9/1 ロンドン公演−第36話−
テムズ川の川底トンネルを抜け、
ボクとショーン(ハンドル)は、
天文台とは反対側の駅があるほうにやってきた。
階段を上ると、ちょっとした公園になっている。
「ほほぅ。あれが駅ですかねぇ。」
20〜30m先、道路を隔てたところに、
なにやらプラットホームのような建物がある。
駅という割には、あまり人の気配が感じられない。
と言うか、周辺が全然栄えていないのである。
普通、駅周辺というのは、
多少なりとも、店があったりして、
なんかこう、人が集う場所特有の雰囲気を、
かもし出したりするものである。
それが、全くない。
辺りは、住宅街なのだろうか、
とても静かで落ち付いた感じがする。
人通りもほとんどない。
そんな場所に、ポツンと駅があるので、
スゴイ違和感を感じるのだ。
「ホントに、駅なんですかねぇ。」
いつしか、そんな思いまでがよぎる。
とりあえず、それに向かって歩き出す。
やがて、公園の出口に差し掛かった時、
一つの案内板を、発見した。
『残念!駅が工事中の為、一回休み。』
がが〜ん。
どうりで、人気が無いわけである。
しかし、工事中とはついてない。
ホントに残念!って感じである。
「一回休み」では、どうしようもないので、
ボク達は、大人しく次ぎの番を待った。
やがて、見るからにスウェ〜デン人ってグループが、
追い付いてきて、案内板のところで立ち止まった…。
案内版を読んでしまった彼らは、もちろん一回休み。
がが〜ん。
全員フィヨルド漬けになってしまったようだ。
さて、ボクの番。
サイコロに気を送って、オモッキリ投げる。
おりゃっ!
…
…
ポチャン。
し、しまった。
勢い余って、テムズ川へ。
慌てて拾いに行くと、
そこには、金髪の美人が一人、
こちらを向いて微笑んでいた…。
『あなたは、テムズ川に落し物をしましたね。』
「ハイ。」
『それは、このサイコロですか、それとも、この金の延棒ですか?』
「金の延棒です。」
『ウソおっしゃい!』
うっ。
なんで、解ったんだろう?
う〜む。
やはり、サイコロ・キャラメルのパッケージを、
ホントに双六で使うのは、ボクだけなのか…。
みんな使ってると思ったのに。
でもなぁ、アレは他に使い道がないしなぁ。
さいの目に、穴をあけたところで、
コショウ入れの代わりには、チト無理があるし。
はっ!
ま、まさか!
箱の内側に、
粘土の重りをくっ付けて、
サイコロの目を、
こそっと調整していたのが、
ボクだけだったとか?
謎は深まるばかり…。