10/1 Webelieve!

ボクがマイアミに出張に行っている間に、

NYメッツは、

悪魔の7連敗。

その後、1勝1敗で残りゲーム数と3としていた。

もちろん、地区優勝の夢は既に消え去っている。

今は、ワイルド☆カードに賭けるのみ。

ワイルド☆カードとは、各地区の2位のうち、

一番勝率がいいチームが、プレーオフに出場できるという、

なんとも、情け容赦タップリのシステムなのだ。

ありがたやぁ〜、ありがたやぁ〜。

そのワイルド☆カードに残るには、

今ある2ゲーム差を、どうにかして縮めなくてはならない。

残り3試合だから、少なくともメッツが2勝して、

相手が2敗しないことには、追い付けないのだ。

そんな、崖っぷちに立たされているメッツの試合を観戦しに、

会社帰りに、とあるスポーツバーに立ち寄った。

店内に入ると、早速食い入るようにテレビを見る。

画面では、思惑どうり野球中継をやっていた。

ヤンキース戦。

ががーん。やっぱり。

同じニューヨークのチームなのに、この有様。

ヤンキースは、もう優勝が決まったから、いいでしょ?

メッツを応援しようよぉ〜。

な〜んてことを口走ったら、

えらい強そうな酔っ払いたちに、

ボッコ、ボコ。

仕方なく、ビールとミールを注文。

グビグビ、パクパク…。

程よく、よい気分になってきて、

程よく、満腹になってきたころ、

何気なくテレビに目を向けると…。

!!

なんと、メッツ戦をやってるではないか。

酔っ払ったかな?

目をこすって、よぉ〜くテレビを見ると、

画面一杯に、ピアッツアの顔。

わーい。

しかし、すっかり食事も終わってしまっていて、

お金も払い終わってしまっていた。

う〜ん、どうしよう。

粘るか…。

何もなしで?

しばし続いた自問自答のあと、

バーカウンターに席を移し、ビールを注文しているボクがいた。

試合は、2対1でメッツがリード。

既に8回なので、これはもらったろうと、

上機嫌でビールを飲む。

グビグビグビ…。

プッハァー。

さて、そろそろ帰るか。

ふらふらしながら、立ちあがったその時。

カッキ―ン。

えぇ〜?うっそぉー?

まさかの同点打。

最近のメッツの負けパターン。

先発は良いのだが、押さえが駄目駄目で、

土壇場で負けてしまう。

勝負強さがまるでない。

これでは、帰るわけにはいかないと、

ビールのおかわり。

飲んでないと、観ちゃいられない。

カウンターの人越しに、

首をびろーんと伸ばしてテレビを見ていると、

気をきかせたオヤジが、

『そっちのテレビ、
チャンネル変えて良いよ。』

おぉ。なんと心やさしいことよ。

ボクは、目の前のテレビをメッツ戦に合わせ、

応援再開。

試合は、2対2のまま延長戦に縺れ込み、

11回の裏、ランナー2,3塁で、

バッターがマイク・ピアッツアという絶好のチャンスが回ってきた。

しかし、ピアッツアは敬遠で、満塁。

これが、相手のミスであった。

次ぎのバッターは、2打席連続3振の、

ロビン・ヴェンチューラ。

誰もが、打てないと思ったであろう。

これで、3アウトになると思ったであろう。

しかし、ボクは知っていた…。

奴は、ヤル。

2三振で、怒りの頂点に達していた彼は、

見事、劇的な、さよならヒットを放ったのである。

やったー!

両手を上げて、大きくガッツポーズ。

うぉりゃぁ〜っ!

と、声にならない雄たけびを上げると、

しーん。

喜んでるのは、ボクだけ。

こんなに人がいるのに、だぁ〜れも、

メッツなんかどうでもいいのだ。

ボクの狂ったような、勝利のダンスに、

『良かったね』と、女のコが声を掛けてくれただけだった…。

 

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