8/13 13日の金曜日

いつもの平和な朝がやってきた。

チュン、チュン…。

窓越しに聞こえる鳥たちのさえずりが、

心地よい眠りの中にいるボクを呼んでいる。

深っか〜い眠りの底から、

優しいさえずりに導かれてゆっくりと目を開ける。

どうやら今日もいい天気だ。

木漏れ日が、ブラインドをすり抜けて差込んでくる。

ベットから出て、窓のところに行く。

ブラインドを開けると、8月の朝が部屋いっぱいに広がる。

爽やかな朝だ…。

そんなことを、ぼんやり考えながら、

コーヒーを煎れる。

心地よい気だるさに身を委ねながら、

煎れたての香りを楽しむ。

少しだけ強い香りと、

煎れたての程よい熱さを感じながら、

眠気を振り払うように、

コーヒーを飲もうしたその瞬間…。

ドガガ、ガガ、ガガガ、ガガァーッ!

!?

な、なんだぁ?

こんな朝っぱらから。

まったく、何時だと思ってるんだよっ!

っと、時計を見ると、

朝9時過ぎ。

しまった、朝のバカ☆バラエティー見るの忘れた。

う〜ん、悔しい。

毎日くだらないと思いつつ、

ウッカリ見てしまうんだよねぇ…。

ってゆうか、

やべェ、遅刻だ。

音の主が気になったが、

どうせ恒例の芝刈業者の仕業だろう。

そんなことより、会社行く準備しなきゃ!

急いで着替えを済ませ、

靴を履き、階段を降りる。

ウチの玄関は2重扉になっていて、

上半分が窓になっている外側の扉と、

覗き穴しかない内側の扉という構成になっているのである。

イソイソと階段を降り、内側のドアを開けた瞬間、

目に飛び込んできたものは…

ジェイソン with チェーンソー。

ひぇ〜っ!

い、いくら、今日が13日の金曜日だからって、

そ、そりゃないんじゃない?

き、きっと夢だな、これは。

そうだ、夢に違いない。

そんなボクの僅かな期待を裏切るかのように、

チェーンソーは回り始めた…。

きゅいぃーんっ!

ヤ、ヤツは本気だ…。

窓越しに見えるマスクとサングラスに覆われた顔が、

ニヤリッとしたのは気のせいだろうか?

恐怖で足が竦み一歩も歩けない。

そんなボクをあざ笑うかのように、

ヤツをチェーンソーを振りかざした…。

ガリガリガリガリッー!

ひ、ひ、ひぇ〜っ!

も、もう駄目だ。

身体は硬直しきって、今にもチビリそう。

ガリガリガリガリッー!

この扉が破られたら、

その次にチェーンソーの犠牲になるのはこのボク?

いやだっー!

か、考えただけでも気を失いそう…。

い、いかん。

恐ろしさのあまり血が逆流したのか、

意識がもうろうとしてきた。

消えゆく意識の中で、

最後の力を振り絞って考えてみる。

どうして、目の前にジェイソンがいるのか?

どうして、よりによってボクが狙われるのか?

どうして、どうして、どうして、

どうして、ドアを開けて
入ってこないんだぁー!
鍵掛かってないよんっ。

がちゃ。

ボクの声が聞こえたのか、

ヤツはドアを開けて入ってきた。

ひえぇ〜、殺されるぅ〜、

やっぱ来ないでェ〜!

『やぁ。…あ、ひょっとして、出かけるとこ?
今、塗装剥がしてっからよ、気ぃつけてな。
あ、それとよ。帰ってくる時も気をつけろよ
ペンキ塗りたてだからな。』

「ハ、ハイ。それじゃあ、行ってきまぁーっす!」

 

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