せいしくん・その5

 皆さんのご期待に反して、今回のせいしくんは上品です。この1週間、下品を渇望 する皆さんの声にこたえようと努力しましたが、果たせませんでした。とはいえ、上 品なくして下品なし、ということです。いったん上がってこそ、下降も気持ちがいい。 ジェットコースターしかりですね。ジェットコースターといえば、2日ほど前の深夜、 テレビで「ボキャブラ天国」(東京ローカルの番組かもしれませんが)を見ていたら、 若手お笑いコンビが「ジェットコースター」と「ちょっとこすったー」という言葉を 掛けて、股間に手をやるというギャグをやっていて、私は不覚にも笑ってしまいました。 ギャグの中身よりも、よい年令になって深夜「ボキャブラ天国」を見て笑ってしまう、 という状況がちょっと悲しかったのです。という意味の「不覚」ですね。

 さて、お話をせいしくんに戻しましょう。せいしくんたちは、無為の死はもうこり ごりだと、話し合いに入ったわけでした。

  車座になって話し合うせいしくんたちの図
      & &
    &     &
   &       &
   &       &
   &       &
    &     &
      & &

 「もう、宿主の性欲に振り回されるのはこりごりや」
 「なんやよくわからん命令で、ぴゅーっと出たかと思うと、もうおだぶつや」
 「一生をこないな数センチ四方の場所で過ごしとうないわな」
 「こーがんのせいし外界を知らず、ということわざもあるで」
 「そやそや」
 「よっしゃ、まずはシュプレヒコール行くど」
 「わしらも外の世界で生きっぞーー」
 「おーう」
    bbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb
    bbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb

       (尾を上げて呼応するせいしくんたち)
 「まずは、わしらに必要なのは、自分の意志や。1匹1匹が自らの意志で欲情することや」
 「なるほど、個室浴場ならぬ個別欲情やな」
 「欲情すっぞー」
 「おーう」
    bbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb
    bbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb

 「そうはいうものの、欲情してどうするんや。わしら、こんなちっさな尾しかないんやで。いくら欲情しても、動けへんやないか」
 「そや、そや」
 「立って歩くってどんな気持ちなんやろなー」
 「ほな、歩けばええやん」
 「どないするんや」
 「足を持てばええ」
 「そないアホなこと。わしらに足が持てるわけあらへんで」
 「いいや、できる」
 「そやから、どうせいゆうん」
 「進化や」
 「そないなもん、何百万年もかかるで。宿主ももう40や。寿命のあるうちに、何とかせにゃ、意味ないやろ」
 「ふっ、ふっ、ふっ。じつは最後の切り札があるんや・・・」
 「なんや、なんや」
 「わしらの進化をうながす秘法や。宮崎県南部の山奥に伝わる秘密の呪文や」
 「いったいどんな呪文かいな」
 「欲情と屹立の呪文や」
 「なるほど、宮崎県南部といえば、性欲異常昂進者を次々輩出している地域やぞ。みなその呪文をとなえとったわけか。あなどれんなあ、宮崎人」
 「はよ呪文を教えてえな」
 「あまり大きな声で唱えてはいかんのや。みんな、もっとこっちゃへ」
「まんじゅどんしっくれもはんどかい」
 「えっ、よう聞こえん。もうちょい大きい声で」
 「まんじゅどんしっくれもはんどかい」
 「なんや、意味はわからんが、だんだんええ心持ちになってきるリズムやんか。なんや目の前がぱーっと明るうなってきたで」
 「よっしゃ、みんな声をそろえて、唱えっぞー」
 「まんじゅどんしっくれもはんどかい」
 すると、どうでしょう。ものすごい地鳴りとともに高千穂の峰が割れ、大地の底から1匹のせいしが射精されたのでした。これこそ進化したせいしくんです。外界で生きられる生命力、自らの意志による欲情、そして二足歩行の能力を持った究極のせいしくん、

    利己的せいしの「りこどん」登場!!!

                    

 「うおーー」「やったーー」「これが進化や。せいし類の進歩と調和や」「意志の勝利や」
      %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
      %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
      %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
      %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
        (尾を取り合って喜ぶせいしくんたち)

 さあ、利己的せいしの「りこどん」の行く先には、どんな冒険が待ち受けているのでしょうか。わくわく。以下次号。


目次に戻る


メール アイコン
メール
トップ アイコン
トップ