10/13 金は天下の回りモノ−中編−

トクトクトク…。

たぷんっ。

どうやら、満タンになったようだ。

サイドミラー越しに見える、

給油口から溢れるガソリンが、何よりの証拠。

華厳の滝みたいで、キ・レ・イ。

給油し終わったオヤジが、

のらり、くらりと、やってくる。

15ドル、25セント。

ボクは、ガソリンを入れる時はいつも、

決まって20ドル札を出すようにしている。

理由は簡単。

小銭が欲しいのだ。

普段、お昼を外で食べる時は、

1ドルや5ドル札が重宝するので、

これらを常備しておくのが良い。

また、ボクのアパートには、

クウォーター(25セント)を5枚も食いやがる、

コインランドリ―がついているのだが、

両替機がない。

ガソリン代が、15ドル25セント。

ここで、20ドルを出すってことは…

1ドル札×4、クウォーター×3を、

まんまとゲットできるではないか!

ニヤリッとしながら、20ドル札を出す。

それを受け取りながら、オヤジ。

クウォーター持ってる?

へ?

予想もしない言葉に、あっけにとられたまま、

クウォーターを差し出す。

ほれっ、お釣の5ドルじゃよ。

渡されたものは、5ドル札一枚ぽっきり。

さ、さんきゅー。

普通、アメリカ人はこの手の計算が苦手で、

70セントを支払う時、1ドル20セント出すと、

20セント多いんだよ、ばぁ〜か。

って、突っ返されるのに…。

よりによって、こんな、

のらり、くらりとしたオヤジに、

まんまとクウォーターを持ってかれるとは。

小銭が欲しくて、

わざと20ドル札出したんだぞー!

したんだぞー!

したんだぞー!

今宵は、これくらいにしとうございます。

 

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