月落烏啼霜満天

「説明」

この漢詩は唐の詩人、張継が詠んだもので、寒山寺を一躍有名にした。
楓橋は江蘇省蘇州の西郊、楓江にかけられた橋。名勝として知られ、また交通の要衝でもある。
作者が船旅の途中、この橋のほとりに船をとめて一泊したときの作。

月落ち烏啼いて霜天に満つ
江楓、漁火、愁眠に対す
姑蘇城外の寒山寺
夜半の鐘声 客船に至る

月は沈み、暗い夜空に烏が鳴き、そして霜の気は一面の空に満ちわたっている。紅葉した川辺の楓、あかあかと輝く いさり火が、旅愁に眠りかねる目の前に、鮮やかに浮かぶ。いにしえの姑蘇の町の郊外、寒山寺の、夜半につき鳴らす 鐘の音が、旅を続けてきたこの船の中までも伝わってくる。