ミス(内科病棟その壱)
精神的にとても辛かった混合外科病棟での実習を終えて、内科病棟での実習。
私は肺炎で入院している高齢の女性を受け持っていた。
その女性を受け持っていた当初は、入院による環境の変化のため見当識障害を
起こしていて、幻覚も見えていたようだったが日が経つにつれて状態も落ち着き、
通常の会話が出来るようになっていた。
肺炎という事で、痰の喀出を促すためにネブライザーを1日3回行っている。
ネブライザーとは、簡単に言ってしまえば吸入の事で、鼻や喉の粘膜に細かい霧状の
薬液を噴霧して粘膜に直接作用できる器械だ。
病棟には移動式の超音波ネブライザーの器械があって、使用する時には患者さんの
ベッドサイドまで運んでコンセントを繋ぐ。
ネブライザーの本体に蛇腹になっている吸入口を装着して、一回15分程度の吸入を
行う。吸入口は患者さんのベッドサイドに置いておいて、その患者さん専用とする。
病院には色んな病気の患者さんが入院しているし、感染症の患者さんも居る。
吸入口をその患者さん専用としておく事は、感染の予防にも繋がるのだ。
でも私はミスをした
本来なら、使用した吸入口はネブライザー本体から外して患者さんの床頭台の上に
置いておかなければいけない。私たちの実習時間は夕方まで。ネブライザーは昼食後に
実施して、あとは実習が終わった夕食後に実施したらスタッフが吸入口を回収し、消毒
することになっているのだ。
なのに・・・その日私はネブライザー後、吸入口を外さないまま倉庫に戻してしまった。
その事に気がついたのはその日の実習が終わって帰宅したあとだった。
「・・・どうしよう・・・」
とりあえず、学校に電話して教務の先生に相談したところ、「電話して指導者さんに
すぐに報告しなさい」とのこと。早速実習病院に電話して事の次第を伝えた。
指導者さんは「アナタのとった行動は正しいと思います。これからも頑張って」と言って
下さった。
たかが吸入口ひとつに何をそんなに・・・と思われる人も居るかもしれない。
おそらく私がつけっぱなしにしていた所で、すぐに他のスタッフが気がついて回収して
いると私も思っていた。だけどどんなに小さな事でも決められている事は守らないと…
例えばその吸入口を使用している患者さんが感染症で、知らずに他の患者さんがそれを
使ったら・・・
抵抗力の落ちている患者さんは確実に感染してしまうだろう。
どんなに些細な事でも事故は事故。ミスはミスなんだ。
![]()