8/23 ロンドン公演−第34話−
一通り、博物館内を見学し終わると、
最後に辿り着いたのは、
定番のお土産ショップ。
やはりグリニッチ天文台というだけあって、
宇宙や星に関するグッズが目白押し。
中には、コーヒーカップなどのように、
全然カンケェ〜ねぇけど、
星雲でも印刷しときゃイイか、
アホな中坊が買ってくれるだろう。
という、あやしぃ〜グッズも沢山あった。
しかし、不思議と純粋な少年の心には、
それが魅力イッパイに映ってしまうのだ。
あ、これコーヒー飲むとき丁度イイや。
などと、普段ロクに飲みもしないくせに、
その時だけ、コーヒー党の一員なってしまうから不思議である。
そうゆうヤツに限って、
実際買って家に帰るなり、
速攻コーヒーを煎れはじめる。
っと言っても、インスタント。
「ふぅ〜、疲れたなぁ。」
などと、少し背伸びした台詞を吐いて、
コーヒーをすする。
苦ぇ〜。
一度始めてしまった手前、後には引き下がれず、
泣きそうになりながらコーヒーを飲む。
ようやく、あと一口ってところまでこぎ付け、
大きなため息を一つ。
はぁ〜。
目と鼻をつまんで、残りを一気に流し込む。
ぐ、ぐぇ…。
むせ返るような、苦味の中でつぶやく言葉は、
こ、これが大人の味かぁ…。
結局、そのロマンたっぷりのコーヒーカップは、
それ一度きりしか使われることなく、
鉛筆立てに、早代わり。
ふと目の前には、少年がいる。
コーヒーカップをまじまじと見ている。
心なしかボクに似ている。
やはりこの少年も、
『コーヒー飲むとき丁度イイや』
などと、無邪気に考えているのだろうか。
思わず目を細めてしまう。
そっと少年に語り掛ける。
「それ気に入ったの?」
『うん。鉛筆立てに丁度イイかなって思って。』
…そ、そうだね。