6/1 星条旗の赤、青、白
ドアノブ疾走事件から一週間、
玄関のドアは、軸がむき出しになっており、
泥棒さん、いらっしゃぁ〜い
状態になっていた。
よっぽど、隣のドアからノブだけ取ってやろうか
とも思ったが、
それこそ、
泥棒のすること
なので、止めといた。
たとえボクが隣のドアノブを盗み、
家の玄関に取り付けて、
見事、泥棒になれたとしても、
今度は、家の玄関が、
「泥棒さん、いらっしゃぁ〜い」状態では
無くなってしまうので、
その時、既に泥棒のボクは、
全く、歓迎されてない
ことになってしまう。
どうしても「Yes/NO枕」は欲しいので、
なんとか三枝に歓迎される手はないものかと、
一晩、徹夜で考えたが、
結局、ナイスなアイデアは、
思い付かなかった。
…
そうこうしているウチに、
いつのまにか、
新しいドアノブが取り付けられていた。
おぉ。
ゴールドに輝く新品のドアノブ。
夕日を受けて、いっそう眩しく感じられる。
仕事から帰って、
鍵を差込み、ドアをあける。
ワンベットルームの我が家が、
なんだか今日は、
お屋敷みたい。
そのくらいゴージャスに、ドアノブは輝いていた。
中に入り、ゆっくりをドアを閉める。
カチャリ。
閉まる音もどことなく上品に聞こえる。
鍵を閉めようと、
ドアノブに手をかけた…。
あ、あれ?
鍵が付いてない。
全世界、どこの玄関にもあるような、
ドアノブの中心に付いてあるはずの鍵が、
ないのである。
どんなに覗き込んでも、金色のドアノブに映るのは、
のびぃ〜た哀れな己の顔だけ…。
なんだよぉ〜。
これじゃ、内側から鍵がかけられないじゃないか。
まったく、
ドアノブを取り替えてくれるのはありがたいけど、
内側に鍵がなかったら、
全然、意味無し男じゃん。
まぁ、出かける時には、
外側から鍵がかかるから、いいっか。
一応、泥棒は入れないしね。
一件落着。
…
…
っな訳ねーだろ!
なんせ、この玄関のドアは、
下のバァーさんと共同なのだから。
ボクが家に居る間に、
バァーさんが、外側から鍵をかけたら、
一生出られないのだ。
チャン、チャン♪
「アメリカの虜」の巻 〜完〜
って感じである。