決断をせまられる。
 その主人公とて、特殊な能力や強靭な肉体があるわけでもなく、
いわば、何処にでもいる普通の男性である。
 その男性が「生きる」ということを選択した場合に否応無しに、暴力の世界を
切り開いていかなければならなくなる。
 愛する妻や子を守るためなら最後まで戦い通す強い意志、「生きる」という
強い意志だけが肉体を支えている。
 著者の骨太の文体の底には、こうした「生きる、生き抜く」という強い
意志が流れているように感じる。
 『リング』や『らせん』などの底辺に流れる「生きる」というテーマの原形が
ここにはあるのかもしれない。
  

今日の教訓 『生きるために、戦え!』


3月6日

『新しい歌をうたえ』 鈴木光司:著

 作者の初のエッセイ、期待して読みました。
 「リング」や「楽園」などの裏話などが読めて結構楽しませてもらった。
 こういう内輪ネタのようなエッセイを読むとき、何かうしろめたい
気持ちになるのは私だけだろうか。他人の房事を覗見るような感覚、
着替えを襖のすき間から覗く感覚、そういうのに似ている気がする。
 だが、このエッセイは作者が文体を模索している姿、子育てをしている姿など
等身大の姿が見えてきて共感を覚える事の方が多い。
 また、しっかりした文体というのは、こういう風にしっかりした考え方
しっかりした観察眼が必要なのだなと改めて知った。
 「リング」や「仄暗い水の底から」のようなホラーのイメージが定着しつつある
作者であるが、そこには深い人間への敬意と愛があるように思われる。
 人間への敬意と愛、それを光とするなら、それに対抗する闇は光が強い分
だけ際立った存在として浮上してくる。
 その闇を「どこにでもありそうな」現実として見せる作者独特のホラー世界は、
闇だけが単体で存在することではなく、光の強弱で闇を作り出しているところに
あるのではないだろうか。
 

今日の教訓 『やっぱり愛がなくちゃね!』


3月7日

『楽園』 鈴木光司:著

 '90年の日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した著者のデビュー作
である。
 (実際は『リング』の方が先であるが、そのいきさつは『新しい歌をうたえ』に
詳しく書いてある。)
 有史以前のモンゴルで部族間の争いによって離ればなれになった妻を追い求める男の思いが
1万年の時を超えて成就するファンタジー。
 一頃の「思いつきだけファンタジー」と一線を画しているのは明確だ。
 しかも、第一章「神話」がいいタイトルで、内容もすこぶるいい。
 この小説の解説に「物語の始めとして神話はファンタジーそのものではないか」
と書いていあるが同感である。
 妻が敵部族に捕えられ、ユーラシア大陸からベーリング海を渡りアメリカ大陸に
連れていかれ、夫をその妻を追うために、太平洋を渡りアメリカ大陸を目指す。
 夫は「赤い鹿の精霊」に認められた勇者であり、強靭な肉体と意志を持っている。
 そして、第2章の「楽園」では、南海の島で突如として現われる「赤い鹿」の壁画。
 「おおお〜〜〜!!!」遥かユーラシアからここまで来たのか・・・
 感動である。(解説を書いている作家もここで、多いに感動したらしい)
 ラスト第3章「砂漠」では・・・
 この続きは直接読んだ方が面白い。が、私個人の意見としては、やはりラストが物足りない。
 ちょっと拍子抜けするんだが、それでも読み切らせてしまう作者の力量はたいした
ものだ。
 この小説は著者が自分の奥さんへの思いを書いた小説だということを考えると
ファンタジー+ラブロマンスになるかもしれない。
 

今日の教訓 『愛は、何万年の時を超えても色褪せない!』


3月8日

『光射す海』 鈴木光司:著

 これを読んで、「小説の書き方」みたいのがあるなら、こういう
小説を研究すればいいんだろうなと思った。
 インパクトに欠けるが、ストーリーの展開、伏線のはりかた、
意外な結末、余韻を残す締めくくり方、一通り入っています。
 また、読み方によっては集めた資料の活用方の参考にもなるでしょう。

 妊娠した一人の女性が、自殺未遂で精神病院に担ぎ込まれる。
 女は自らの意志で意識を閉ざしている。
 男は遠洋漁業に出ている。その女から逃げるために。
 そして、その二人を再び結び付けようとしているのは、自殺未遂をおかした
一人の青年の手紙。

