6/13 サイドミラー3
3日で直るという修理屋の言葉に半信半疑のまま、
ボクはヤツからの電話を待った。
2日後、
『やあ、例のミラー明日には届きそうだよ。
修理はいつにする?
明日?明後日?いつでもイイよ。』
「えぇ〜?ホント?じゃ、じゃぁ、明日。」
『オッケー。じゃあ6時ね、バ〜イ。』
本当に、3日後であった。
疑ったりしてゴメンよ…。
るんるん気分(死語)で、明日を待つ。
明日には、全治するんだ、ボクの車!
ヒデキ、感激っ!
その夜は、いつもの「カレーの☆王子様」を止めて、
ちょっと大人の「バーモントカレー(甘口)」で御祝いをした。
翌日は、朝から夕方のことが気になって
仕事どころではなかった。
そわそわそわ…。
そわそわそわ…。
ぷるるるるるぅ〜。
ぷるるるるるぅ〜。
ギクッツ!
電話の音にドキッとする。
はて、誰じゃろ。
普段、電話なんぞ殆どかかってこないのだ。
も、もしかして、
また反対側のミラーが
送られてきちゃった、ハハハ。とか。
ま、まさかね。
「はろ〜?」
『やぁ、俺だけど。あのさぁ、
キミのレガシィって電動ミラー?』
「そう、だけど。」
『…』
『…』
『いやぁ〜、電動じゃないミラーが
送られてきちゃってさぁ〜。
俺も、箱を開けてビックリよ。マジで。
あはははは。』
「そりゃ、おかしいや。あははははは。」
「…」
「…」
「…」
「…キサマらグルか。」
『す、すぐに交換するよ。
ちょっと待ってて、後で電話いれる。』
ガチャリ。
はぁ、やっぱり駄目だったか…。
所詮はこんなもんだよねぇ、人生。
と、ちょっと島倉千代子が入りかけたその時。
ぷるるるるるぅ〜。
ぷるるるるるぅ〜。
またしても、いきなりの電話。
「はろ〜?」
『やぁ、俺。電動ミラーは手に入りそうだよ。今日。』
「きょ、今日?」
『あぁ、じゃあ6時半に待ってるぜ!』
ガチャリ。
「さ、さんきゅうー。」
既に切れてしまった受話器に向かってつぶやく。
ふ〜ん。本当に大丈夫なのだろうか。
ちょっと心配ではある。
夕方6時半きっかりに修理屋へ行ってみると、
ちゃんと電動ミラーが用意されていた。
「おぉ、ちゃんと届いてるジャン。」
『あったりめぇよぉ。』
とは、言わなかったが、早速修理を開始。
取り巻いていたテープを剥がし、
ドアの内側を外し、
あっという間の部品交換、完了。
一方、バンパーはというと、
バンパーとボディをくっ付けていたボルトがいかれてたようで、
別のところに電動ドリルで穴を開けた。
「あっ、そうか。そこに別のネジで固定するんだね。」
…と、思っていたら、
よく配線コードを束ねているプラスチックの紐で固定した。
「なにぃ〜!そんなんで平気なのかぁ?」
とは思ったものの、
プロがやる仕事なのでキット大丈夫なのだろう。
修理はあっと言う間に完了。
最後に領収書が欲しいと言ったら、
奥さんに向かって、
『領収書書くから、紙持ってきて。』
「紙?」
気にはなったが、そのまま待っていると。
『はい、領収書。』
おぉ、ホントにフツーの紙に
値段とサインがあるだけの超シンプルさ。
「ありがとう。」
最後に握手をして、その場を去ったボク。
いい人でよかったねと、愛車レガシィに語り掛ける。
でも…
「なんで、人間のボクが
鉄の棒とネジで修理されて、
車のキミがプラスチックの紐で
治療されるんだ?」