8/4 ロンドン公演−第27話−
凍えるような寒さの中、
延々1時間にも及ぶ衛兵交替式を
半袖のシャツ(超ペラッペラ)
で見ていたボクは、
最後のほうには殆ど気を失いかけていた。
あの衛兵の帽子の暖かそうなことったら…。
もう、この場で衛兵に志願しちゃおうかしらと、思ったくらい。
それぐらい暖ったかそうだった。
あまりの寒さに、なんだか眠くなってきた。
もうすっかり眉毛も凍り付いているのがわかる。
次第にマツゲも凍ってきて、
思うように瞬きができない…。
こんなことだったら、コートの一つでも持ってくるんだった。
消え行く意識の中で、
ここまで共に歩んできた隊員たちの面々が脳裏をよぎる…。
どうやら、もう駄目だ。
あと一歩で、南極点に辿り着けるというのに。
自ら犠牲となって走りつづけてくれた犬ゾリたち…。
タロウ〜っ!ジロウ〜っ!
安易な名前をつけて悪かった〜!
『いやぁ〜、良かったねぇ、交代式。
カッコイイなァ。ちょっと、写真撮ってくるね。』
半分凍死状態のボクの横でえらく感動しているショーン(ハンドル)。
ボクも負けじと写真を撮りに行こうとするが、
思うように動けない。
まさに、
ロボ☆コップ演芸(by吹越満)
ウィーン、ガシャン。
ただでさえ、半袖の日本人という十分目立つスタイルなのに、
妙ぅ〜にリアルな動きで、
完全に怪しい人ランキングワースト5に食い込んでしまったようだ。
観光客でごった返すバッキンガム宮殿のはずが、
ボクの周りだけガッラガラ。
そんな冷たい目と、冷たい風から一刻も早くおさらばしたかったボクは、
イソイソと次ぎの目的地ビッグ・ベンを目指していた。