7/9 飛ばない円盤
会社の帰り道。
今、ボクが使っている24号線は、
舗装工事をしていて、2車線に減らされている。
高速道路に合流する個所も、
普段は十分な加速レーンがあるんだけど、
今は、一旦停止しなくてはならない。
しかし、よくよく考えて見ると、
時速60マイルで流れている高速道路に、
助走なしで、飛びこめというのだから、
殆ど、自殺行為。
うまく飛びこんだとしても、
そこから60マイルまで加速する間に、
すんごく時間がかかると言うものだ。
今日は、まさにそれにぶち当たってしまった。
帰りが8時近くになると、サスガに車の台数が減るので、
簡単に飛びこまれてしまう。
快調に時速70マイルで飛ばしているボクは、
次ぎの合流点に、飛びこもうかどうしようか、
迷ってそうなオンボロ車を発見した。
くるなよ、くるなよ。
心の中で念じる…。
今から飛びこんでも、キミが加速する前に、
ボクが追いついちゃうのワカルでしょ。
だから、おとなしくしていてね。
ボクの後は、誰もいないから…。
ヤッパリ来たぁ〜!
だから、間に合わないって言ってるのにぃ。
加速しろ、加速!
早く行け、早く!
っんもうっ!
おせぇ〜んダヨ、こらっ!
怒りの頂点に達したボクは、
クラクションや、パッシングなどと、
手ぬるいことはしないで、
照準を引っ張りだし、ロックオン!
対自動車ミサイルを、ヤツを目掛けてぶっぱなす。
左右の両翼から、ぷしゅ〜&ぷしゅ〜。
惜しくも、ミサイルはヤツをかすめて、
パイロンに命中。
ええぃ、もう一度!
と、思ったが、2発しか積んでなかったので、
もう、弾切れ。
どうしても、怒りのおさまらなかったボクは、
思いっきり、怨念を込めて、
か〜め〜は〜め〜、波ぁっ!
…虚しい。
ふと、我に帰り、一人反省し始めたその時。
カラン。
?
カラカラカラカラカラ…。
おぉっ!
時速60マイルで突っ走る目の前に、
アンビリーバボー2000のような、
光景が飛びこんできた。
ホイールカバーが外れやがった。
コロコロコロコロコロ…。
車から離脱したホイールカバーは、
時速60マイルで突っ走りつづけた。
やがて、そいつは、パイロンの間をすり抜け、
路肩へと、消えて行った…。
うぉ〜、当たったよ、かめはめ波。
やるもんだねぇ。
と、感心していると、
路肩に消えたはずの
ホイールカバーが、
ボクの横を走っている。
ぎょえぇ〜!
そのまま、ザブングルのように、
ドッキングしてしまおうと思ったが、
あいにく、ホイールカバーは
間に合っていたので止めといた。
追ってくるホイールカバーを、
カワシながら走ること10マイル。
このままでは、ボクの車に激突するのは時間の問題。
仕方なく、こいつを撃退するために、
とっておきの最終兵器じゃ。
今週のビックリドッキリメカ、発進!
マキビシのように、パイロンを放つ。
パイロン、パイロン、パイロン、パイロン、パイロン、
パイロン、マキロン、パイロン、パイロン、パイロン、
パイロン、パイロン、パイロン、パイロン、パイロン、
…
…
がんっ!
がら、がら、
がらがらがらがら…
…
…
がらん。
ふう、どうやら助かったようだ。
ホイールカバーは、パイロンに激突し、
遥か遠くに行ってしまった…。