6/8 ロンドン公演−第7話−
ロンドン塔は、メチャ込みだから
早目に行った方がいいよん。
そんな、マル秘情報を得ていたボクたちは、
ハトに埋め尽くされた
トラファルガー・スクエアを引き上げ、
イチロ、ロンドン塔に向かった。
塔と言っても、
エッフェル塔や五重塔みたいに
がびょ〜ん
と聳え立っている訳ではなく、
周辺が堀で囲われていたりして、
お城のような作りである。
朝にロンドンに着いて
一旦チェックインした後、
そのまま出かけて来ていたので、
ロンドン塔に着くころには、
お昼近くになっていた。
「ショーン(ハンドル)、お腹空かない?」
『何か、食べましょうか。』
「よっしゃぁ、決まりっ!さて、何屋がいいかなぁ。」
あたりをキョロキョロするボク…。
「ゲッ、何もない。」
食べたい時に何もない。
これが、今一番ナウい『マーフィーの法則』ってヤツ?
こんな死語ツーフィンガーを叫んでみても、
周りは外人ばっかりなので、
「おねーさん、おねーさん。ここはイギリスだよっ!」
っと、モグタンにツッコまれる松井直美がいいところだろう。
…まったく、
ヒヤヒヤ☆ドキンチョだよ。
『は、はい?』
そこだけ聞かされたショーン(ハンドル)は、
当然困惑ぎみ。
ボクがお腹が空きすぎて
コワレタのだと思い、
慌てて辺りを見まわす。
『う〜ん、マックの看板しか…。
お!レストランて書いてある。
あっちに行って見ましょう!』
近づいて見ると、看板の全貌が現れ、
レストランと名乗っているのは…。
てめー、KFCは
レストランちゃうやろっ!
空腹で切れそうだったボクは、
英語で書かれたその看板に
日本人観光客がダマされないように、
ふりがなをふっておいた。
経営不振。
KFC。
諦めずに少し歩くと、
ボクたちは一件のパブを発見した。
「もう、ここにしちゃいましょう。」
『いいですよ、入ってみましょう。』
店の中はお昼時だったのでソコソコ賑わっていた。
ボクたちは、空席を求めて二階へと…。
階段を上がりきると、
どーんとバーカウンターが現れて、
奥の棚には酒のビンがずら〜と並んでいた。
カウンターの前の二人用の席を確保し、
メニューをみる。
何にしようかなぁ〜。
考えながら、周りをキョロキョロ。
他の人が頼んでいるものを観察する。
後ろを振り返るとカウンターの上に
レジが乗っかっていて、
どうやらソコへ注文しに行くスタイルらしい。
バップスとオレンジジュースをオーダー。
『6ポンド、50ペンスで〜っす!』と、
クレアがニッコリ。
「ご、50ペンス?ちょ、チョット待って…。」
初めて手にしたコインの数々から、
見事50ペンス硬貨を引き当てるには、
ゴッドハンドのイナズマ☆ヅモ〜!
をもってしても至難の技である。
クレアの顔が曇らないうちにと、
汗だくだくになりながら、
これだ〜!
20ペンス。
あ、チャイ…。
その後、彼女はケチャップは何処にあるだの、
イロイロ親切に教えてくれた。
さぁ、ロンドン初のご飯だ!
いっただっきまーす。
がぶっ。
まっズぃ〜。
イギリスの食事は不味いことは聞いていた。
アメリカ人がいうのだから、本当だ。
いきなりの洗礼を受けてしまった…。
それでも、背に腹は代えられないので、
オレンジジュースで全て流し込んだ。
「ふ〜、完食。」
ふと、気が付くと、
周りはスーツを着たビジネスマンで
ごった返していた。
皆、バーカウンターでビール片手に
ワイワイ・ガヤガヤ楽しそうである。
映画などで観る、
サタデーナイト・カフェって感じである。
う〜ん、外人は様になるねぇ〜。
日本で見かけるのは、
せいぜい駅の地下街で
グタグタしているオヤジ達ぐらいであろう。
しかも、なぜかみんな、
缶チューハイ・レモン。
さて、食べ終わったことだし、行きますか。
店をでると、
初夏の太陽がキラキラしていて、
とても気持が良かった。
街の木々も青々とする中、
爽やかな風がボクたちを歓迎している。
そんな、金曜の午後…。
平日の昼間っから、
ビジネスマンが
飲んだくれてんじゃねぇ〜!