ヒバリのこころ

スピッツがメジャーデビューする一年前に2000枚限定で生産された、幻のインディーズアルバム。今や中古屋さんで15万円もの値がついているというプレミアものの一枚です。さかなは、幸いにもネットで知り合った方にMDに録音したものを頂くことができました。
まずこのアルバムを聴いて思ったことは、当然なことですが「若い!」ということです。声はもちろん、曲の雰囲気などからもそれが感じられます。しかしそれは完成度とは別物で、どの曲もメジャーデビュー前の大学生が書いたものとは思えない程のレベルの高さです。当時マサムネさんがはまっていたブルーハーツの影響を強く受けているのもこのアルバムの特徴で、今のスピッツとはまた違った味わいがあります。
この頃のメンバーの表記が「マサムネ、三輪テツヤ、タムラアキヒロ、崎山タツオ」と、今と違っているのも面白いです。ジャケットでは、テツヤさんの(サングラスではない)貴重な眼鏡姿が見られます(笑)。


1 ヒバリのこころ

このアルバムのタイトルでもあり、メジャーデビューシングルでもある、スピッツにとって大きな意味のある一曲です。すごく前向きな気持ちになれる曲で、いろんな障害を 乗り越えていこうという強さが感じられます。
シングル版に比べると、やはりインディーズならではの自由さを感じます。最後の「僕らこれから強く生きていこう」の部分にコーラスが入って重唱になっているのですが、これが最高なのです。なんで、シングルではカットされたんだろう?
「降り積もった角砂糖が溶けだしてた」「水槽の熱帯魚から離れられなくなっていた」など、スピッツ独特の歌詞の世界は、この頃からしっかり構築されています。ちなみに、シングルとは一ヶ所だけ歌詞が違っていて「いろんなことがあったけど すぐにもとに戻っていく」となっています。

2 トゲトゲの木

アルバム「花鳥風月」に収録されたので、もうすっかりおなじみの曲ですね。タイトルの固そうなイメージとは全く違い、ほんわりとしていて南国ムードが漂ってきそうな感じです。なんか、とてもかわいらしい雰囲気がします。
歌詞も「トゲトゲの木の上で ほらプーリラピーリラ朝寝してる」「ハナムグリ僕はまだ 白い花びらにくるまってる」「お日様苦笑いでちょうどいいね 洗濯物も乾きそうだね」など、ほんわりモード一直線!(笑) でもサビの「すぐに分けてあげたいな とどめのプレゼント」って何だろう!?
「花鳥風月」収録にあたっては、何の変更もなくそのまま録音されているようです。

3 353号線のうた

もう何も言うことはない、このアルバムの中で最高に好きな曲です!終始ハイテンションで、ドライブにぴったりな曲だと思います。
・・・この曲については何から書いたらいいだろう?とりあえず、出だしからの歌詞を。
「月まで続いてそうな 坂を登りつめた後は 地獄の入り口みたいな 真っ暗な森に入った 缶ジュースが飲みたくて 車を降りて探したよ だけどもここでは多分 空き缶さえ見つからない」もう、このフレーズだけで満点!
「全部忘れてた ずっと昔の 今ここで君と僕 思い出している 裸になれたらいいな」「ノロマでもいいから 走り続けるさ ゴロゴロと」「地図にない道を選んで 海の見える街へ行こう」・・・もう情景が浮かんできそうな歌詞でいっぱいです。
サビの部分では、マサムネさんの声とコーラス(アキコ&サナエ、マサアキ)が重なり合って楽しげな雰囲気です♪ 最後にはコーラスに合わせて、叫んだり、手をたたいたりと、インディーズならではの遊び心にあふれています。
出来るなら、この曲を「花鳥風月」に入れて欲しかったなぁ。

4 恋のうた

これは、2ndアルバム「名前をつけてやる」に収録されている曲のインディーズ版。スピッツのルーツともいえるような、心温まるようなラブソングです。
最初の「おさえきれぬ僕の気持ち」という部分の「お〜さ〜え〜」という歌い方が、本当におさえきれない気持ちを表現していますが、2ndアルバム版に比べてもより一層、おさえきれないような気持ちの入りようです(笑)。また、2ndアルバム版より全体的に音が重い感じがして、また違った「恋のうた」になっていると思います。
「君と出会えたことを僕 ずっと大事にしたいから 僕がこの世に生まれたきたワケに したいから」このサビの歌詞、メロディーにはまってしまうと、なかなか抜け出せなくなってしまいます。

5 おっぱい

「おっぱい」・・・最初に、こういう題名の曲があると知ったのは、インディーズの曲が充実しているカラオケボックスで曲のリストを見た時でした。その強烈なタイトルに、どんな曲なのだろうと興味深々になったものです。
そして実際に聴いてみると「やっぱりスピッツだ!」と感じました。まあこの曲、かなりブルーハーツっぽいですけど(^^; なんだか、若さというか青さというか、そんな青年の気持ち(!?)を感じさせる曲です。
「君のおっぱいは世界一 君のおっぱいは世界一 もうこれ以上の 生きる意味の喜びなんか要らない 明日もここで君と会えたらいな」
最初の「パンパンパンパン・・・」という徐々に大きくなってくる打楽器の音が、「花鳥風月」では省略されています。この音、かなり好きなのになぁ。

6 死にもの狂いのカゲロウを見ていた

これまたすごいネーミングの曲名だなぁ、と思っていました。この時期のスピッツは、他にも「晴の日はプカプカプー」とか「八王子」とか「僕はジェット」など、奇抜なタイトル目白押しで、面白いです。
さて、この曲はタイトル通り、ちょっと切那的なイメージがあります。最初のサビの歌詞が「殺されないでね ちゃんと隠れてよ 両手合わせたら涙が落ちた 一人じゃ生きてけない」というところから、それ感じます。
曲全体としてはアップテンポで、ヒバリのこころに通じるものがあるかなぁ。この曲の歌詞も秀逸で、この時期のマサムネさんの想像力が、余すところなく発揮されています。特に2番の歌詞は、その集大成なような気がします。
「ピカピカ光る愉快な 顔の模様が浮かんだボールが ポタポタ生まれ落ちては 心の窓ガラスたたいてる 歩道橋の上から カンシャク玉をばらまいたら 空の星も跳ねた  死にもの狂いのカゲロウを見ていた 時間のリボンに ハサミを入れた 一人じゃ生きてけない」

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