8/21 ロンドン公演−第35話−
博物館の中は、もったいぶったように、
順路が入り組んでいた。
進んでも、進んでもナカナカ辿り着かない。
まるで、
ビッグ・サンダー・マウンテンの行列。
人を人と思ってないようなコース。
カドを曲がるたびに、出くわす絶望感。
まだ、こんなに先があるのか…。
様々な展示品を鑑賞しながら、
ロープで作られたくねくね順路を進む。
やがて、2階へ通じる階段へ。
狭い階段を抜けると、天井が高く部屋にでた。
上を見上げると、随分高い位置に窓がついている。
きっと、観測用の窓であろう。
その窓に向かって、細なが〜い木製の筒が、
床上50cmくらいから、
ずぃ〜っと、伸びている。
きっと、昔の天体望遠鏡なのであろう。
それにしても長い。
ゆうに3mはある。
しかも、これ見よがしに置いてある。
何が見れるのだろか。
う〜む…。
興味深々である。
これだけ長いのだから、
きっとすんごい遠くまで見れるのだろう。
間違ってこんなので月なんか見ちゃったら、
星条旗の星の数とか、
数えられちゃうんだろうなァ…。
これで、宇宙の新事実とか発見したら、
どんなにスゴイだろう。
カリメロだってビックリだよね。
宇宙の新事実!
白鳥座だと思ってたけど、
これでよぉ〜くみたら、アヒルだった!
なぁ〜んてね。
どう思う、ショーン(ハンドル)?
『いやぁ〜、そんなことは無いと思うよ。
第一、何々座ってのは、星の配置から形を想像しただけだから。
別に白鳥の顔みたいだから、白鳥座って訳じゃないし。』
『ってゆうか、ガリレオだろっ!』
おぉ。やるなショーン(ハンドル)。
このインチキ占いの館っぽい所で、冷静な判断。
アタマも打ってないのに、星が見えちゃってるボクとは大違いだ。
そんな新事実発見にココロ奪われたボクは、
即効望遠鏡を覗きこんだ。
「おぉ〜。すげぇ〜!」
周りの目も気にせず、感嘆の声をあげるボク。
その声に横のチビッコが目をキラキラさせている。
興味深々って顔である。
次ぎ見たいって顔である。
すっかり望遠鏡をエンジョイしたボクは、
そそくさとその部屋を後にした…。
宇宙には、ロマンがある。
壮大な闇に光る無数の星たち。
遠くにいながら、その存在はとっても身近に感じる。
満天の星空を見上げると、
星たちの話し声が聞こえるようだ。
そう、こうやって耳を澄ませると…
『ママァ〜、何にも見えないよっ!』