いい話がいっぱいっ! 園長先生の園だより。

     たっくんの幼稚園では、毎月一回、園だよりが配られます。
     来月の予定や、子どもたちの様子が書かれています。 その中に園長先生の
     思わず納得してしまう、そして、改めて考えさせられるお話しが満載されています。

     そんな、いいお話しを皆さんにお届けします‥。

   「外の世界への導き手として」
(園長先生のお便りをそのままお届けします)

   幼稚園という世界は、子どもにとって初めて出会う"外の世界"です。
 それまでは、母親を主として家族や、限られた近隣関係の人達と触れ合う世界だけでした。

 困ったことがあれば母の膝があり、友達や兄弟との喧嘩が始まっても、母親が
 助けてくれたり、解決したりしてもらっていた世界だったのです。
ですから、自分で考えたり、自分で始末をつけるといった事態には
ほとんど出会わなかったといってもよいでしょう。
ところが、幼稚園に入園すると、まず、お母さんとしばらく離れる事になります。
一番頼りにしていたお母さんの姿がなくなってしまいます。
 でも、しばらくすると、必ずあのお母さんが迎えに来てくれるはずだと思えるようになります。

自分の目の前にあるものしか信じられなかったのに、目の前にないものを
 信じる努力をすることから幼稚園生活がはじまるといってよいでしょう。
   困ったことがあってもそばにお母さんがいた、幼稚園ではお母さんの代わりに先生がいる。
ならば、困ったことが起こったときには先生に助けてもらえばよいとか、
 あるいは、知り合っている仲良しのお友達に助けを求めればよいと考え始めます。
 また、時にはこれくらいのことだったら、自分で我慢した方がいいかもしれないと
 考えを変えていくことさえできるようになります。
   このように、私たちは、何をどれだけ他の人に委ねるのか、或いは、自分で
 乗り切るのかという判断は大きく言えば人生の対人関係の中で常に基本的問題として現れてくることです。
自分のそのときの理解力や行動力、或いは、置かれた状況等に応じて
 その都度考え、対処する力を集団生活の中で、先生の指導のもとに学んでいく第一歩が園生活なのです。

   お友達と一緒に遊ぶことは、一人では出来ない大きく発展する喜びにつながり、
 自分一人では出来ない共同作業は、協力すること、強調する心を
 自然に学び取っていくのです。一人で歌を歌うのも楽しいが、心を合わせてみんなで
 一緒に唄うと、こんなに生き生きとしたハーモニーが生まれるのかと感動することも味わうのです。
   反面、友達の中にいると厳しい現実に直面することもたくさんあります。
   じっくりと自分の好みのものを作っているときに友達に邪魔をされることがあります。
 一生懸命絵を描こうとしているのになかなかうまくかけないこともあります。
 友達がさっさと描き上げているのを見ると、うらやましく思ったり、自分が惨めに
 思えてきたりします。大勢の人の前で話をするのが苦手に思えたり、
目立つのが怖いと思う子どももいます。
   プラス面、マイナス面を日々体験し、人には個性や、個人差があることを知り、
 苦手なこともあるけれど、私にはこんな長所もあることをしっかりと見つけていってほしいものです。

   何でも人より早く、うまくなってほしいという価値観が早期教育を求め、相対評価だ
け  に価値を見いだす教育に、心の安まる場を見失っている子どもが増えています。
   萎縮しかけている子どもに、あなたにはこういう良さがあるのよと自覚させて
 あげられる、大人がいることが求められています。
   両親を始め私たち保育者も子どものよき理解者になるように日々努力を惜しんではならないと思います。

          私は、最後の5行がとても心に響きました。 皆さんはどんな風に感じましたか?


 

  幼稚園では、一年を通じてたくさんの行事があります。
でも、行事の一つ一つを考えたとき、子どもたちが心から楽しみ、参加できる行事が行われているでしょうか?
先生が行事の全てを決めて、子どもたちに一日中練習を課し、
できない子どもには、個別に指導をする、、、果たして、子どもたちは達成感や、充実感を感じているのでしょうか?
たっくんの幼稚園では行事に対してこんなふうに取り組んでいます。
園長先生のお手紙から、見てみましょう。

  「園行事と子どもの育ち」

  一学期は子どもが自分の身の廻りのことに関心を持ち、
何でも自分で始末することがきるようになることが、園全体の保育主題でした。
二学期は一学期の成果を基にして、
自分の気持ちを自分で制御(コントロール)できるようにしていくことを目標にしています。
自立から自律への道を、それぞれの年齢にあった内容で進めて行くわけです。
  最近、子どもが少ないせいか、人との関わり方が下手になったと言われます。
自己中心的で自分の気ままさを押さえられないために、他の子とトラブルを起こしてしまうようです。
  園行事は、友達との関わりの中で人との関わりで大切な自律心を育む大切な活動です。

今学期は自律心を育てる園行事づくりに取り組んで行きます。
  例えば、子どもたちが楽しみにしている運動会を見ると、演技種目ややり方を
先生の側から与えるのではなく、子どもたちが自分たちで取り組んで作っていくように設定します。
子どもは運動会を迎える準備の相談から始めています。
みんなで関わらないと運動会はできません。
計画を進めていくためにお互いに協力し合ます。
どんなふうにすると楽しくなるか知恵を出し合い、よりよいものにしていきます。
相談の中で、時には自分の考えと違う方向に進んでしまうこともあります。
たくさんの人の考えに従わなければならないこともでてきます。
そこが、自分をコントロールする機会なのです。
  このような保育は大変に時間がかかります。
また、保育者がじっくりと腰を落ち着けて取り組むようにします。
結果を急ぐあまり、先回りをしてしまうと、子どもは受け身になってしまい、
自分から積極的に取り組まなくなってしまいます。
  こんな声を聞いたことがあります。
「うちの子はどうしてぐずぐずしているのだろう」
「〇〇ちゃんのようになってほしいのに」「これまで何を練習したのだろう」
  子どもは一人ひとり自分なりに最大限の力を出して運動会に取り組みます。
当日は結果だけを見るのではなく、それまでの努力も見て頂きたいのです。
  子どもは自分のしていることを第三者がどのように評価するかということは無頓着です。
今していることがとても楽しいことであることが重要なのです。
また、自分が満足して心が弾んでいるとき、それを共に喜んでくれる相手を求めています。
是非、お子さんの気持ちを大切にしながら、確かな目で見守ってあげてください。
  一人ひとりが意欲を出して、それを集団の中で高め、育てていく。
こうした過程を丁寧に関わりながら、行事を行事を進めていきたいと思います。

  10月に行われた運動会はとても暖かい手作りの素敵な運動会でした。
勝ち負けにこだわる事なく、どの子どもたちも元気一杯体を動かすことに楽しさを
感じている様子が手に取るように分かりました。
たっくんの学年では、"鉄棒"が課題となっていたのですが、
どの子どもたちも、お父さんやお母さんの前で、得意そうな顔をして披露していました。
もし、運動会で見て貰うからと、無理矢理、練習をさせられていたなら、
子どもたちの顔はあんなに輝いてはいなかったでしょう。

「僕ね、鉄棒が廻れるようになったよ!」と、とびきりの笑顔で教えてくれた息子の顔は、忘れられません。
自分の力で、達成した喜びが"自信"につながり、次へのステップに
なって行くことを、痛感した出来事でした。
 
 

(♪楽しいこといっぱい! 一年通じての幼稚園行事。のページで、輝く子どもたちの顔をご紹介しますね。)