5/29 手抜き

スポッ…

いい感じに抜けたのである。

アメリカ生活3年目の春、

初めてあの心地よい音とともに、

スポッ…

きれいに抜けたのである。

あまりお酒を飲まないボクにとっては、

そうそうこんなチャンスはやってこない。

少し緊張していたせいか、

手が少し汗ばんでいた。

スポッ…

手を近づけてよく見てみると、

見事なコルク色が目に入る。

芸術技と言ってもいいぐらい見事な抜けっぷりであった。

しばらく、余韻に浸ったボクは、

抜けた痕から漂うなんとも言えない「かほり」に

酔いしれながら考えた。

さて、どーするかな、

このドアノブ。

ド、ドアノブ取ってもーた。

どないしょ?

いくらウチのアパートがボロいからといったって、

宇宙観光ができるこのご時勢、

誰がいったいドアノブが取れると思うだろうか、

いや、いない。

かと言って、

そのまま持って出かける訳にも行くまい。

「my十手」なら全然怪しくないが、

「my取っ手」は怪しさたっぷりである。

ここは知らばっくれるしかはないか。

とりあえず、なかったことに…。

 

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