 気になってきたでしょう(笑)

今日の教訓 『言い過ぎないのも、感想文の良いところ』


3月9日

『死国』 坂東眞砂子:著

線が細い作品です。
伏線も弱いし、物語を結び付ける要素も弱い。
映画化されたので期待して読んでみたのだが、期待外れだった。
書きだしは、物語の異様さを演出するいい書きだしだったのだが、
物語中の挿話のリンクがおざなりで、安っぽい恋愛小説にも似ている。
女性独特の繊細な感じかなと思ったのだが、もう一歩恐怖に踏み込めて
いない。
私個人の考えだが、女性は「恐怖を宿す」という事から本能的に逃げてしまう
のではないだろうか。
新しい霊魂を宿す(子を産む)肉体が、「恐怖を宿す」ことに対して生理的な
拒否反応を示してしまうのだろう。
著者が踏み込めないでいる恐怖の領域に、『死国』という世界が
展開しているような気がしてならない。
久しぶりに「あまり褒められない小説」に出会った。

今日の教訓 『線は弱くても、作りはしっかりしてね!』


3月10日

『種の復活』 北上秋彦:著

 青森で天然痘、隠岐諸島では超エイズ(空気感染するエイズ)、熊本ではペスト、
3つの凶悪伝染病が日本列島を襲う。
 相変わらずスケールの大きい小説である。
 日本は伝染病に対しての防疫システムが極端に悪く、一旦伝染病が流行したら
自然に下火になるのを待つぐらいしかない。
 ごく最近ではインフルエンザがいい例だ。
 しかもワクチンを製造するにもバイオハザード・レベル4のものがなく
(宇宙服を着用して細菌の研究をする施設)
エボラ出血熱のような強力に空気感染する未知のウィルスに対しては殆ど無防備に近い。
 そういう日本の弱点を浮き彫りにしながらストーリーが展開していく。
 そして、エイズに感染しても発病しない免疫システムを「縄文人と弥生人」の
関係から掘り下げていくあたりはさすがだ。
 ただ、この陰謀を仕組んだ黒幕の描写が弱く、ラストが若干拍子抜けしてしまう。
 もう少し、黒幕の精神の歪みや、なぜ歪んできたのかの描写があると一層現実味が
増してくるだろう。

今日の教訓 『何度も言うけど、最近ラストが弱い小説が多い!』


3月11日

『迷路館の殺人』 綾辻行人:著

探偵物のミステリーというのを久しぶりに読んだ。
しかも入り組んだ構成、人間関係など推理力を働かせるのには
うってつけの作品だろう。
そして、はまってしまう作家の一人に違いない。、
解説を読むとどうやら『アヤツジスト』なる人達がいるらしい。
著者の作品を読むあまり、はまってしまう人達の事のようだ。
確かに、推理していく場面や証明する場面などは、かなり面白い。
私も躍起になって乏しい推理力を駆使して、解けた!と
思ったのも束の間、最後はあっというまにそれをひっくり返されて
しまった。
なかなか気持ちいい裏切られ方をした。
感想文と言いながら、内容には一切触れない方がいいだろう。
この感想文を読んで『読んでみよう』と思う方がいるかもしれないから。
まんまと騙されたのが私一人ではちょっと悔しいではないか(笑)

今日の教訓 『どうせなら、みんなで騙されようよ!』


3月12日

『青春漂流』 立花隆:著

私はこういうドキュメンタリーのような対談集が好きだ。
登場人物の殆どはこの本を手にするまでは名も知らぬ人達ばかりであるが、
熱い生き方には共感してしまう。
自分の生き方を真剣に模索し、行動し、そこから得た知識から
新たにまた出発する。
飽くなき探究心と努力を継続していく強い意志。
そして、その強い意志が招き寄せるような恩師(恩人)との出会い。
チャンスが巡って来たとき、躊躇せずつかみ取れるのは、そうした
努力の積み重ねによる自信だろう。
『生きる』ということは、自由とか平等とかそんな安っぽい耳障りのいい
言葉だけですむ問題じゃない。
もっと地道で真剣に進む事なんだ。
忘れかけていた『ひたむきさ』、『情熱』という言葉を
思い出させてもらった。

