トヨタカップ 1999.11.30
マンチェスターユナイテッド VS パルメイラス  1-0
( キーン - 0 )

  昔、昔。エルトン・ジョンとかロッド・スチュアートなんていう、サッカー狂のイギリスのミュージシャンは、トヨタカップにあわせてライブを計画しては来日していた。(この二人は、サッカー友だち)

 今年20周年のトヨタカップの中継は、大のマンチェフアンというさんまがゲスト。ジョージ・ウエアに憧れてサッカーを始めたという。さんまといえば、その昔プラティニが来日して「笑っていいとも」にゲストで来たときに、サインつきのユベントスのシマシマウエアをもらって、大喜びしていたっけ。W杯のイタリア大会では、NHKのカメラの前を、一般の観客にまぎれて、「うわわわぁぁぁぁっ」と手を振りながら走り去っていったこともあった。今よりも、ずっとサッカーが地味だった頃から、単にサッカー部出身というだけでなく、世界のサッカーのかなりなフアンであるとカミングアウトしていた芸能人だ。(それだけで信用してしまう、単純なぼく・・)
 
 ジョージ・ウエアが客席にいる。ハーフタイムに、さんまは、宝物のジョージ・ウエアのフィギアを持って握手をしてもらっている。ついでに、客席には、プラティニもいる。しかし、マンチェOBじゃない彼は、のどかにおしゃべりしている。余裕だねっ。

 試合は、ここのところ調子の悪かったマンチェが、悪いなりに、調子がいい。あの、5月のバイエルンに勝った頃の、 悪魔がついていたかのような強さはない。余裕で手を抜いているのか、ほんとにこんなもんなのか、どちらだろう、と思いはじめていたところなので、心配になる。
 前半なんて、さんまがテレビを見ているちびっこたち、マンチェスターはほんとはもっと強くてこんなんじゃないんですけどと、ホントはホントはって言っていても仕方がないんですがと断りながら、繰り返していた。

 しかし、ベッカムがキレている。今日のベッカム、速いよ。走るのも止まるのも回るのも速い。いろんなところに出没してくる。 ロイ・キーンも、いい。センター突破。ちょっとマンチェ、いいかもしれない。

 前半は、パルメイラスが優勢に攻めていくけど、自分からはずしてゴールを決められない、という展開。マンチェのディフェンスは、不思議なくらい、ゆるゆるしているように見える。いつもは、平走するだけで人とボールを楽々止める迫力スタムが、どこにいるのかわからないくらい、ゆるい。シルヴェストルも半袖でがんばっているんだけど、まだまだ去年までのインテルの青黒シマシマユニフォームの印象が強くて、赤い服はしっくりこない。

 そんな中、ギグスのセンタリング、キーンのゴール。一瞬のスキ。見事に決める。あっけない。点が入るときは、こんなときだ。

 後半からは、エリたてヨーク登場。一気に、スピードがのってくる。見た目がヨークと区別がつかない、相棒のコールはイギリスにお留守番。 さんまがしきりに残念がっている。そのさんまによるとコールは、「マンチェスターの郷ひろみ」だそうだ。まゆげが太い。そういう区別の仕方があったか。これから参考にしよう。しかし、まゆげが見えないくらい遠いショットでは、わからないのが難点だね。

 そこから、後半、マンチェもパルメイラスも、攻める攻める。速い。つっきる。ぶちあたっていく。

 が、結局、そのまま、1-0。マンチェスターユナイテッドが世界一。
 あんまり、おおげさに喜ばないのは、彼等がUKな人たちだからか・・。ラテンなチームとは雰囲気がやはり違う。ゴールしたときの、べたべた度も違う。

 5月の、チャンピオンズリーグの決勝に勝ったときは、シュマイケルの笑顔がとってもよかった。「もう最後」ときめていた彼の、おひさまのような笑顔。ずっとトップチームでプレッシャーの中活躍してきて、「そろそろプレッシャーの少ないところで楽しんでサッカーしたい」と、ポルトガルのスポルティングリスボンに移っていったデンマーク代表。そんなことをさらりと決めてしまう、そういうあったかさ、さわやかさが、そのまんま出ているような、笑顔が大好きだった。いなくなって、ちょっと寂しい。
 
 マンチェスターにとってはもちろん、プレミアリーグにとっても、貴重なGKだったシュマイケルの後のボスニッチ。前任者が、とっても大きくって愛される存在だっただけに、プレッシャーも大きかったと思う。他にも、各国の有名なGKの名前が候補にあがっていた中で、オーストラリア出身のボスニッチと決まって、みんな心の中で「格落ちだなあ」と思っていたに違いない。
 だけど、がんばるよね、ボスニッチ。よく崩れずに、がんばり続けるよね。
 今日も、なにはともあれ、ボスニッチ。とめるとめるとめる。何度、危ないボールを止めたことか。何度、パルメイラスサイドに「決まった」と確信させたのちに落胆させたことか。ギグスにあげた車、ボスニッチにあげてもよかったのに。

 ここで、案外あっさりと、マンチェスターが勝って、今後、今年のチャンピオンズリーグも調子に乗るのんだろうか。次のヴァレンシア戦が楽しみだ。

 さて、試合の中継は、フジテレビのバレーボールがとんでもなくうるさくていい加減イヤになっているので、耐えられなかったら音を消そうと覚悟をして見始めたら、これが楽しめた。みんな、サッカー好きそうで、ちゃんと「話」をしてくれたから、OK。
 それに、ポルトガル語の副音声というのが、なんだか、うれしい。どうして、こんなにうれしいのか、よくわからない。もしかしたら、日本に、こんなにポルトガル語でサッカーを見るひとが、それはおそらくブラジル系の人なんだろけど、そういう人がいて、そういう人たちのために、放送が組まれる、というのがうれしいのかもしれない。彼らが「いないこと」になっていなくて、そして、そんなふうに、違う言葉を話す人と同じ国に暮らしているっていうのが、なんだかとってもぼくの心に開放感をもらたしてくれるんだろう。うまく言えないな。

 放送について、もうひとつ。アディダスのCM。ジダヌファンデルサルとベッカムが出ている。字幕で名前が出るのは、ベッカムだけなのが残念。最初のフランスナショナルチームの青いユニフォームでテレビの中に映っているのがジダヌだよっ。それで、ゴールでボールをとめた長身GKが、オランダ代表で今年はユベントスのファンデルサルだよっ。と、多分、ふだんはあまりサッカーを見ない人も、この中継を見ているんだろうな、と思いながら、ひとりで説明していた。それを聞いていたのは、ぼくのテレビだけだけど。
 ついでに、枠内で流れたナイキのCMは、ラップにのせて、ジェイソン・ウィリアムズと、ティム・ダンカン。こっちも、かっこいいぞー。NBAも楽しみだ。