8/17 四面楚歌
ソファーベットを2つも購入したはいいが、
肝心なことをスッカリ忘れていた。
どうやって運ぶ?
いくら他のゴージャスソファー連中に比べて、
サイズが小さいとはいえ、
一気に二つも購入して大丈夫だったろうか。
車に入らなかったりして。
「あのさあ、買ってから聞くのも何なんだけど…」
『何?』
「2つとも持って帰れると思う?」
『どんな車?』
「ツーリング・ワゴン。」
『あぁ、それなら大丈夫よ、』
『たぶん。』
所詮売れてしまえばコッチのもの、
そんなこたぁ〜知らねぇ〜よ。
という、ハラグロさのかけらも感じさせない笑顔で、
彼女は答えてくれた。
一階に降りて行き、会計を済ませる。
受け取り場所を聞いて、
受け取り待ちにキューイング。
20分待て。
えぇ〜そんなにぃ〜と、思ったが、
コレだけの人が居るなら妥当な時間ではあったろう。
はじめはボケラァ〜っと待っていたが、
ソロソロかなァと流れてくる荷物をチェックし始めた。
すると、ソレらしきものが既に出てきているではないかっ!
しかし、名前を呼ぶオバサンの目には止まらないらしい。
次ぎから次ぎへと流れてくる新しいほうに興味深々。
えぇ〜いっ!ソレがボクのだァ〜。
とっとと持ってきやがれぇ〜!
とは、言い出せずに、オバちゃんに気を送る…。
すると、驚くことにボクのソファーベットに気がつ…
く訳もなく、他がスッカリはけた頃にようやく呼んでくれた。
サインをしてソファーを受け取る。
結構でかいなあ。
でも、これならなんとか車に積めそうだ。
しかし、ここである重大なことに気が付いてしまった。
IKEAでは、車までカートが使えない。
ここでは、パーキングとは別に、
ピックアップ・ゾーンがあって、
買い物をした客は、
そこに車を回してきてそこで積むシステムなのである。
困ったなぁ、どうしよう。
駄目もとで聞いてみるか。
「あのぅ〜、このカートパーキングまで使っていい?
遠くに停めちゃって、一人で来たらさぁ。」
『駄目ぇ〜。』
や、やっぱり…。
『でもね。ピックアップする所にロッカーがあるから、それ使って。』
「ロ、ロッカー?」
とっさに更衣室や、駅にあるようなヤツを想像する。
…入らんだろう。
まぁ、大丈夫と言っていたから、
とりあえず行ってみるか。
表に出てもそれらしきものは、見当たらない。
店員を捕まえて、
「ねぇ、ロッカーがあるって聞いたんだけど。」
『ハァ?』
一瞬でこいつは駄目だと判ってしまう返事。
駄目もとで事情を説明。
すると、
『その辺に置いといて、車とってきたら?』
予想通りの回答。
ヤツの目が光ったのは、
『その間に、ソファーは頂くよ。』と、
言っているようなものだろう。