今日の教訓 『真剣に生きてこそ道が開ける!』


3月13日

『呪医』 西村寿行:著

 いつもながら西村氏の作品には引きづり廻される。
 綾辻氏や京極氏の作品が理論によって徐々に絡めていき
迷路に誘うのとは違って、西村氏のは強引に網でさらって
いくような感じだ。
 根こそぎ、西村氏の世界に連れて行く。
 この小説は植物と意志を通わす事の出来る少年が
その純粋さゆえから復讐の固まりとなり、呪をかけ実行していく
という話しだ。
 そして、その呪によって植物に殺されていく人々、救われていく人々、
そうこうしているちに、国家機関が少年を拿捕しようと大挙してくる。
 西村氏お決まりのパターンであるが、なんせ網をかぶせられて
一気に小説の世界に放り込まれているわけだから、いつの間にか
手に汗握る大活劇を楽しんでいることになる。
 ストーリーが緻密であるとか、理論的であるとか何処吹く風。
 一切おかまいなし。
 ジェットコースターに一度乗ったら最後まで黙って乗っているしか
ないでしょ。
 専門書を読んだ後とか、仕事が1段落した後、たばこを吸うような感覚で
楽しめる作品です。

今日の教訓 『やっぱり、いきおいってもんが必要だ!』


3月14日

『パラサイト・オブ』 瀬名秀明:著

 これは映画を見てから読んだ本である。
 映画の方は葉月里緒奈を堪能した記憶だけが残っている。
 そして、本を読んで見るとイメージが葉月里緒奈とかぶさって
本から見えてくるイメージとのずれでちょっと嫌な感じがした。
 同時に、科学的、学術的用語のオンパレードに少々とまどって
しまった。
 発想はユニークだし、文章もしかっりしているのだから
もっと主人公の『狂気』を際立たせて欲しかった。
 一辺の肝細胞を培養しているだけで、最愛の妻が『生きている』
と思い込む様子や、細胞に妻の面影を見るという変執的な愛情表現
にもっとスポットを当てて、主人公の狂気を増幅していくような
ストーリーなら面白いだろうな。
 そういう人間の『狂気』を期待していたんだが、学術用語の嵐に
からめとられれて、今一歩、読んでいても狂気が伝わってこない。
 その点だけが非常に悔やまれる。
 でも、面白いよ(笑)

今日の教訓 『精緻に狂気を増幅せよ!』


3月15日

『本所深川ふしぎ草子』 宮部みゆき:著

 最初の2〜3ページを読んで『うまい!』とうなった。
 文の書き出しから情景の描写など無駄なものがない。
 江戸は深川にまつわる7つの不思議な言い伝えをモチーフに
人情をからめ、捕り物の話しから一歩進んだ作品になっている。
 私は日本人なので、この手の人情話しに弱い。
 しかも、推理小説のようなちょっとした謎解きも味わえるので
2度おいしい思いをした。
 著者が直木賞を受賞した作品は、まだ読んでいないが期待できそう
なので後にとっておくことにしよう。
 著者が書いた時代ものをもう少し読んでみたい。
 水戸黄門を見て楽しんでいた世代なら、この小説は間違いなく
楽しめる作品です。

今日の教訓 『時代物の娯楽的な要素は、水戸黄門にあり!』


3月16日

『推理小説常習犯』 森雅裕:著

 表題の脇に小さく「ミステリー作家への13階段+おまけ」
と書いてあるので好奇心から読んでみたら、小説作法の部分も
少しあるのだが、殆どが「作家VS編集者」の暴露本である。
 この人、仕事ほされるんじゃないのかなと、他人事ながら
心配してしまった。
 ありきたりの作家への道(いわゆる小説の書き方)というより
出版業界で生き残るにはどうすればいいのか、がテーマのようだ。
 原稿料が遅れるのは日常茶飯事で、もらえないときもあるとか、
販売部数をさばよまれるとか、売れているときと、そうでない時
の扱いは天国と地獄だとか、読んでいて『あなたは、それでも作家に
なりますか?』という脅しにも似た本です。
 小説を書きたいのか、小説家になりたいのか、考えさせられる
貴重な(もう、こういう本は、活字にすらならないだろう)
一冊です。
 (ちなみに著者の森雅裕氏は、横溝正史賞佳作、江戸川乱歩賞を
「モーツァルトは子守唄を歌わない」で受賞した作家である。) 

今日の教訓 『何にしても、お金を稼ぐのは大変だ!』


表紙日記鉄拳リンク|今日の読書感想文