冷たい壁に寄りかかって座り何かを考えていた

真冬の夜風は人肌には寒い
外套や手袋を身にまとっていても
容赦なく襲ってくる冷気

壁の前でもう1時間も来るはずの人を待っている

冷たい壁に寄りかかって座り何かを考えていた…

夜(よ)
藍色の空に綿の大きな雲がぽっかりのっている
風は冷たくて身が痛む
街灯が地を照らしてはいるが道は暗い
周りには人も車もない
ただ空だけが明るくて

ほのかな明かりがやって来る
あれが神の母の光だったのか

孤独電車
テールランプをみつめながら電車に揺られる
いったい一人でどこに向かうというのだろうか

ただ一人の乗客を乗せて電車は同じ道を周るだけ

以前確かに友達と通ったことのある道なのに
どうしてこうも違って見えるのだろう

かつてとの心の違いか
かつてとの時の違いか

薄暗い夜道を一人歩いて行こう

白息
もうすぐ夜の0時
空には光るコンペイトウ

ほのかな光に照らされて
息が白く巻いていく

白息は決して光るコンペイトウには辿りつけない
風が連れて去ってしまうから

個人授業
目の前にはめったに机の上には置かれることのない英語のテキスト
横にはいつもわたしの心を揺さぶるあなた

あなたは未知の扉を開く鍵の場所を教えてくれる
でも鍵の場所なんて忘れてしまう

あなたはわたしに鍵の場所を教えてくれるけど
同時に忘れてしまう魔法をかける

あなたの知らないうちに

トランク
トランク持ってどこへ行こう
行きたいところはたった一つ

北極に行きたいんじゃない
地球の裏側のブラジルに行きたいんじゃない
地球を離れて月に行きたいんじゃない

愛おしいあなたのところへ行きたい




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