鎌倉名物ハトサブレ

ハトサブレ事件

極限状態におかれたある女子大生ついての一文

「ばっいば〜い!まったね〜」
眠らない街、新宿23時
酔っ払いで溢れる新宿駅に、やはり女子大生の酔っ払いが一人
友達と別れてすっかりイイ気分のアタシ、18歳
今日は舞踏研究部の新歓コンパの日だったのです

「タダで飲ませてくれるって話だったのに1500円も取るなんて」
養老の滝のひからびた焼き鳥と怪しいサワ〜を思い出しつつ
憤りを胸に、向かうは丸の内線
刻一刻と終電が近いてます

「あ、れ?」
券売機の前に立ち、財布を開いて呆然
自分の目を疑いました
財布の中はなんと全額20円

「さっき支払った飲み代が本日の全財産だったんだ〜」
何故支払いの時に気づかなかったのか
もはや今ここで考えてる時間も余裕もありゃしません
とりあえず
音を立てて酒気が抜けていくのを感じながら
ボケボケコンピュ〜タ〜作動
友達は?
既に小田急線の改札に消えていきました
クラブの先輩方は?
とっくに2次会に消えてお店もわかりません
そこで

「すみません、百円貸してください」
そばにいた優しそうなおねいさん、とんだとばっちりです
酒に酔ってる状態でもちゃんと人を見極めるあたり
あたし、かなりずる賢いです
でもあと百円さえあれば初乗りが買えるのです
終電のっておうちに帰れるのです
涙目で懇願
OL風のおねいさん、仕方なく百円玉一枚を差し出します

「ありがとうございます!」
やった!百円ゲット!
見ず知らずのあたしに、なんて優しいひとなんだろう
このままではあまりにも申し訳ない&怪しいし
後でこのお金を返したいと思って一言

「あの、住所とお名前を教えてください」
おねいさん、硬直
どうやら怪しさに拍車をかけてしまったようです
このままではいけない
まるで私が一方的に悪者みたいじゃないか
ここはなんとかおねいさんとの関係を修復しなくては!
またしてもスパコン作動
そうだ、対価を払えば必然性が生まれ、関係が成立する!
そこで

「では、これを」
差し出したそれは、一枚のうなぎパイ
さっきの飲み会でおみやげとしてもらった静岡名物のお菓子が
まさかこんなところで役に立とうとは!

結果、あたしはうなぎパイをおねいさんに百円で売りつけて
おうちに帰ることができたのでした

尚、一部情報の誤りにより、売買されたブツが
うなぎパイでなく、ハトサブレとして
伝達されていたことをここに訂正しお詫びいたします

以上、
「ハトサブレ改めうなぎパイ事件」の全容をお伝えしました

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