今回 ぼやくに当たって その背景をちょっと説明しておこうと思います。現在(2002/04/09現在) うちのオカメのメス(4才半くらい?←ヾ(^^; )が体調を崩しています。
病状は 卵管炎と腹膜炎を併発し お腹に腹水が溜まってきている状態です。んでその腹水が他臓器を圧迫、特に呼吸器系統心臓への負荷が増大 またフンを出すのも大事ってかんじの状況です。たぶん、というか まず治る見込みはありません。手術するには手遅れ(まぁ 手術可能の時期でも飼い主として手術に踏み切る勇気があったかは わかんないってのが正直なところ)で 今は 症状の進行を食い止める延命治療をしています。
…とまぁ 随分 深刻な説明を書いてしまったが 話の本筋は (そんなに)深刻ではありませぬ、どうかドヨヨンとせずに 気楽に笑い飛ばしてやってくださいまし(^^/。
1 恐怖の毛抜き
腹水が溜まることで フンが出にくいっていう問題が持ちあがってくることは上でも説明した通りだが、そういえば 以前 「フン戦記」なるぼやきで 良性腫瘍もちだったセキセイも フンが出にくくなった、というかあの時は 出なくなっちまったんだが 今回はなんとか 出てる。でも ふんばって 力んで力んで なんとか出してるって感じゆえ フンが勢いよくポトッと落ちてこない(こういうのをフン切れが悪いとか言うらしい)で 尻まわりの毛にひっかっかって そのまんま こびりついてガビガビになったりしている。
本鳥も気持ち悪いようだが 心配なのはそれが度重なって尻の穴をふさぐことだ。今回の様々の処置の結果フンの状態「だけ」はかってなかったほど良好で、こっそり打ち明けるが 彼女がこんな素晴らしいフンを生成出来る能力があるとは飼い主は知らなかった、みくびっていた、ごめん。
しかし いくらりっぱなフンを作れても それが尻の穴から落ちてこれなければそれでなくても腹水で腹がパンパンなんだから 苦しいだろう、できればそういう状態は回避させてあげたい、それが飼い主心ってやつである。
という悩みをもらしたら 動物病院で先生が
「じゃ お尻まわりの毛 少し 抜いときましょう」
とにっこり微笑んでくれた時は ほんと ふがいない飼い主の悩みが一つ消えたような気分で
「先生 お願いしますっ」
とつい叫んでしもうた。
いんこをなだめながらひっくり返して私が保定すると診察室じゅうに
「いやぎゃ〜〜〜〜っっ!!!」
と彼女の悲鳴(に飼い主には聞こえる)が響き渡った。んが 先生は なんの躊躇もなくブチッとお尻まわりの毛を引っこ抜いた。
…!?
状況が想像をはるかに越えたようで 彼女の悲鳴が一瞬 止まる。時間も止まる。風景も止まる。でも 先生の手は止まらなかった。ブチッ、ブチッ、ブ
チッ…お見事、としか言い様がない。あざやかな手さばきに ついつい見とれてしまう。こういうのって とにかく躊躇しないことなのね、でも そう思ってもビビるのが飼い主、情けないけど 先生におまかせ出来て助かった〜、それにしても 毛って案外簡単に引っこ抜けるのね、といんこを抑えつつ数十秒の短い毛抜き作業の間(いんこには無限地獄だったろうけど)私の頭は めまぐるしくいろんなことを考えていた。
一方で全てが止まったような当のいんこであったが毛をひっこ抜くたび 脚だけが むなしく宙を掴んでおった。おそらく 本鳥もその脚の動きに何の意味も見出せないとは思うが 可哀想と思う反面 何かコミカルであったことを ここに白状する。
作業が終り かごに戻された彼女は茫然自失の態で 先生は優しく
「ごめんね、びっくりしたよね」
といんこに声をかけてくれた。でも そのすぐ後
「すぐ毛はえてきますから 大丈夫ですよ」
と言った先生の真意を彼女が理解できるわけもなく。
…二週間後 診察室に また彼女の悲鳴が響きわたったんである…。
2 生きる力
うちには現在 病気オカメの他に 若さが暴走する世代のセキセイと 換羽は命がけの一大行事になりつつあるじいさんセキセイが それぞれ一羽ずつ 合計
三羽生息している。暴走する若さを止めることは出来ないので この若いセキセイにかごを一つ与え 元来弱気なオカメとじいさんセキセイがちょうど 勢力的に均衡を保っていたので 大ぶりなかごに同居させておった。
放鳥時は三羽一斉、飛んだり餌食べたり いっしょに遊んだり そうかと思えばケンカしたり ケンカにならず 追いかけっこになってみたり 疲れて並んで寝てみたり…それが 今までの我が家のいんこの暮らしぶりだった。
だが、オカメが体調を崩して投薬の身になったことで問題が持ちあがった。彼女の病状は他鳥に感染する類ではないので 隔離の必要はなかったのだが薬は飲み水に入れよ、との指示を受けた。が 同居かごのセキセイに 薬入りの水を飲ませるわけにはいかない。
じゃあ 別居させるより道はない。
じいさんセキセイと若セキセイの同居は論外だった。若セキセイは徹底的に 他のいんこを追いかけまわすのが趣味だったからだ(とほ〜)。しかたがないのでキャリーにも使えそうなぐらいのサイズのかご(でもキャリーではないの)を物置から引っ張りだし サイズ的にも 体調的にも 当然のごとく じいさんセキセイに移動していただいた。
狭いかごの中 じいさんセキセイの不本意そうなのが私にも充分伝わってくる。何度 新しいかごを買ってこようかと思ったことか。でも 準備万端整えた途端オカメがコロッと逝ってしまいそうな気がして 私はどうしてもかごを買ってこれなかったんである。放鳥時間にストレス発散して 今はこらえてけろ、と私は心の中で じいさんセキセイに謝った。
取り繕いながらのそんな日々が十日ほど過ぎた。ストレスからなのか じいさんセキセイまで体調を崩しそうな気配になってきた。オカメもなんだか元気がなくしょんぼりしている。オカメにとっては至れり尽くせり、の状況にも関わらず、である。若いんこも 何かを異変を感じたのか 体調が怪しくなってきて 私は泣きたい気分であった。
放鳥時間は変らず、私は三羽とも一斉に遊ばせていた。体調が悪いオカメだからって 他のセキセイは手加減なんぞしない。餌場でオカメが若いんこに蹴りを入れられ 齧られ餌場を奪われ うらめしそうに後ろから隙を狙ってるのが情けない。若セキセイに追いかけられて 飛び回って 心臓もバクバクいって 息も完全に上がってしまっていたりもする、相当 からだに応えている。
じいさんセキセイも 若いんこに追いかけられながら オカメに遭遇すると 腹立ちまぎれに しっぽに噛みついたりしている。んが 若セキセイにはやられっぱなしのオカメも 相手がじいさんセキセイだと応戦 五分五分の闘いを繰り広げておった、勿論ハァハァ言いながら。
でも それなのに彼女は生き生きと なんだかとても嬉しそうに 私には見えた。オカメの体調の悪いことなんて まるで無視されたかっての日常の放鳥風景がそこにあった。
いつも状態に戻そう、と私は思った。オカメとじいさんセキセイのかごから飲み水を取り外した。飲みたい時に飲めないのは 可哀想だけど 出きるだけ それぞれのいんこにそれぞれの飲み水を
「いかがですか?」
と鼻先に付きつけてサーブすることにした。日中は 若セキセイのかごもいっしょにペットヒーターで暖めた。体力的に元気な若いんこはほんとは寒さには強くなって欲しかったので鍛えたかったけどどのいんこにも 「みんなおんなじ」であることがいんこの精神安定上 重要なポイントらしかったので目をつぶった。結局 ヒーターでかご二つ 三羽とも暖めるのと二羽の同居かごから飲み水を撤去しただけであとは ほぼ以前どおりの生活をさせることで落ち着いた。
オカメはかごの中でも じいさんセキセイとたまにケンカしているし 放鳥時になれば いいだけ若いんこのターゲットになって ヒィヒィいっている。もしかしたら 追いかけられて飛び回ってる最中に心臓発作起こして 逝ってしまうかもしれないけど それならそれでいいじゃない、と思っている。セキセイの体調が落ち着いて オカメも体調の悪いなりにそれなりに暮らしている。病気でも出来る範囲でいつものように暮らすことが うちのオカメの今の生きる力になってるのかなぁ、と思ったりしている。
3 くさい演技
オカメはとても小心者である、ってのは よくきく話だし 「オカメパニック」という言葉もあるぐらい恐怖に対して耐性がない、らしい。なんで「らしい」のかといえば うちにはオカメが一羽しかいなくて 比較するオカメがいないから私にとってオカメな基準が全て 彼女だけになってしまうからだ。
じつは うちのオカメは かごの中で暴れても「オカメパニックで毛が抜ける」状態になったことがない。もしかして こいつ オカメのなかじゃ 図太い方なのかしら?という疑惑が頭をもたげることがあるのだけど 何せ比較するオカメがいないので 判断がつかない。判断がつかないので とにかく穏便にことが運ぶように オカメの嫌がることは 極力避けて今まできてしまった。んが 今回の病気で彼女の意志を尊重するわけにはいかなくなった、どころか 踏みにじってると言った方がいいかも知れない状態は 上記の「恐怖の毛抜き」でも 理解いただけると思う。
『尊厳は踏みにじられ 信頼する人に裏切られ、あげくに毛をむしられた私…』作業が終って かごに戻されたオカメは 冠毛をおっ立て 保定されて暴れた羽毛がボサボサと乱れ 見てくれは見事にボロンチョ。興奮で真っ赤になった鼻は鼻息も荒々しく 口も半開きでハァハァ 心臓はバクバク口から飛び出しそうで視線は 先生にも私にも合わせないで宙をうつろにさまよっていた。
「ごめんね、悪かったね もう終ったから」
「怖かったんだよね、ごめんね」
なんといっても 心臓や呼吸に負担がかかってる病状の彼女を落ち着かせる必要があったから 私と先生は精一杯の同情の声を 彼女にかけた。
でも ここは 飼い主のぼやきコーナーなので ぼやかせてもらうが あいつのショックは あの見てくれの六割五分くらいだ、と 私はにらんでいる。残りは同情をひこうとしている演技、だ。あいつは私と先生の「ごめんね」「悪かった」の声を ちゃんと聴いていた。ショックなふりしながら あいつは聞き耳をたてていた。ええ だてに 数年間(←十数年でないのは ほんとに悔しいけど)暮らしていたわけではない。
はっきり言おう。演技がくさい、くさすぎですっ!
こっちは騙されたフリしていただけだから。
次回 毛引っこ抜かれる時までに 少しは研究しておいてください。